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私たちの原動力は、「課題解決」よりも、まず「知的好奇心」です。「これって面白いんじゃない?」「こんなものがあったら未来はもっと楽しくなるはずだ」…そんな純粋な「わくわく」から、私たちのプロジェクトは生まれます。
そして、その未来は一人でつくるものではありません。 学生の柔軟な発想、教職員の教育的視点、エンジニアの技術力、経営者の推進力。異なる専門性や価値観を持つ仲間が「ともに」力を合わせ、それぞれのアイデアを掛け合わせるからこそ、一人では想像もできないような創造が生まれると信じています。
その創造の土台となるのが、「まなびあいの場」という私たちのあり方です。 このコミュニティでは、誰もが先生であり、誰もが生徒です。経験豊富な社会人が学生の斬新なアイデアに驚かされたり、学生が現場のプロから実践的なスキルを学んだり。年齢や肩書きは、ここでは意味を持ちません。
「知りたい」という気持ちと「伝えたい」という想いが交差し、互いの得意なことを教え合い、足りないところを補い合う。この絶え間ない学びの循環こそが、私たちのコミュニティを豊かにし、一人ひとりの成長を加速させます。
私たちのコミュニティが最終的に目指すのは、メンバー一人ひとりの「人間的な成長」です。 しかし、私たちが追求するのは、知識の量や情報の新しさを競うような、いわゆる「意識の高さ」ではありません。
「意識の高さ」は、時に人を評価し、分断する刃となり得ます。私たちは、難しい言葉で他者を圧倒したり、自らの正しさを誇示したりするのではなく、むしろその逆の価値を大切にしたいと考えています。
それが、「心の深さ」です。
「心の深さ」とは、自分とは異なる背景を持つ人の物語に、真摯に耳を傾けられる「共感性」のこと。 成功だけでなく、失敗の経験から学び、しなやかに立ち上がる「回復力」のこと。 そして、物事の表面をなぞるだけでなく、その本質にある「なぜ?」を問い続ける「探究心」のことです。
この「心の深さ」は、机の上で学ぶことはできません。 年齢も、職業も、得意なことも違う、多様な仲間との対話の中で。 「やってみたい」という情熱を原動力に、試行錯誤を繰り返すプロジェクトの現場で。 自分の知識を誰かに教え、誰かの得意なことから謙虚に学ぶ、「まなびあい」の文化の中で。 そうした生きた体験を通して、ゆっくりと、しかし確実に「育まれていく」ものだと信じています。
知識を誇るのではなく、知恵を分かち合う。 正しさを競うのではなく、豊かさを認め合う。
そんな「心の深さ」を持った人々が集うことで、真に創造的で、温かい「わくわくする未来」が生まれる。 私たちは、そのための「場」であり続けます。
もし、私たちのコミュニティに「学力」や「ビジネススキル」といった単一の物差ししかなかったら、活躍できる人は限られてしまうでしょう。私たちは、そのような限られた評価軸だけの場所を目指していません。だからこそ私たちは、年齢、職業、分野、地域といった背景が全く異なる人々と、意図的に交わることを大切にします。
自分とは違う「常識」を持つ人と触れ合うことは、新たな発見があるだけでなく、私たちの「評価軸」そのものを多様にしてくれます。あるプロジェクトでは社会人が先生でも、別のプロジェクトでは学生が先生になる。そのように「教える・教えられる」という立場が頻繁に逆転する関係と場所づくりを、常に意識しています。
誰もが「まなびあう」という意識をもっているからこそこの多様な評価軸が生まれ、ひとりひとりが自分の得意な場面で輝き、誰かの「先生」になることができる。私たちは、この環境こそが個人の価値を最大化し、誰もが活躍できるようになると考えています。
iMSは、「学生主体」や「社会人主導」といった、特定の属性に光を当てる場ではありません。私たちの主役は、年齢、職業、分野、地域に関わらず、参加するメンバー一人ひとりです。
そのため、このコミュニティでは、社会的な物差しによる上下関係が決まることは一切ありません。
しかし、それは一人ひとりが積み重ねてきた経験や知識を軽んじるという意味では決してありません。むしろ、その逆です。ある分野ではベテランが先生となり、次の瞬間には学生が先生になる。私たちは、誰もが「教える側」にも「教えられる側」にもなりうる、流動的な関係性を大切にしています。
