【10回目】カンパーニア州
◆カンパーニア州・・・南イタリアを代表するワイン産地として名高い州。温暖な地中海性気候と豊かな火山性土壌に恵まれた環境のため、古くからワイン造りが行われ、"南のバローロ"と称させる「タウラージ」を筆頭に、高品質なワインを生産しています。2000年頃からワインの品質が飛躍的に向上し、イタリアで最も活気があるワイン産地の一つです。
カンティーネ・アストローニ "コッレ・ インペラトリーチェ"
Cantine Astroni "Colle Imperatrice"
Campi Flegrei DOP Falanghina
ワイン名: Colle Imperatrice コッレ・ インペラトリーチェ
ワインの種類:白ワイン
ブドウの種類:ファランギーナ100%
生産地:南イタリア カンパーニア州 ナポリ県 ナポリ自治体
ワイナリー名:Cantine Astroni カンティーネ・アストローニ
ワイナリーの特徴:ヴァルケッタ家は100年以上に渡って、常に自分達の土地への配慮を忘れないワイン生産を行っている。1892年、ヴィンチェンツォ・ヴァルケッタ氏はワイン生産を始めたいという思いを強くした。その息子ジョバンニは第二次世界大戦から帰還直後に父の夢を実現する。四世代を経て、1999年、現在のCantine Astroni は、カンパーニア州への貢献、伝統と近代技術の融合した醸造方法を駆使するワイナリーとしてスタートする。海と火山に囲まれている地理的条件と醸造技術の革新により、土地の特性を表現するワインの生産を実現している。特にファランギーナとピエディロッソにおいてはフィロキセラ被害以前の接ぎ木のしていないブドウが残っている。ブドウは古代ギリシャから紀元前700年頃に初めてイタリア・クーマ港に輸入されたという記録がある。ギリシャ人は地面に這わせるようにブドウ栽培を行っていたが、イタリアの気候にはそれが会わず、カビの発生を防ぐため、木の支柱に沿わせて上に向けて張る方法が生み出された。このラテン語の木の支柱を示す単語がファランギーナの語源とされている。
ワインの特徴:視覚: 緑がかった麦わらの黄色に黄金色も見える。嗅覚: 複雑で強く持続する花とフルーツの香り、味覚: 辛口で熱と滑らかさ、良い酸とミネラルを感じる。 バランスがよくフルボディで力強さと持続する味
畑の特徴:標高: 200-400m、仕立て: グイヨー、砂泥質、平均生産量: 7000kg/ha
醸造:10月初旬に手摘みでブドウを収穫し、冷却状態でのマセレーションを実施。ステンレスタンクで14-18℃でコントロールし2週間かけて発酵を行う。ステンレスタンクで澱とともに4か月保管し瓶詰めする。
相性の良い食事:魚介類のパスタ、魚をベースにしたお料理 ・生魚、甲殻類 ・野菜料理
中川原まゆみのコメント:火山噴出物でも、火山灰が多く堆積した土壌。ワインには軽やかさがあり、ベースにしっかりとした塩味がある。独特の落ち着いたミネラル感が全体を包み、和食にとても合う。
サルソーレ "グレコ・ディ・トゥーフォ DOCG"
Sàlsole "Greco di Tufo" DOCG
Greco di Tufo DOCG
ワイン名:Greco di Tufo DOCG グレコ・ディ・トゥーフォDOCG
ワインの種類:白ワイン
ブドウの種類:グレコ・ディ・トゥーフォ100%
生産地:南イタリア カンパーニア州アヴェッリーノ県 モンテフスコ自治体
ワイナリー名:Sàlsole サルソーレ
ワイナリーの特徴:Sàlsoleは、Montesoleの所有者ジョヴァンニが息子のカルロのために創ったワイナリー。従来所有していた土地に2005年にブドウをあらたに植樹し、高品質のワインの生産している。2010年ヴィンテージから、自社畑のみのブドウを使用した醸造でのワインの生産がスタートし、2011年にワインの販売を開始。 Sàlsoleのブランド名は、“Salve Sole!幸いあれ、太陽!”と昔の農夫たちが太陽の光の恵みへの敬意を払う挨拶をしていたこの言葉から由来している。50ヘクタールあるブドウ畑は、カンパニア州で最も古いワイン生産地区であるイルピニアの丘陵地に位置する。理想的な畑の向き、標高、肥沃で粘土質・石灰質の火山性土壌が特徴だ。古代ラテン・ギリシャ時代に遡る土着品種が今も残る唯一無二の土地。 慎重に厳選したブドウと現代的なブドウ醸造方法を行うことで、毎年一貫性の品質を保持している。イタリアとヨーロッパの当局によって認められた品質認証において最高水準のワイン、そして堅実な販売方針により、お客様に高品質ワインを安定した価格で提供。
