はじめに
文献には、書籍、雑誌に投稿された論文などいくつかの形式があります。
「探すべき文献」の探し方
種同定をするとき
どのグループの生物なのか、何らかの見当がつくとき
→そのグループの下位分類群を解説している文献を探す
図鑑などの書籍
総説 (revision) と呼ばれる、知見を網羅的にまとめる論文。revision of [分類群名] のようなタイトルを探す
目録を参照して、掲載種すべての情報を個別に集める
全く見当もつかないとき
Google などの検索エンジンで特徴を検索する
動物図鑑や植物図鑑など、幅広い分類群を扱った書籍をしらみつぶしに見る
発見した環境や地域を絞って作られた書籍や文献を見る
何かの事柄を調べるとき
日本語の用語を知っているとき
英語における同じ意味・近い意味の用語を調べる
教科書的な書籍で、日本語の用語に英語が併記されているものを探す
論文の探し方
基本的に、Google 等のブラウザ検索や、Google Scholor 検索は多くの文献を網羅しています。Google Scholor には、論文の中身にアクセスできるものと、論文の書誌情報にのみアクセスできるものがあります。後者の場合でも、何らかの方法で読むことができる場合があります。
日本語のマイナーな文献は Google Scholar に収録されていないことが多いです。出版している学会等のページや、販売者のページに目次がないか探します。昆虫関係の文献だと、六本脚 さんは結構網羅しています。
英語以外で書かれた論文の場合
引用時の英語のタイトルでは見つけられないことがあります。あるいは、英語タイトルと原語タイトルなどの情報のみのページが見つかるので、原語タイトルをコピペして検索します。それすら見つからない場合は、自動翻訳で訳して、そのまま、またはそれっぽい単語のみに絞って検索してみます。
英語に似た言語の場合は、英語で検索しても類似した綴りのために引っかかることが多い気がします。逆にロシア語やドイツ語は (おそらくは日本語も?) 、原語で検索すると詳細な情報が見つかることが多く、PDF に辿り着けることもよくあります。
書籍か雑誌かよくわからない場合
図書館の蔵書目録や、それを横断検索する Cinii などで、館によって異なる名称で登録されていることがあります。雑誌名、シリーズ名、書籍名、章名など、正式な区分にこだわらずに検索してみて、似たような単語の羅列を辿っていくと見つかることがあります。シリーズが省略されていたり、雑誌名が微妙に変更されていたりはよくありますが、単語のわずかな違いで結果に出てこないことがあるので要注意です。
図書館に依頼する
司書さんは非常に本を探すことに長けているので、図書館に依頼すると (依頼者からすると) あっさり分かったりします。おそらく料金がかかる場合には見積もりの連絡があったり、備考欄などで連絡をお願いしたりできると思うので、お金に悩む場合もまずは尋ねてみるのがよいと思います。
論文の入手方法
書誌情報が分かっている場合
雑誌のページから all issues などですべての巻号から探すのに、公式な公開の有無を確かめるのに最も確実な方法です。
大学内からアクセスすると大学が契約している Closed な雑誌の巻号も見れるので、入手できる論文が増えます。
海外の雑誌で古め 50 年 ? 以上前の論文の場合、BHL で公開されていることがあります。BHL のページも検索結果に出てくるはずです。
タイトルが分かっている場合
タイトルでブラウザ検索するとだいたい、雑誌のページか、論文情報をまとめているデータベースのページが出てきます。出版社が公開していない場合は、Researchgate や pdf を探します。
最近の雑誌論文の場合
著者にメールを送ります。文面は、ネット上に参考にできる記事があります。最近は PDF の別刷を著者に渡す出版社が多いので、PDF を持っている著者が多いと思います。
オドリバエ上科 Empididae の文献を探すときの Tips
Notulae Entomologicae [略記: Notul. Ent.]
"Notulae Entomologicae" + [巻数] でブラウザ検索すると、HELDA. HELSINGIN YLIOPISTON AVOIN JULKAISUARKISTO のウェブサイトで PDF が公開されている。
Supplementa Entomologica [Supplta. Ent.]
Entomologische Mitteilungen のサプリメント誌