【14回目】トスカーナ州(内陸部)
◆トスカーナ州(内陸部)・・・伝統的ワインの生産地である内陸部は、夏が暑く、冬は非常に寒い大陸性気候。重厚でしっかりとした力強い赤ワインや、トスカーナ州唯一の白ワイン産地ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノDOCGで生産されるハチミツの香りとしっかりとした酸が特徴的な白ワインが広く知られています。
ドナテッラ・チネッリ・コロンビーニ "レオーネ・ロッソ"
Donatella Cinelli Colombini "Leone Rosso"
DOC Orcia
ワイン名:Leone Rosso DOC Orcia(レオーネ・ロッソ DOC オルチャ)
ワインの種類:赤ワイン
ブドウの種類:サンジョヴェーゼ60%、メルロー 40%
生産地:中部イタリア、トスカー ナ州、シエナ県、トレクア ンダ
ワイナリー名:Donatella Cinelli Colombini Az. Agricola(ドナテッラ・チネッリ・コロンビーニ ・アジエンダ・アグリコラ)
ワイナリーの特徴:総面積は336ha。オルチャにあるファットリア・デル・コッレは17haのブドウ畑を所有し、サンジョヴェーゼ、メルロー、トラミネール、フォリア・トンダを栽培してい る。歴史的なワインセラーは、祖先であるソチーニ家によって1592年に建てられた。 今でも現存し、アグリツーリズム、レストランとして使われている。 創業者のドナテッラは1998年に実家の農業から独立した。ワイナリーを設立時にブルネッロ・ディ・モンタルチーノの樽を大量に譲り受け、セラーの管理者を雇うためにある醸造学校に相談したのだが、この時に同じ専門資格を持つ男女に差別があること を目の当たりにした。これがきっかけで女性だけで運営するワイナリーが誕生。さらに偉大なワインの生産のために男女が等しく持っている情熱と才能が発揮できることを目的としたプロジェクトも立ち上げた。
ワインの特徴:ワイン名のレオーネ・ロッソ(エチケットに描かれ ている後足立ちのライオン)はソチーニ家の紋章。 彼らに捧げられたワインである。 色:ルビーレッド色 、香り:小さな赤系果実(フサスグリなど)、スパイス、ミックスベリー 、味わい:コクがあり、調和がとれていて、力強く、 香ばしさとアルコールが非常にソフトなタンニンとう まくバランスをとっている。風味は口の中に心地よく残り、香ばしい持続性がある。 ※収穫は9月下旬~10月初旬
醸造:低温で10~13日間アルコール発酵させた後、20~25日間マセレーションを行う。 フランス産オーク樽で6ヶ月間熟成させる。
相性の良い食事:食事全体に合わせられる。 アペリティーヴォではサラミ類やフレッシュ系のチーズ。しっかりした味わいや辛味のある料理 にも合わせることができる。
中川原まゆみのコメント:ヴィーノ・ヴォーヴィレ・ディ・モンテプルチ アーノとブルネロ・ディ・モンタルチーノに挟まれた新興産地。土着品種のみならず、国際品 種の栽培面積も大きい。ワインは軽やかさがあり、エレガントな一面がある一方、しっかりとした強いタイプもできる。
アルミッラ "ブルネッロ ディ モンタルチーノ"
Armilla ”Brunello di Montalcino”
Brunello di Montalcino DOCG
ワイン名:Brunello di Montalcino DOCG(ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ DOCG)
ワインの種類:赤ワイン
ブドウの種類:サンジョヴェー ゼ・グロッソ 100%
生産地:中部イタリア、トスカー ナ州、シエナ県、モンタルチーノ
ワイナリー名:Ag. Agr. Armilla di Ofelia Perugini(アジエンダ・アグリコラ・アルミッラ・ディ・オフェリア・ペルジーニ)
ワイナリーの特徴:モンタルチーノエリアのワイナリーで働いていたシルヴェリオが独立するため4,5ha (ブドウ栽培は2,5ha)の土地を購入し、1982年に会社を設立した。当時はBrunello di Montalcino DOCG の生産資格を取得できなかったため、量り売りのワインを販売 していた。1995年にようやくブルネッロの生産を開始したのだが、残念ながらシルヴェリオは1997年に亡くなってしまい初ヴィンテージを見ることはなかった。地元で定評のある醸造家に協力を得て、現在も妻のオフェリア、娘たち(イラリア、フィオレッラ)、孫たちが彼の遺志を受け継いでいる。
ワインの特徴:色:ルビーレッド色(時間とともにガーネット色に変化する) 、香り:プラムやスグリなどの熟成した赤系果実、スパイス、皮革やタバコなど複雑なニュアンスを感じられる 、味わい:エレガントなストラクチャーとソフトなタンニンがアルミッラの特徴、熟しているが非常にはっきりとしたタンニンを持つ。これらの特徴は土壌に由来する。※収穫時期は9月中旬~下旬
醸造:ステンレスタンクで18日間発酵、マセレーションを行う。フランス産オーク樽で28ヶ月間熟成させたの10ヶ月間瓶熟成させる。
相性の良い食事:きのこやトリュフを使った肉料理 、トスカーナ産のチーズ (熟成タイプ)
中川原まゆみのコメント:トスカーナの代表的な産地。標高600mのモンタルチーノの街から、放射線状に産地が広がる。独立した産地になり、東西南北でワインの個性が変わる。このワインは南東に位置しており、強いボディがありながら、心地いい果実感に満たされている。
サンベネデット "ヴェルナッチャ ディ サンジミニャーノ"
San Benedetto "Vernaccia di San Gimignano"
Vernaccia di San Gimignano DOCG
ワイン名:Vernaccia di San Gimignano DOCG(ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ DOCG)
ワインの種類:白ワイン
ブドウの種類:ベルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ 100%
生産地:中部イタリア、トスカー ナ州、シエナ県、サン・ジミニャーノ
ワイナリー名:Azienda Agricola San Benedetto(アジエンダ・アグリコラ・サンベネデット)
ワイナリーの特徴:私たちの歴史は1826年、サン・ベネデット(シエナ)で始まる。当時ジャンネッリ家は小作人としてポデーレ・カサッチャと呼ばれる農場でブドウ 畑、オリーブ畑、家畜の飼育など農業を営んでいた。1960年にダリオ・ジュゼッペ兄弟がこの土地を購入、ワイナリー ジャンネッリ社を設立。その後、徐々に規模を拡大させ、新しいブドウ畑、より大きなセラー、近代的な設備を揃えていった。現在アンドレア、マルコ 兄弟で5代目を受け継ぎ父のジョヴァンニと共に1998年に 会社を設立した。シエナ中心地から北に約45km、標高180~300mに28haの畑を所 有。
ワインの特徴:色:麦わら色、香り:フレッシュなリンゴ、アプリコットなどのフルーツやアカシアの花の香り、味わい:調和がとれており、香ばしく、後味に心地よいほろ苦さを感じる(品種の特徴)。※収穫時期は9月中旬~下旬
醸造:発酵はステンレスタンクで 25日間。熟成はステンレスタンクで 6ヶ月間
相性の良い食事:前菜、 ミネストローネなどのスープ 、鶏肉など白身肉を使った料理、魚料理に最適、和食にもおすすめ
中川原まゆみのコメント:トスカーナ州は赤ワインの産地が多いが、ここは唯一の白ワインの産地。ワインは穏やかな酸味があり、果実感とのバランスがいい。余韻にミネラル感と塩味を感じる。