ワインの特徴:視覚: 麦わらの黄色、嗅覚: ミネラル香と統合されたシダーのような柑橘とグレープフルーツ 、味覚: 力強い 、残糖分: 1.30g/L、SO₂: 26mg/L
畑の特徴:仕立て: スパッリエーラ、石灰粘土質
醸造:10月中旬に手摘みで収穫。発酵後、ステンレスタンクで2か月保存後に瓶詰めし、瓶内熟成最低1か月。
相性の良い食事:前菜や洗練された魚介ベースや白身肉料理(提供温度: 12℃)
中川原まゆみのコメント:グレコ種はしっかりとした酸がある、神経質な品種。栽培環境が限定されているが、適合するとクリスピーなミネラル感が現れ、スパイス系のスモーキーな後香が残る。カンパーニアで最も重要な白ワインのひとつ。
テヌータ・デル・メリッジョ "カンピ・タウラジーニ"
Tenuta del Meriggio "Irpinia Campi Taurasini"
Irpinia Campi Taurasini DOC
ワイン名:Campi Taurasini カンピ・タウラジーニ
ワインの種類:赤ワイン
ブドウの種類:アリアニコ100%
生産地:南イタリア カンパーニア州 アヴェッリーノ県モンテミレット自治体
ワイナリー名:Tenuta del Meriggio テヌータ・デル・メリッジョ
ワイナリーの特徴:千年ほど前からその恵まれた気候と土壌からブドウ栽培の土地として知られるイルピーナ地区のなかでも、Tenuta del Meriggioが本拠地を置くのはセッラ・ディ・モンテミレットである。Tenuta del Meriggioはブドウ畑への情熱によって生まれ、それによって比類のないワインを生産している。彼らの哲学は、特別なブドウ栽培への適性を持った土地から生まれるブドウを、最大限に価値を見出し使用する、つまり全ての価値はまずブドウ畑から生まれるという考えに基づいている。テロワールの尊重、つまり、土壌と気候要素と、そこに植えられたブドウの樹、そして人による農作業と最新の醸造技術、さらにはカンティーナにおける伝統的な熟成方法の相互作用が、最高品質に近づくための唯一の道だと捉えている。環境サステナビリティの理念に基づいて建てられた近代的なカンティーナでは、浄水と発電については日中に太陽光と温熱パネルを利用して行われる。雨水は小さな湖に、フィルターで浄水された再利用水とともに貯水される。醸造用の大きなフロアには革新的な機械と温度管理可能なステンレスタンクが備わっている。建物の地下に掘られた樽貯蔵庫の壁は地下水によって定期的保湿され湿度が保たれている。この湿度と静かで振動のない環境によって、オーク樽やトノ―樽での熟成を可能にしている。伝統と革新技術の融合によって、安定したワインの質を保障している。
ワインの特徴:視覚: 暗めのルビーレッド色と淵にガーネット、嗅覚: 熟した赤いフルーツ、胡椒、カカオとトースト香、味覚: 辛口で高い酸だが、十分にマイルドで、熟成とともによりよくなる。
畑の特徴:標高: 500m 4000株/ha、樹齢: 10年から19年、仕立て: グイヨー、畑の向き: 南・南東、最大生産量10000kg/ha、粘土砂質
醸造:11月上旬から12月上旬に手摘みで収穫。ステンレスタンクでの15~20日と比較的短いマセレーションの後に12か月オーク大樽にて12か月、続いて最低6か月瓶内熟成させる。
相性の良い食事:肉を使ったパスタ料理、トリュフや手の込んだ料理、ジビエやロースト肉、熟成チーズ(提供温度: 18-20℃)
中川原まゆみのコメント:アリアニコ種は南イタリアで多く栽培されている品種だが、ここイルピーニャ、特にタウラジのエリアで栽培されているアリアニコからは、すみれなどの繊細なフローラルな香りが現れる。このワインはタウラジエリアの、また標高の高い畑で造られたワイン。