【7回目】リグーリア州
◆リグーリア州・・・イタリア北西部に位置し、州都ジェノヴァはイタリア最大の港町です。平野がなく、海に面した州ですが、ほとんどが断崖絶壁で、急斜面の段々畑でブドウ栽培が行われています。また、非常に多くの土着品種が存在し、この土地でしか味わえない魅力あるワインが造られています。
テレンヅオーラ "フォッソ・ディ・コルサーノ"
Terenzuola "Fosso di Corsano"
Colli di Luni DOC Vermentino
ワイン名:Fosso di Corsano フォッソ・ディ・コルサーノ
ワインの種類:白ワイン
ブドウの種類:ヴェルメンティーノ100%
生産地:北イタリア トスカーナ州 マッサ=カッラーラ県 フォズディノーヴォ自治体
ワイナリー名:Terenzuola テレンヅオーラ
ワイナリーの特徴:トスカーナ州とリグーリア州とエミリア・ロマーニャ州の州境にあるフォスディノーヴォという町にあるテレンヅオーラは、1929年の大恐慌を受けたオーナーの祖父ルイージ・ジュリアーニがNYから帰国し、丘の中腹に3haほどの農場を購入したことから誕生した。その後、古いブドウ畑を回復させるなど精力的に様々なプロジェクトに取り組み、ただ一つの州やコッリ ディ ルーニ地域を越えてかつて言われていた複数の州にまたがる「歴史的なルニジャーナ」の領域へと拡大し、現在は22haのブドウ畑を所有している。
ワインの特徴:視覚: 麦わら色、嗅覚: 熟したメロン、ジャスミンとサルビアの香り、味覚: 柔らかく、ミネラルと塩味を感じられる。
畑の特徴:畑の場所: フォスディノーヴォ、畑面積: 5ha、標高: 250-420m 8400本/ha
醸造:ソフトな輸送システムで運ばれたブドウを短期間コールドマセレーションする。制御された温度内で異なる区画のブドウを別々に発酵させ、ステンレスタンクで 6 か月間澱の上で熟成させる。
相性の良い食事:野菜ベースのパスタや魚のメイン料理、白身肉の料理
中川原まゆみのコメント:トスカーナとの州境にある産地。地中海とアペニン山脈の間に挟まれた小さなエリア。ワインには熟した果実感があり、特に2021年ヴィンテージはハーブ系の香りが強く現れている。
マジェイ "ドルチェアクア"
Maixei "Dolceacqua"
Dolceacqua DOC
ワイン名:Dolceacqua ドルチェアクア
ワインの種類:赤ワイン
ブドウの種類:ロゼッセ100%
生産地:北イタリア、ピエモンテ州、ヴェルチェッリ県、ガッティナーラ自治体
ワイナリー名:Maixei マジェイ
ワイナリーの特徴:Maixei の全ての畑はリグーリア・ ディ・ポネンテ地区の切り立った崖に位置している。北側にアルプスとアペニン山脈に守られ、南側にリグーリア海の暖かな空気を得るこの場所はブドウ栽培に最高の環境である。リグーリアのブドウ栽培は、大きな畑を形成するのが難しいため、小さな区画の土地を所有する者達によって支えられている。1985年に共同生産組合を発足させた後、数年でロゼッセ ディ ドルチェアクア地域のブドウの品質はとても向上した。この地域の特色である、強い風、極端な傾斜と少ない土壌水分量に対応するために古代ギリシャから行われているアルベレッロ仕立てにしている。仕立てるのに熟練と労力がかかるこのアルベレッロはブドウの品質を底上げするだけでなく、1区画あたりの面積が非常に狭い段々畑を最大限活用するためでもある。ブドウの共同生産者たちは頑固な性格だが、情熱的で、地域特有の土地と気候のコンビネーションを活かすために努力し、機械に頼ることなく、いまだに手作業での栽培を続けている。そうした彼らの協力を得て、2007年にワイナリー、マイゼイが誕生した。Maixei のワインを独特なものとしているのは、ポネンテ海岸伝統の単一品種による醸造である。と言ってもただ1種類のブドウから醸造するというだけではなく、好ましくない物質が混入していない、伝統を尊重した純正な味を作りだしている。このような洗練された栽培と醸造のシステムにある。最大限に土地とその伝統に敬意を払い、最新の技術と知識をもってして、非常に高い質を持つ商品を生み出している。