相手が持つ、自分にはない何かを認め、常に相手から学ぼうとすること。それこそが、私たちが考える「敬意」の最も大切な形です。この相互リスペクトが、誰もが安心して発言できる、建設的な対話の土台となります。
iMSにおけるプロジェクトは、組織の成果を出すための「タスク」ではありません。それは、参加するメンバーひとりひとりの「こうなりたい」という願いを叶えるための「実践の場」です。私たちは、組織のためにプロジェクトを進めるのではなく、常に「ひとりひとりの目標を実現できるか」という視点から、実践の場を設計します。
このような理想を実現するのは簡単なことではありません。だからこそ私たちは、対話を何よりも大切にします。
「この活動を通して、どんなスキルを身につけたいか?」
「どんな自分に近づきたいか?」
そうした問いかけを通じて、個人の目標とプロジェクトの活動内容を丁寧に重ね合わせていく。それが、私たちのスタイルです。
たとえ目に見える成果物が生まれなくても、その過程で活発な「まなびあい」が生まれ、参加者が人間的に成長できたのなら、そのプロジェクトは成功です。私たちは、結果そのものよりも、この豊かな過程を大切にします。
私たちが考える「まなび」とは、単に知識やスキルを習得するだけではありません。仲間との対話から新しい視点が生まれる瞬間も、プロジェクトの成功や失敗から次への教訓を得る過程も、そして人に教えることで自らの理解が深まるという発見も。私たちは、そのプロセス全てを、人間的な成長に繋がる貴重な「まなび」と捉えます。
もちろん、数値で測れる能力も素晴らしいものです。しかし私たちは、それ以上に、互いに深く関わり合う中でしか感じられない「人の面白さ」や「可能性の奥深さ」に触れることこそ、本当の学びだと考えています。
私たちの使命である「心の深さ」を育むためのすべてが、iMSの考える「広義のまなび」です。
もちろん、アイデアを実行に移す段階では、課題解決の視点が必要です。しかしながら、私たちの活動は、「社会課題を解決すべき」といった義務感から始まることを目指しません。
なぜなら、課題という「明確な問題」の解決をゴールにした未来は、今の私たちが想像できる範囲内にとどまってしまうからです。そして何より、「課題」というネガティブな出発点から、人の心を真に躍らせるような「わくわく」は生まれないと、私たちは考えています。
私たちは、かつて人が空を飛ぶことを夢見たような、一見、突拍子もない挑戦にこそ価値があると信じています。何が起こるかわからないことに真剣に取り組む。そのプロセスこそが、未来を大きく変え、私たちを最も面白がらせてくれるのです。
周りからすぐには理解されないかもしれません。しかし、取り組む意義が誰にでも簡単に理解されるうちは、まだ私たちの挑戦は想像の範囲内であり、真の創造には至っていない証拠です。
本当に人を感動させて世界を動かすものは、個人の内側から湧き出る「これ、面白い!」という純粋な情熱からしか生まれないと思います。だからこそ iMS は、常識や「べき論」に縛られず、自分たちの心が躍るかどうかを常に問いかけ、すべての活動を推進します。
iMSは、あなたの得意なことをさらに伸ばすための場所です。 と同時に、今までしたことがないこと、苦手なこと、できるかどうかさえ分からない「未知」の領域に、安心して挑戦できる場所でありたいと願っています。ここで出会う仲間は、きっと、あなたを一生触れることのなかったであろう、新しい世界へと誘ってくれるはずです。
しかし、私たちは、未知や苦手に向き合うことが、決して楽な道ではないことも知っています。それは、時に苦しく、困難なプロセスです。
だからこそ、iMSでは「やり遂げる」ことを大切にします。 一人では心が折れてしまうような挑戦も、互いに支え合う仲間がいれば、乗り越える力に変わるからです。
できなくてもいい。最初からうまくやれなくてもいい。 仲間と共に、試行錯誤しながら「できるようになっていく」その過程そのものに、私たちは最大の楽しさと、何物にも代えがたい成長の価値を見出します。
苦しい道のりの先に、仲間と分かち合う「できた!」という瞬間の喜び。 それこそが、私たちの求める最高の「わくわく」です。