第1回 各務洋子先生(GMS学部)

第1回のインタビューに応えてくださったのは、グローバル・メディア・スタディーズ学部の各務洋子先生

2006年のGMS学部開設に携わられ、現在はGMS学部長。

要職にありながら数多くの授業を担当し、高校生向け講座などでも評判を呼んでいます。

2018年には、ご担当の「グローバル経営論」で「学生が選ぶベスト・ティーチング賞」を受賞されました。

いつもパワフルな各務先生の、明るいエネルギーの秘密に迫りました。

Q:各務先生のご専門は「経営学」とのことですが、初めに先生が経営学を学び始めたきっかけは何だったのでしょうか?

A:大学に入学する前から漠然と「世界で仕事がしたい」と思っていて、英語も好きでした。「世界にどんな仕事があって、どこでどんな仕事ができるのかを知りたい」と思って、経営学を学び始めました。


Q:大学では、どんな学生時代を過ごされたんですか?

A:限られた大学4年間を充実させたいと強く考えていました。「現場を見たい」一心から、夏冬の長期休みには何度も海外に留学に行き、海外インターンシップにも積極的に参加しました。できるだけ親には頼らずに海外で勉強する機会を得たいと思っていたので、当時の外務省や通産省の協賛企画などを自分で探して、積極的に応募していました。結果として4年間で計8回の機会を得ましたが、一人っ子だったので安全面で親を説得するのに苦労した記憶がありますね。(笑)


Q:すごくアクティブな学生だったんですね!今振り返って、「学生時代にやっておいて良かった」と思うことはありますか?

A:海外での企画に参加できたことが、最も今の私に生きていると実感しています。アイセック(AIESEC:1962年設立。126の国と地域で活動する世界最大級の学生組織。)に個人で加入して、母校に支部を創設し、自分でも海外インターンシップの機会を得ました。ブダペスト(ハンガリー)のヒルトンホテルで、英語のツアーガイドとして3カ月間働きました。その当時はまだ東西冷戦の影響が色濃く残っていたので、緊張しながら働いていましたね。


Q:学生時代に、当時の微妙な世界情勢を肌身で感じていたんですね。逆に、「学生時代にやってみて良くなかったこと」は何かありますか?

A:チャレンジする度にたくさんの失敗を体験しましたので、自分の中では多くの反省点もありますが、今となってはその時の失敗が全て人生に活かされていると感じています。学生時代に体験したことは、失敗も含めて、良くなかったことは1つもないという気持ちです。むしろ一番まずいのは、アクションを起こさないことだと思います。

Q:今の各務先生の前向きなお姿にもつながりますね。各務先生の「誰にも負けない」と思うところはどこですか?

A:やはり、忍耐力とチャレンジ精神です。今でも失敗ばかりしているのですが、「実際に自分が体験してみないと気が済まない」「実際に自分で見てみないととわからない」という強い気持ちが学生時代からの私の原動力です。


Q:毎日忙しくされていらっしゃるようですが、プライベートでの趣味や息抜きはなんですか?

A:音楽です。クラシックピアノを三歳の頃から習っていて、音大に通っていたこともあるんですよ。

Q:各務先生には、「理想の先生」像はありますか?

A:大学は主体的に勉強したい学生と共に学ぶ場です。学生と一緒に勉強を続けること、「一方的に教える」という立場ではなく、双方向に意見を交わすことが大事です。自主性のある学生さんと一緒に切磋琢磨して、楽しく勉強し続ける教員を目指しています。

Q:各務先生は、2018年度「学生が選ぶベスト・ティーチング賞」を受賞されましたが、授業の中で工夫していることはありますか?

A:学生が書いたリアクションペーパーを通して学生の本音を把握することだけは、20年間続けています。その時代の学生に一番刺さる言葉を使って伝えることを大切にしています。難しい言葉を使って教えても、伝わらなければ意味がないからです。まずは、学生の興味のあることから話し始める。その時代を生きる学生さんが、一番知りたい社会的な関心事をトピックにして解説することから始めて、そこから経営学に繋げるようにしています。

Q:最後に、各務先生が学生へお勧めしたい本を教えてください。

A:「天才!」(マルコム・グラッドウェル)という本です。自分自身をマネジメントすること、タイムマネジメントを考えさせてくれる、非常に面白い本です。

時間は人間にとって最も大切な資源です。一日24時間は、すべての人間に平等に与えられている資源です。私たちが唯一できることは、どのようにその時間を使うのかということ。自分で決めた時間の使い方が、私たちの人生を形作っているんです。使い方次第で人生は変わります。


Q:タイムマネジメントについて、私たちも真剣に考えてみたいと思います。本日は、お忙しい中、どうもありがとうございました。


聞き手:学生FDスタッフ

GMS学部1年 岩原

法学部3年 加地