ユイ・教祖は、命を25年縮めたって、言われてるんですね。
博士・そうね。神様は、「人間は115歳まで、生きられる」と、教えているの。
教祖は、自分が115歳まで生きて見せると、周りの人間に言っていたし、周りの人間も、それを信じていたのね。
ユイ・ところが実際は、90歳で、亡くなった訳ですよね。
神様は、嘘をついたということになりますよね。
博士・そうね。熱心な信者の人は、教祖は115歳まで生きると皆に吹聴していたから、みなの所に帰れない、と嘆く人もいたそうよ。
ユイ・でも、教祖が亡くなった後も、神様が入りこんでお話する人がいたのよね。
博士・飯降伊蔵さんね。みんな直ぐに、なんで?って、神様にお伺いをしたのよ。
それにしても、教祖が亡くなったのに、直ぐに教祖のお話が聞けるなんて、不思議よね。
ユイ・教祖のお話が聞けるから、姿は見えないけど生きている、教祖が存命でいる、っていうのよね。
博士・その通り。
神様は、人間が可愛いから、25年命を縮めて、今から助けをする、と言ったのよ。一列に扉を開く、と。
ユイ・扉を開く・・・教祖が死なないと出来ないことなのかしら?
博士・そうね。教祖が50年の間に、天に積み上げた絶大な徳みたいなものがあるとして、それを、教祖自身が受け取るのではなくて、世界中の人間に開放するよ、というお話なの。
ユイ・なるほど・・・。なんだか、人間にとったら、タナからボタモチですよね。何もしないで、良い思いをするんですから・・。
博士・でもね。人間が、おつとめをする、ということが、条件なの。
ユイ・たったそれだけで、50年分の苦労の結果を貰えちゃうんですか?
博士・当時、おつとめをするのは、大変だったのよ。
ユイ・そういえば、教祖が、警察にご苦労された、と聞いたことがあるかも。
博士・そうなの。おつとめをすると、警察が捕まえにきて、極寒の中、高齢の教祖が、何日も拘留されてしまうのよ。教祖と一緒に拘留された人の中には、拘留後に寝込んで、そのまま亡くなってしまう人もいたくらい過酷だったのよ。
ユイ・それは、怖いわ・・。おつとめなんて、出来ないじゃない。
博士・そう。だから、みんなおつとめをしなくなったの。
ユイ・分かる!
博士・けれど、神様は、おつとめをしろ、と急き込んだのよ。
ユイ・神様、ひどくないですか?
博士・神様の方にも、事情があるのよ。
ユイ・どんな?
博士・おつとめをしなければならない刻限(時)が迫っていたのよ。
ユイ・なんだか、時限爆弾みたいな言い方ですね。
博士・まさに、そんな感じよ。
ユイ・それって、どういうこと?
博士・まずは、世界の始まりについて、簡単に説明するわね。
ユイ・簡単に説明できるんですね・・。
博士・月日親神様は、人間世界を創り始めるときに、神様の道具となって働く者を、8柱、作ったの。
ユイ・その8柱の者も、神様なのですか?
博士・いい質問ね。作られた時はまだ、神様ではないのよ。月日の道具衆と呼ばれているわ。
ユイ・道具ですか。
博士・そう、道具だから、自分の意思ではなく、月日の心に一すじに従って、永遠に働くことを、求められたのよ。
ユイ・え、私なら、ちょっとイヤですね。
博士・そうね。だから、道具衆も、はじめは断ったのよ。
ユイ・なら、どう解決したのですか?
博士・「人間が出来上がったら、人間の親神として、人間に拝をさせる」、と約束したの。
ユイ・なるほど、それがおつとめなんですね。
博士・かしこいわね。その通り。
ユイ・でも、たったそれだけで、よく承知したわよね。
博士・半ば、強引だったらしいわよ。
ユイ・教祖が、月日のやしろになった時も、そんな感じでしたよね。
博士・ただね、ろくでもない人間から、神様として拝をされるのではなくて、教祖みたいな生き神様と言われるような人間から、実の神として拝をされるのよ。
ユイ・なるほど・・・。人間が、立派になればなるほど、その人間から神として拝をされることの意味が深まるのね。
博士・その通り。しかも、人間は、どこまでも重宝な存在になっていく極まりないものとして神様に創造されているのよ。
ユイ・人間から神として拝をされることは、永遠に価値あるものなのですね。
博士・価値あるかどうかは、人間の心次第なんだけどね。
ユイ・なら、私が、おつとめをしても、神様は満足するのかしら?
