【12回目】シチリア州とサルデーニャ州
◆シチリア州とサルデーニャ州・・・地中海最大の島、シチリア。多様なテロワールが混在し、特に火山性土壌から生まれるエトナは世界で最も注目されている産地の一つです。サルデーニャはシチリアに次ぐ地中海第二の大きさを誇りながら、ワイン生産量はシチリアの7分の1。個性的なワインが多く「ヴェルメンティーノ」「カンノナウ」は世界的に成功を収めています。
ラマッディーニ "ネロ・ダーヴォラ・ノートDOC Bio"
Ramaddini "Nero D'Avola Note DOC Bio"
DOC Noto Nero D'Avola
ワイン名:Nero D'Avola Note DOC Bio ネロ・ダーヴォラ・ノートDOC Bio
ワインの種類:BIO赤ワイン
ブドウの種類:ネロ・ダーヴォラ100%
生産地:南イタリア シチリア州シラクーサ県マルツァメーミ自治体
ワイナリー名:Ramaddini ラマッディーニ
ワイナリーの特徴:「果敢な革新、伝統への尊重と環境への配慮を以てして、私たちの手で葡萄とワインを作り上げる。」そう掲げるラマッディーニ社のブドウ畑はノート地区の高台からマルツァメーミの海に向かう緩やかな斜面に20haほど広がる。ブドウ畑は過去と現在を繋ぐように伝統的なアルベレッロ仕立てと近代的なコントロスパッリエーラ式で構成される。緻密でレベルの高い仕事と、比類のない日照と地理的アドバンテージがワインの質につながっている。特に、南側の地中海、東側イオニア海からの塩分豊かな海風がブドウの味を濃縮し成熟させる。さらに白く輝く石灰質の層とその下に隠されたこの地域特有の火山質の肥沃な土壌からもたらされる。ミネラル分は特別な香りと重要な抗酸化成分をワインにもたらす。徒手収穫、自然農法の利用、除草剤・化学肥料の不使用といった努力ののち、2018年にワイナリーはビオロジック認定を受けている。最終的なワインの品質につながるととらえ、土地の保守的管理によりブドウの樹勢管理、つまり木の生育とブドウの生産量のバランスを調整し、微生物が土壌に根づくような農作業と緑肥の使用を行っている。
ワインの特徴:視覚: 強く輝く赤、嗅覚: 赤い花、小さな赤い実と魅惑的なスパイス香、味覚: 柔らかく丸みがありバランスもよい。角の取れたタンニンと心地よい酸。 総酸度: 5.7g/L, ph 3.4。ワインの保存は横向きに寝かせて、収穫年度から3-5年程度まで熟成可能。
畑の特徴:標高: 50m、4800本/ha、樹齢: 約15年、仕立て: コルドーネスペロナート、平均生産量: 10000kg/ha
醸造:九月下旬に手摘みしたブドウを除梗ののち、8~10日皮でマセレーション。26℃で発酵ののちに、80%をステンレスタンク、20%を木樽で12か月保管を経て、翌年10月に瓶詰し瓶内熟成12か月。
相性の良い食事:ファルソマグロ(卵や野菜などの詰め物をした牛肉のシチリア伝統料理)、ベイクドパスタ(提供温度: 14-16℃)
中川原まゆみのコメント:南東シチリアの産地なり、気候的にはかなり暑いが、海風が双方から吹き抜け、熱がたまらない。また、この産地の土壌は真っ白な石灰質のアルカリ性土壌。ワインはすっきりとした酸味があり、スレンダーな整った味わい。
テヌーテ・ボスコ "ピアノ・デイ・ダイーニ"
Tenute Bosco ”Piano dei Daini”
Etna DOC
ワイン名:Piano dei Daini ピアノ・デイ・ダイーニ
ワインの種類:Bioロゼワイン
ブドウの種類:ネレッロ・マスカレーゼ100%
生産地:南イタリア シチリア州 カターニア県カスティリオーネ ディ シチリア自治体
ワイナリー名:Tenute Bosco テヌーテ・ボスコ
