第5回 田中義信 先生(経済学部)

第5回目のインタビューは、経済学部の人気科目「キャリア・デザイン応用」ご担当の田中義信先生。

将来のために学生が今すべきことについて、全力でサポートしてくださる田中先生にお話をうかがいました。

Q:先生のご担当科目「キャリア・デザイン応用」ですが、こちらをご担当されることになったきっかけは何ですか?

A:私は長年、大学生協で大学生への就活支援に携わってきました。国家資格キャリアコンサルタントと2級キャリアコンサルティング技能士の資格を持ち、カウンセラーとしての長年の経験からNPO法人キャリアサポート研究会を立ち上げて、キャリア形成事業を行なっています。具体的には、大学生協では書店や学食の経営、環境保全活動など、キャリアコンサルタントとしては、留学生支援、就労支援や相談、セミナー講師などを行っています。そういった経緯で、駒澤大学経済学部の先生から「この科目を受け持ってもらえないか」とのお話があり、今に至ります。


Q:ずっと学生の就活を支援してこられたのですね。田中先生ご自身は、学生時代・就職活動はどう過ごされたんですか?

A:大学時代は、専ら学問よりもボランティアなどの社会貢献活動に燃えていました。大学1年生の時から大学生協に関わっていて、就職もそのままその生協に就職しました。


Q:この科目を教えるにあたって、先生がやりがいを感じるのはどんな時ですか?

A:キャリア・デザインという科目は、大学の講義の中で学んでみても、実際に卒業して社会に出てからでないとよく分からない部分があると思います。だからこそ、アドバイスや相談をした学生から感謝と内定の報告をもらった時にはやりがいを感じますね。教えた学生が働くことの楽しさを感じながら社会で活躍できることが、私がその瞬間を見ることができるわけではないけれど、一番喜びを感じます。

Q:先生にとっての理想の先生像とは何ですか?

A:金八先生ですかね(笑)キャリア・デザインの授業にも、やる気のない学生がいることはいるんです。なので、初めは学ぶ気があまりなかった学生を変えていける先生がいいなと思います。


Q:先生が学生に伝えたいメッセージはありますか?

A:学生時代の今のうちに、社会で活躍できる能力を身につけてほしいと思っています。働き方なり生き方なり、そういった計画・理念・方針をぜひ持って欲しい。やると決めたらやるという決断をしてほしい。決めたらまずやってみるという、一歩踏み出して実践するということをぜひ今から意識してほしい。それが一番伝えたいことです。


Q:先生のおすすめの本を教えてください。

A:今の学生はちょっと打たれ弱いところがあると感じています。今の世の中は、「全力で働き続けないと、あるいはトップで活躍できないと生き残れない」ような社会のように言われていますが、社会はそうであってはいけないんじゃないかなと思います。香山リカさんの『弱者はもう救われないのか』という本には、「弱い立場にある人に手を差しのべるのは、その人のためではなくて、自分のためになるからだ」という文章があります。社会的に弱い立場にいる人の救済を力を合わせてやっていけるような人間になってほしいと思います。自分が落ち込んだ時にも、この本が役に立つはずです。

もう一つは、吉野源三郎さんの『君たちはどう生きるか』、こちらはキャリア・デザイン応用を履修する学生にはお薦めの本です。

Q:お忙しいところ、ありがとうございました。私も今自分のためにできること、誰かのためにできることについて、もう一度よく考えてみたいと思います。

聞き手:学生FDスタッフ

経済学部2年 深澤