【8回目】トスカーナ州
◆トスカーナ州・・・ブドウ栽培に適した気候と土壌に恵まれ、個性豊かなワインが生み出される州です。「ブルネッロ・ディ・サンタルチーノ」「キャンティ」などのサンジョベーゼ種主体の伝統的銘柄と、土着品種にこだわらず、国際品種ブドウを使用した「スーパー・タスカン」など、自由な発想で醸造されたワインが入り混じる場所です。
ファットリーア ・ディ・ラモーレ・ ディ・ パオロ・ソッチ “カステッロ ・ディ・ ラモーレ"
Fattoria di Lamole di Paolo Socci "Castello di Lamole"
Chianti Classico DOCG
ワイン名:Castello di Lamole カステッロ・ディ・ラモーレ
ワインの種類:BIO赤ワイン
ブドウの種類:サンジョヴェート 100%(サンジョヴェーゼ)
生産地:中部イタリア・トスカーナ州・フィレンツェ県・グレーヴェ イン キャンティ自治体
ワイナリー名:Fattoria di Lamole di Paolo Socci ファットリーア・ディ・ラモーレ・ ディ・パオロ・ソッチ
ワイナリーの特徴:フィレンツェとシエナのちょうど中間に位置するFattoria di Lamoleは近隣の集落と共にグレーヴェ川主流に面し、北東をサンミケーレ山と南西を小高い丘に囲まれ、所有する畑もフィレンツェ県とシエナ県にまたがっている。ワイナリーを所有するソッチ家の紀元は1071年頃に始まったとされ、1000年に及ぶ歴史を持っている。19世紀後半から20世紀にかけて所有地の整理、フィロキセラ被害との闘いやキャンティクラッシコ生産組合の立ち上げを経て、1955年には農業省にトスカーナ初の大規模生産者としての認定を受ける。2003年よりワイナリーのオーナーとしてパオロ・ソッチ氏は、そうした数世紀に渡る家族の歴史と土地の特性をワインで表現するため熱心な努力と研究を続けている。
畑の特徴:標高: 550m、5000本/ha、樹齢: 16年、仕立て: コルドーネ スペロナート、南西ー北東、小岩を伴った砂泥質と頁岩(粘土が固まってできた柔らかい岩)
ワインの特徴:視覚: ガーネット、嗅覚: 強い香り、ブラックベリーや赤いさくらんぼ、プラム、ユーカリ、ラベンダー、黒コショウ、煙、味覚: フルボディで高い酸を感じる。中程度のタンニンと長いフィニッシュ。
醸造:ステンレスタンク、あるいはセメントタンクで発酵の後、少なくとも12か月セメントタンクにて保存。12~24か月古いフレンチバリックで熟成した後、さらに12か月以上の瓶内熟成を行う。
相性の良い食事:鹿肉のローストやステーキ、生パスタ
中川原まゆみのコメント:先年、施行されたサブゾーンの区画に加わったラモレ地区。ここは標高600mに畑があり、キアンティ・クラッシコの産地の中では最も高い位置にある。冷涼な気候になり、また、日照量も得られ、風も吹き抜ける。しっかりとした酸味があり、バランスのとれたエレガントなワイン。
ファットリーア・デル・テーゾ "モンテカルロ・ロッソ・リゼルヴァDOC"
Fattoria del Teso "Montecarlo Rosso Riserva DOC"
Montecarlo Rosso DOC
ワイン名:Montecarlo Rosso Riserva DOC モンテカルロ・ロッソ・リゼルヴァDOC
ワインの種類:赤ワイン
ブドウの種類:サンジョヴェーゼ、メルロー、シラー、チリエジョーロ、コロリーノ、プティ ヴェルドー
生産地:中部イタリア トスカーナ州 ルッカ県 モンテカルロ自治体
ワイナリー名:Fattoria del Teso ファットリーア・デル・テーソ
