【1回目】ヴァッレ・ダオスタ州と北ピエモンテ州
◆ヴァッレ・ダオスタ州・・・イタリアの最西北に位置し、スイス・フランスに国境が接する最小都市ヴァッレ・ダオスタ州。土着品種が多く、地域ごとに個性的なワインが作られているのが特徴です。
◆ピエモンテ州・・・ トスカーナと並ぶ世界的に有名なワイン銘醸地でDOC、DOCGの数はイタリア最多になります。
ラ・ヴリッレ・ヴュイレルメン
La Vrille "Vuillermin"
Valle d’Aosta DOC Vuillermin
ワイン名:Vuillermin ヴュイレルメン
ワインの種類:赤ワイン
ブドウの種類:ヴュイレルメン100%(ヴァッレ・ダオスタ土着品種)
生産地:北イタリア、ヴァッレ・ダオスタ州、ヴェラーユ
ワイナリー名:La Vrille ラ・ヴリッレ
ワイナリーの特徴:2.5haのブドウ畑はヴァッレ・ダオスタ州クセロテルミカ地域に位置する。乾燥した地域で南〜南東向き、自然な円形劇場のような形。生産者のエルヴェさんは『畑では不必要な人の手を加えず健康なブドウを実らせ、収穫する。一方カンティーナではブドウが自然に働いてくれるよう人の手を加える』というフィロソフィーを持ち、土壌の健康に配慮し畑作業はほぼ手作業で行う。畑の間にはこの地域に適したタイムなどの植物が生い茂っている。。
ワインの特徴:ガーネット色。主に赤系果実の香り。味わいはドライで骨格があり、熟成から得られるトーストされた味わいや僅かに柑橘系のニュアンスも感じられる。
醸造:コールドマセレーションを施したのち、22°Cのステンレスタンクで10-12日間発酵。大樽で12-15ヶ月熟成、その後さらに18ヶ月間瓶熟させる。
相性の良い食事:サラミ、肉料理、特にスパイスを合わせた狩猟肉料理
中川原まゆみのコメント:フランスとスイスの国境に接している産地。ここでは沢山の土着品種が栽培されているが、このヴュイレルメンはここ数年で最注目品種になった。フミンに似たニュアンスがあるが、複雑なスパイス香があり、骨格のしっかりした男性的な味わい。
アンジヴィーノ・ガッティナーラ
Anzivino "Gattinara"
Gattinara DOCG
ワイン名:Gattinara ガッティナーラ
ワインの種類:赤ワイン
ブドウの種類:ネッビオーロ100 %
生産地:北イタリア、ピエモンテ州、ヴェルチェッリ県、ガッティナーラ自治体
ワイナリー名:Anzivino アンジヴィーノ
ワイナリーの特徴:Anzivinoは好奇心と品質にこだわっている規模の小さい生産者。ガッティナラ地域の歴史は、約数億年前にアフリカ大陸がヨーロッパ大陸へ衝突したことで堆積した地層が圧縮され盛り上がったことでアルプスが誕生した時にまで遡る。そのためミネラル、鉄分を多く含む火山性土壌、岩の多い土壌で世界でもユニークなワインの産地。
ワインの特徴:古代の火山起源のガッティナーラの丘で育つネッビオーロの品種のブドウから作られている貴重なワイン。オレンジ色のニュアンスのあるざくろ色、スミレの香りのある上質な香り、ドライでミネラル、アロマがあり複雑性のある味わい。
醸造:(醸造方法)オーク樽、9日間アルコール発酵、28℃以下の温度、マセラシオン23日間、マロラクティック発酵、(熟成方法)大樽で36カ月月、瓶熟成12カ月。
相性の良い食事:狩猟肉料理、赤身の肉料理、熟成したチーズ
中川原まゆみのコメント:セージア川の左岸にあるゲンメとは対照的な右岸のガッティナーラ。ゲンメは柔らかなテクスチャーだが、ガッティナーラは火山性土壌の影響を強く受ける、しっかりとしたタンニンがある力強いワイン。長期熟成にも向く。
マルコロッサ・ルセンタ
Marcorossa "Lusenta"
Erbaluce di Caluso DOCG
ワイン名:Lusenta ルセンタ
ワインの種類:白ワイン
ブドウの種類:エルバルーチェ100%
生産地:北イタリア、ピエモンテ州、トリノ県、マリオーネ自治体とボルゴマジーノ自治体
ワイナリー名:Marcorossa マルコロッサ
ワイナリーの特徴:ユニークな小さな家族経営のワイナリーのMarcorossaは、カナヴェーゼ川下流域にある800人の小さな村ボルゴマシーノに2012年に設立。ブドウの木とワインへの情熱の再発見から、ほとんど楽しみのために、イブレアのモランの円形劇場の端にある起伏のある丘の上に、かつて広がっていたブドウ畑を徐々に回復させている。新しいエルバルーチェのブドウ畑とネッビオーロの開拓と植栽でほぼ完全に樹木が茂った丘陵地帯の再開発を目指している。
ワインの特徴:1600年以来知られている古代の原産のブドウであるエルバルーチェ品種のブドウから得られた白ワイン。全て厳選しながら手作業で収穫。麦わら色で、白い花、柑橘系の果物、芳香性のハーブ、ミネラルの香り。口の中では、柑橘系、芳香性のハーブ、ミネラル、アーモンドの香りが広がる。持続性のある酸味があり、バランスの取れた、強すぎない辛口の味わい。
醸造:ブドウを除梗し、ソフトプレスマストし、コールドデカンテーションする。その後、厳選した天然酵母を使用して、16°C〜18°Cにコントロールされた温度内で、15〜18日間発酵。
相性の良い食事:食前酒、前菜、魚料理、熟成チーズ
中川原まゆみのコメント:スッキリとした心地よい酸味があり、適度な塩味も含まれ、食事によく合う。砂質土壌の影響で、レモンやライムの柑橘系の豊かな香りが生まれ、全体に溶け込むようなミネラル感がある。イタリア最北の白ワインの産地。