【13回目】トスカーナ州(海岸部)
◆トスカーナ州(海岸部)・・・ティレニア海に面した海岸部は温暖な地中海性気候で、世界中で愛されているワインが多く生産される地域。スーパータスカンとして人気を誇るサッシカイアを産出するボルゲリ、海に囲まれた小さな島エルバ。いずれも海風の影響を受け、豊かなミネラル感のあるワインや、成熟した果実味の力強いワインが生まれます。
キエジーナ・ディ・ラコーナ "エルバ ・ビアンコ"
Chiesina di Lacona "Elba Bianco"
Elba Bianco DOC
ワイン名:Elba Bianco DOC(エルバ・ビアンコ DOC)
ワインの種類:白ワイン
ブドウの種類:プロカニコ、ヴェルメンティー ノ、ヴィオニエール、アンソニカ
生産地:中部イタリ ア、トスカー ナ州、リヴォルノ県、カーポリーヴェリ (エルバ島)
ワイナリー名:Chiesina di Lacona di Filippo Alampi (キエジーナ・ディ・ラコーナ・ディ・ フィリッポ・アランピ)
ワイナリーの特徴:社名は私たちのブドウ畑を見守るマドンナ・デッラ・ネーヴェ教会に由来。会社設立は1947年でブドウ栽培業社を生業としていたが、2018年に経営難に陥り農学者の父 とともにフィリッポが会社の再建させることになりワインの醸造が始まった。 エルバ島の南部に位置し、冬は温暖で夏は雨が少なく、海風の恩恵を受ける。そして 砂質・粘土質が混ざる土壌は降雨を保持すると同時に、過剰な場合には排水すること ができることからブドウ栽培に適している。 環境への敬意を示す活動として軽量ガラス瓶の使用、接着剤を使用しないポリラミネ ートキャップの使用、梱包は全てFSC認証を取得しており、粘着テープは使用していない。
ワインの特徴:色:麦わら色、縁は緑がかっている 、香り:地中海、ハーブ、ナツメグ、白いメロン、ライムなど複雑な香り 、味わい:アタックは果実の甘み、次第に塩味などが 広がる。非常に長い余韻は、柑橘類の戻りによって引き立てられる。※収穫時期は9月初旬~中旬
醸造:マセレーションは約1時間。ソフトプレス後にステンレスタンクで発酵(温度管理)、熟成を行う。
相性の良い食事:魚介類を使った前菜、 プリモ料理、 魚料理の包み焼き、グリル、フリット、 熟成タイプのチーズ (牛・羊)
中川原まゆみのコメント:地中海に浮かぶ小さな島。複雑な土壌構成が分布しており、品種はトスカーナの土着品種に準ずる。島全体に強い海風が吹き抜る。ワインには伸びやかな酸味に塩味が加わる。
キアッピーニ "フェッルッジーニ"
Chiappini ”Ferruggini”
Bolgheri Rosso DOC
ワイン名:Ferruggini Bolgheri Rosso DOC(フェッルッジーニ・ボルゲリ・ロッソDOC)
ワインの種類:赤ワイン
ブドウの種類:サンジョヴェー ゼ 50%、カベルネ・ソーヴィニヨン 30% 、シラー 20%
生産地:中部イタリア、トスカー ナ州、リヴォ ルノ県、ボルゲリ
ワイナリー名:Azienda Agricola Chiappini S.S.A(アジエンダ・アグリコラ・キアッピーニ)
ワイナリーの特徴:キアッピーニ家は1950年初頭にボルゲリの土地を購入し、マルケ州から移り住んだ。 当時この一帯は農夫の土地として主に野菜、果樹、オリーブが栽培させていた。ブドウ畑の多くは自家消費用だった。 時代は変わり、キアッピーニ社は7ヘクタールの土地を所有、そのうち15hはブドウ樹 が植えられている。現在栽培されている品種は、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベル ネ・フラン、メルロー、プティ・ヴェルド、サンジョヴェーゼ、ヴェルメンティーノなど、この地域を特徴付ける品種を栽培している。 2010年ヴィンテージから有機農法を採用。
ワインの特徴:色:ルビーレッド色、味わい:アタックはまろやかでフレッシュ、その後熟した赤系果実を感じる。※収穫時期は9月初旬~中旬
醸造:自然酵母を使用。ステンレスタンクで発酵させる。ステンレスタンクで熟成させる。
相性の良い食事:トスカーナの郷土料理
中川原まゆみのコメント:1980年代に一大ブームを巻き起こした産地。一 躍世界のワインへと押し上げた。地中海に面した平地と丘陵から成る産地。ワインは力強く、 グリップのしっかりした味わい。芳しい複雑な香りを放ち、余韻が長い。
サンタルチア "トレ・デル・モーロ"
Santa Lucia "Tore del Moro"
Morellino di Scansano DOCG
ワイン名:Tore del Moro Morellino di Scansano DOCG(トレ・デル・モーロ・モレッリーノ・ディ・スカンサーノDOCG)
ワインの種類:赤ワイン
ブドウの種類:サンジョヴェーゼ100%
生産地:中部イタリア、トスカー ナ州、グロッ セート県、フォンテブラン ダ
ワイナリー名:Azienda Agraria Santa Lucia di Scotto Lorenzo(アジエンダ・アグラリア・サンタルチア・ディ・スコット・ロレンツォ)
ワイナリーの特徴:1898年に土地を購入し、アンソニカの栽培を始めた。当時はブドウ栽培から収穫、 圧搾、醸造に至るまでの作業や、ブドウやワインの運搬にはロバの助けを借りるなど 人力で全てを行っていた。 現在は40haのブドウ畑を所有、サンジョヴェーゼ、モレッリーノ、ヴェルメンティー ノ、アンソニカなどを栽培している。モレッリーノ・ディ・スカンツァーノはマレン マ地域で最も重要な原産地呼称ワインである。 現在は5代目が受け継ぎ会社の近代化に着手、醸造家の協力を得てワインの品質向上に努めている。2010年にカンティーナを新設し、伝統を最大限に尊重しながらも近代的なワインの醸造と熟成技術も取り入れている。
ワインの特徴:色:ルビーレッド色、香り:モレッリーノの典型的な(完熟した赤系果 実)な香りとバリック熟成による木の皮のニュアンスを感じる 、味わい:マレンマを象徴する豊かで骨格のあるサンジョヴェーゼは、アタックはまろやかさと心地よい酸 味があり、複雑性がある。※ 収穫時期は9月中旬~下旬
醸造:温度管理された発酵用タンクで約20日間マセレーショ ン。 大樽で12ヶ月間熟成させる。
相性の良い食事:前菜、肉料理
中川原まゆみのコメント:トスカーナの中では南に位置している産地になり、栽培面積も広い。北部トスカーナに比べると、サンジョヴェーゼ主体のワインは、色調が やや暗めでスパイス的なニュアンスが強い。