ワイナリーの特徴:Fattoria del Teso は、ルッカとフィレンツェの中間にある絵のように美しい中世時代の集落、モンテカルロに位置する。ティレニア海とアペニン山脈からそれぞれ50㎞と恵まれた気候とモンテカルロの土壌の性質のおかげで古代ローマ時代よりこの地域ではワイン造りが行われている。もともとワイナリーは中世貴族、あるいは修道院長の所有であったが、1970年より現代農業技術を取り入れてリノベーションを開始し、先鋭的なブドウ栽培技術を活用しながら現在では15ヘクタールに及ぶブドウ畑からワインを製造している。醸造家はFrancesco Bartoletti氏。
ワインの特徴:視覚: 深いルビー色、嗅覚: 野生のベリー系の香りにスパイスとヴバニラのノートが漂う。味覚: 丸みがあり、辛口だが、甘いタンニンと調和している。
醸造:28℃に管理し発酵し、15日間マセレーション。8か月間、セメントタンクとステンレスタンクにて保管後、一部はフレンチオーク樽にて12か月熟成させる。その後、6か月瓶内熟成。
相性の良い食事: 赤身肉、焼いた肉、ジビエ、チーズ(提供温度18-20℃)
中川原まゆみのコメント:トスカーナの産地の中ではあまり知られていないが、歴史的に古い産地。内陸からも、海からも、中間的に位置しているため、気候的なバランスがとれているため、ブドウは完熟でき、柔らかで、まろやかなタンニンが特徴的。
イル・サッソーロ "カルミニャーノDOCG"
Il Sassolo "CarmignanoDOCG"
Carmignano DOCG
ワイン名:CARMIGNANO DOCG カルミニャーノDOCG
ワインの種類:赤ワイン
ブドウの種類:サンジョヴェーゼ75%、カベルネソーヴィニヨン・フラン25%
生産地:中部イタリア、トスカーナ州 プラート県、カルミニャーノ自治体
ワイナリー名:Il Sassolo、イル・サッソーロ
ワイナリーの特徴:モンテルバーノ山の東側麓に位置する1975年創業したワイナリーは、14000本(2011年)ほどのワインを生産し、うち4000本がカルミニャーノDOCGである。カルミニャーノDOCGの歴史は1396年にまで遡り、サンジョヴェーゼとメルロー、カベルネと言った国際品種を混ぜて生産されることから、後のスーパータスカンの元祖と言われている。土地への愛情と情熱を注ぎ、伝統の文化を育むため可能な限りのクラシックな製法でブドウの収穫を行う。醸造家は Giuseppe Rigoli。
ワインの特徴:視覚: 強いルビーレッドに紫の淵、嗅覚: ベリーとムスク、クローブを感じる強く複雑な香り、味覚: しっかりしたストラクチャーと素晴らしい酸で熟成にも耐えうる。エレガントで甘いタンニンと長いフィニッシュにフルーツを感じる。
畑の特徴:クリュ: サンタクリスティーナ、標高: 180m、3300本/ha(古い畑) 5000本/ha(新しい畑)、樹齢: 21年20年4年、仕立て: グイヨー カポヴォルト、コルドーネスペロナート、南から東向き,ブドウ房の間引きの実施、平均生産量35hL/ha
醸造:9月最終週から10月初週に手摘みで収穫したブドウを温度管理したステンレスタンクで発酵。10~25日のマセレーションし、その間、ブドウの状況や年ごとの特徴によって、リモンタージュやデレスタージュを調整する。ワインの一部をフレンチオーク樽あるいはバリックにて12~16か月熟成させ、残りは1000L容量のスラヴォニア樽で熟成させる。瓶内熟成最低6か月。
相性の良い食事:赤身肉のグリル焼き 、ジビエ肉料理 、熟成チーズ
中川原まゆみのコメント:メディチ家のカテリーナがフランスに嫁ぎ、お礼にもらったカベルネの苗木をこの産地に植え、現在でもワインのブレンドに国際品種を加えなければならない規定がある。ここはトスカーナの北部にあるにもかかわらず、盆地的な地形でブドウの完熟を促すためには適しています。カベルネは青っぽい味にならず、ワイン全体にボリュームを与え、固有のワインとしての存在感がある。