ワインの特徴:視覚: 中程度のルビーレッドに若干の紫色の淵が見える。嗅覚: ブドウ酒の若々しい香りで、熟成とともに加熱したサクランボや少し乾燥したバラの香りが拡がる。味覚: バランスがトレ、ややドライで非常に軽やかなタンニンが感じられる。フィニッシュはベースにある若干の苦味が心地よい。
畑の特徴:ブドウ畑の位置: ネルヴィア谷とヴェルボーネ谷の中でも最も適したブドウに適性のある生産者から提供される。標高:300-600m、仕立て: アルベレッロ、岩の多い粘土砂質で石灰は少なくpHは弱アルカリから酸性。
醸造:協同生産者によって手摘みされたブドウを数時間以内にソフトプレスする。発酵は28℃に温度管理されたステンレスタンクで、酵母を加えて開始する。4-6日のマセレーションの間に化学的分析と試飲による味分析と、色素抽出とボディを作りあげるためのリモンタージュやデレスタージュなどの作業を行っていく。ステンレスタンクで熟成とマロラクティック発酵後、瓶詰めし、状態が安定した後に出荷される。
相性の良い食事:うさぎなどの白身肉料理、中期熟成のチーズ。提供温度を少し低めにすることで、タコの煮込みや干鱈などの手の込んだ料理にも合う。
中川原まゆみのコメント:フランスとの国境近くにある産地。リグーリア州は白のワインの産地と思われがちだが、このロッセーゼ種は土着品種であり、黒ブドウ。ワインの色調は淡いルビー色で赤い小果実の香りがあり、軽快な味わい。
ラ・ポレンツァ "レフラ"
La polenza "REFULA"
Cinque Terre DOC
ワイン名:REFULA レフラ
ワインの種類:赤ワイン
ブドウの種類:ヴェルメンティーノ、ボスコ、アルバローラ
生産地:北イタリア リグーリア州 スペツィア県 コルニリア自治体
ワイナリー名:La polenza ラ・ポレンツァ
ワイナリーの特徴:チンクエテッレの中心に7haほどの段作りのブドウ畑を構えるLa polenzaは数世代に渡る家族によって経営されている。このチンクエテッレを表現するのがLa polenzaのワインである。白・赤ワインに加え、パッシートワインであるシャケトラや黒ブドウ由来のパッシートワイン、さらにはリモンチーノ、グラッパやジンも生産している。
ワインの特徴:嗅覚: 柑橘、花、果肉のたっぷりとした熟したフルーツとスパイスが感じられる豊かなブーケ、味覚: 酸とマセレーションの抽出によって、豊かで優雅なスタイルで、余韻が長い。柑橘、花、熟した果肉のたっぷりとしたフルーツやスパイスの香りの豊かなブーケが感じられる。SO₂: 25㎎/L、残糖分: 3g/L
畑の特徴: 畑の位置コルニリア
醸造:皮を浸潤した状態で発酵させる。マセレーション中は、木の長い棒を使用して、何回も繰り返して浮いてくる皮と発酵中のモストを混ぜ返す。この伝統に乗っ取ったモストを混ぜる作業が方言で"レフラ”と言い、ワインの名前の由来である。数か月もの長い期間、酵母を保った状態で熟成させることで、ワインにボディと複雑さが増す。柑橘、花、熟した果肉のたっぷりとしたフルーツやスパイスの香りの豊かなブーケが感じられる。
相性の良い食事:魚や白身肉(提供温度:約14℃、クラシックなスタイルのグラス)
中川原まゆみのコメント:リグーリア州を代表するワイン。3種類のブドウをブレンドして造る。急勾配の畑から地中海に向かって、吸い込まれるような景観が広がる。ワインは海風を受け、伸びあがるような真っ直ぐな酸味に、高い重心で、明るい味わい。