ワイナリーの特徴:Tenute Boscoは標高700mのソリッキアータとサントスピリトとという二つの区域にまたがっている。畑には接ぎ木をしていない120年前に植樹されたブドウが栽培されている。ソリッキアータのブドウ栽培の歴史は1669年の記録が残っており、2010年からソフィア・ボスコ氏とその夫により、彼らが情熱を注いで、土地に敬意を払い、伝統を振り返る場所として再構築されている。
ワインの特徴:視覚: 明るい銅色、味覚: エレガントで柔らかさと酸のバランスがとれている。
畑の特徴:標高: 700m、7000本/ha、フィロキセラ被害前に植樹され、おおよそ120年の樹齢、仕立て: アルベレッロ、火山砂質で強い風邪に耐えうるためにブドウは根を広く張っている。
醸造:10月初旬に手摘みしたブドウをソフトプレスし、モストを皮に短時間漬けた後に冷却状態で静的に荒い澱を取り除く。13~15℃に管理して最低10日間かけて発酵する。細かい澱とともにステンレスタンクで4か月保管ののち、翌年春に瓶詰。最低6か月瓶内熟成させる。
相性の良い食事:非常に多彩に組み合わせが可能。例えば、、魚料理で最高に相性がいいのはマグロや甲殻類の料理(天ぷら、スープ、その他のプリモピアット)、野菜料理ではトマトを使ったプリモピアットや伝統的なシチリアのカポナータなどの野菜の一品、キノコもしくはチーズの柔らかいパスタ、ヤギのチーズも相性抜群、肉料理であればシンプルなタルタルステーキ
中川原まゆみのコメント:エトナの北部、自根の古木から造られるロゼワイン。熟成を重ねるにつれて、深みが増す。特にロゼは顕著に現れ、複雑さと温かみが感じられる。この産地ならではのポテンシャルの高さが実感できる。
ラ・ネウラ "ネウラス"
La Neula "Neulas "
Vermentino di Gallura DOCG
ワイン名:Neulas ネウラス
ワインの種類:白ワイン
ブドウの種類:ヴェルメンティーノ100%
生産地:南イタリア サルデーニャ州オルビア・テンピオ県 テルティ自治体
ワイナリー名:La Neula ラ・ネウラ
ワイナリーの特徴:La Neulaの名前は、所有するブドウとオリーブの畑の近くの山の名前、さらには田舎を通ってワイナリーに通ずる道の名前、さらにはオーナーの母方の祖父から受け継いだ苗字に由来する。つまり、土地と家族の歴史をつなぐ名前である。ワイナリーは2008年9月に誕生し、オリーブ、オリーブオイル、ワイン、さらには蜂蜜とミルト酒(サルデーニャのフルーツ)を伝統的な製法に習って生産し、どのラ ネウラのどの製品においても、自然に配慮した収穫と生産技術によって生み出されるガッルーラの味と香りが楽しむことができる。
ワインの特徴:視覚: 麦わらの黄色、嗅覚: ヴェルメンティーノ特有の南国や地中海を感じさせる花とアーモンドの香りとパインやレモンの香り、味覚: 心地よい酸が高いアルコール度数とバランスを取っていて、長い余韻がある。とりわけ目立つミネラル感はガッルーラの土壌と海風からもたらされている。
ワインの特徴:標高: 300m、仕立て: コントロスパッリエーラ、自然分解された花崗岩に一部砂質土壌、典型的な地中海気候で昼夜寒暖差が大きい。
醸造:9月下旬に手摘みしたブドウをソフトプレスし、16℃に管理したステンレスタンクにて発酵。瓶内熟成2か月。発酵酵母株: サッカロミセス セレビシエ。
相性の良い食事:アサリのパスタや、魚のフィレなど魚介ベースの料理全般。食前酒としても適している。
中川原まゆみのコメント:地中海沿岸で栽培されているヴェルメンティーノ種。特にこの産地はゴツゴツとした岩肌が露わな花崗岩の痩せた土地。ワインにはダイナミックなミネラル感があり、しっとりとした滑らかさが後味がある。