要点:
虫体に直接触れずに、標本の移動・観察ができる状態にする
半永久的に保存することが可能な乾燥した状態にする
採集データと虫体を物理的に紐づける
マウントしておくことで、すぐに研究に利用できる状態になります。
参考にした文献
採集の仕方はこちら
採集後の処理
帰宅後の処理
湯を利用する例
"幼虫は熱湯(80℃内外)で固定し、これを75%エチルアルコールに移して保存する。" (p. 1035, bl. 9)
田中 2018. カ科. p. 1021-1269. In 川合 & 谷田 (編) 日本産水生昆虫 - 科・属・種への検索 第二版. pp. 1520. 第 II 巻. 東海大学出版部, 神奈川.
"ここで扱った標本は、幼虫を冷水中に入れて徐々に加温沸騰させた後、70~75%のアルコールに移したため、検索表中の体長は十分に伸長している。" (p. 1455, l. 8-9)
永冨 2018. ナガレアブ科. p. 1455-1461. In 川合 & 谷田 (編) 日本産水生昆虫 - 科・属・種への検索 第二版. pp. 1520. 第 II 巻. 東海大学出版部, 神奈川.
"Neotrogla specimens in copula were killed with hot water (∼80°C) and fixed with 80% ethanol in caves."
Yoshizawa, Ferreira, Kamimura & Lienhard 2014. Female Penis, Male Vagina, and Their Correlated Evolution in a Cave Insect. Current Biology, 24(9): 1006-1010. https://doi.org/10.1016/j.cub.2014.03.022
Fukuda, Haga & Tatara 2008. Niku-nuki: a useful method for anatomical and DNA studies on shell-bearing molluscs. Zoosymposia 1: 15–38.
湯固定のメリット
DNA を保存できる (熱湯はDNAにそれほど影響せず、またDNA分解酵素を破壊しやすい)
筋肉がエタノール等の保存液による脱水で変形しにくくなる
長期保存
採集データを過不足なく記したラベルを針に刺します。過の場合は2枚に分けて刺しましょう。文字を損傷しないよう、よく狙ってください
また写真や動画を追加します。取り急ぎ。
採集の仕方はこちら