博士・自分の心が、神様に届いているか、誠の心になれているか、自分では分からないわよね。
ユイ・誠の心・・。
博士・そこで神様は、最低限の形式を決めて下さったのよ。それが、おつとめなの。
ユイ・形で、おつとめが出来ていれば、心は問われないってことですか?
博士・もちろん、恰好だけしていればいいということではないわよ。精いっぱいつとめて、それでも届かない分は、神様が、継ぎ足して下さるということなの。
ユイ・そのおつとめを、人間がつとめる時が、迫っていたわけですよね。
博士・そうなの。だから、警察に止められても、神様はおつとめを急き込んだの。
ユイ・おつとめをしなかったらどうなるの?
博士・道具衆との約束が守られないのだから、道具衆は働く理由がなくなるのよ。
ユイ・道具衆が働くのをやめたら・・。
博士・人間の肉体も、世界も、形あるものは、全て崩れ去るわ。
ユイ・形あるもの全てが・・・。なら、どうしたらいいのかしら。
博士・人間は、神様に、お願いしたの。人間の法律と神様の道が、両方立つように、おさしづして下さい、と。
ユイ・おつとめを急き込む神様と、おつとめをするなという政府の言いぶんが、両方立つように・・・? 神様は、なんて答えたの?
博士・神様は、答えなかったわ。
ユイ・え?
博士・教祖が、亡くなることが、神様の答えだったのよ。
ユイ・どういうことですか?
博士・教祖の姿がなければ、警察も連れていくことが出来ないでしょう。ならば、心配なくおつとめが出来るでしょう、というのが、神様の答えだったの。
ユイ・教祖の身を案じておつとめが出来ないなら、25年、命を縮めて、教祖は身を隠し、堂々とおつとめが出来るようにした・・・。
博士・教祖伝などを読むと、教祖が姿を隠す前に、「一列に扉を開く。扉を開いて地をならそうか、扉を閉まりて地をならそうか」と、神様が問う場面があるの。
そして、開いた方がいい感じがするので、開く方を、人間が選ぶの。
そして、教祖が姿を隠した後に、「扉を開いてほしいと言ったではないか」と、神様が言うのよ。
ユイ・開いてほしいと、願ったから、教祖が亡くなった?
博士・でもね、神様は、最初に「一列に扉を開く」と断言しているの。その上で、どちらがいいか尋ねているのよね。
ユイ・確かに。扉を開くことは、決まっているような感じよね。
博士・つまり、教祖が、25年、命を縮めた直接の理由は、教祖の身を案じて、おつとめをつとめなかったから、なの。
ユイ・なるほど・・・。
博士・教祖が直筆した「おふでさき」で、「十一くなりて、しんわすれ、正月二十六日をまつ」、というお歌があるのよ。
これが、教祖が亡くなる日を予言しているという解釈があるの。教祖が90歳、孫が11歳の正月二十六日、それが、明治二十年一月二十六日なのよ。
ユイ・え? じゃあ、教祖が、その日に亡くなるのも、神様の予定通り?
なら、人間が、おつとめをしなかったから、というわけではない?
博士・一方で、教祖は、115歳まで生きると言っていたのよ。
ユイ・矛盾するわね??
博士・おそらく、「おふでさき」の方は、明確な予言ではないし、教祖が115歳まで生きていたら、別の解釈になっていたのではないかしら?
ユイ・なるほど・・。
私、おつとめの大切さが、少しわかった気がします。
博士・そうね。ただ、この話はね、私やあなたが、今こうして生きていられることの理由でもあるの。
ユイ・私が、こうして生きていられる理由?
博士・教祖が、寿命を縮めてまで、おつとめを急き込まれたから、世界も私達も、今、こうして存在しているのよ。
ユイ・そうか。道具衆を神様として拝するという約束が守られたのね。
道具衆が働くのを止めなかった。
人間に拝をされて、道具衆は、人間の親神になったのね。
この時から、おつとめがつとめられているから、私がこうして成り立っている・・・。
博士・おつとめは、存在の正体そのもの、命の正体そのものなの。
ユイ・でも、歴史的には、世界大戦があったり、伝染病があったり、格差があったり、大変な世界でもあるわよね。
博士・神様の世界は、難儀不自由がない陽気暮らしの世界に、向かっているのよ。
そのために、恰好だけのおつとめを超えて、誠のつとめが出来るように、人間の心が成長することが、必要なの。
ユイ・私、ちゃんとおつとめが出来るようになっていきたい!
博士・そうね。私も、そうなりたいわ。ならば、誠の心になれるよう、先ず、かしものかりものの教えを、しっかり身に着けていきましょうね。
ユイ・はーい。
(おわり)