パラシュートへの誤解を説く

その2
開傘速度・最低開傘高度(距離)
開傘速度を意識的に低速化させて使う!!  
説明動画
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PJ管理用

パラシュートの説明をするとほとんどの人の関心事がどれくらいの速度で開きますか?
地面からの高度(距離)はどれくらい必要ですか?

ということです。
墜落している時にこそ役立つものなので0.1秒でも速く、1mmでも短い落下高度の間に開傘してほしいという期待や願望が受け取れます。
そうでなければ役には立たないのですから
しかし実際にはパラシュート性能の優先順位には開傘速度よりももっと優先されるべきことがあります。
開傘形状の正確さと開傘衝撃の緩和です。


パラシュートの開傘はトップ(先端)からコネクト(接続部)までの長さに比例します。
大経の大きな翼面積を持つパラシュートならばその分だけ

全長が長く、小径なパラシュートの翼面積であればそれだけ比較して全長が短くなりますので短時間で開傘します。

しかし開傘時間を短くすることはもう一つ別の方法があります。

同じサイズのパラシュートであればパラシュートの開傘方式は射出後にまずサスペンションラインが先に張って、その後にキャノピーが開くラインファースト方式
そして射出後にキャノピーが先に開いてからサスペンションラインが張るキャノピーファースト方式、このキャノピーファースト方式のほうが素早く開傘します。

しかしアドエアのパラシュートではラインファーストを採用しています。それはドローン用の緊急用パラシュートというカテゴリーに限った使用方法においてはドローンのプロペラやブーム、固定翼機では主翼、尾翼、プロペラなどの隆起物にサスペンションラインが干渉することをできるだけ避けることが優先事項であるためです。

説明動画でも紹介していますがパラシュートには意図的に開傘速度を遅らせるシステムが付加されています。それは急激すぎる開傘過程においてサスペンションラインが正確に引き出されることが阻害される(機体の一部に絡む、ラインのキンク状態を生み出す)ことを抑制しています。
下記の開傘したパラシュートの写真左側に赤丸で囲った部品がその役割を担います。
また急激な落下速度であればあるほど開傘による衝撃で機体が破壊されて機体をホールドするハーネスからこぼれた破片が地上へと落下する恐れがあります。
それらを考慮すると最優先の1番目は正確な形状での開傘となります。2番目は開傘後の飛行コース、3番目に開傘速度となります。
<< 説明に用いた写真はinstagramより引用 >>

アドエアではドローンの危機対策全般を扱ううえで、機材に留まらず知識のとしての危機対策を公開するために

緊急パラシュート及びドローン配送用のパラシュート型ドローンスクールを2024年度中に実施予定です。

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