パラシュートへの誤解を説く 

その4‐2 
コントロール可能なパラシュートは
緊急用に使ってはいけない  続き

PJ

緊急用パラシュートはラウンド型パラシュートが適しています。
コントロール可能なパラシュートを緊急時に使用しても、安全に緊急着陸させられる操縦ができる確率は高くありません。

*写真はSNSよりマイクロウィング使用中の動画より一部抜粋

スクエアパラシュートの操作特性がわかる動画がありましたので紹介します。← クリック(FaceBook動画です)
マイクロウィングの飛行速度を比較できる動画 ウィングスーツと並走する速度 ← クリック(FaceBook動画です)

”その3”で説明したスクエアパラシュートを緊急パラシュートとして使用した場合の地上への加速動作の問題の他に”その4-1”でその飛行コースを瞬時に想像することの難易度を説明しましたが、なぜそれが難易度が高いかについて補足説明します。

上記写真やリンクした動画で使われているうなマイクロウィングと呼ばれている翼面積が小さなものはとくに翼の挙動が過敏に機敏ですが、これは翼面荷重といって1㎡に対して架かる全体重量が大きいほど機敏となる傾向があります。これを全体重量に対してもう少し大きめな翼を使うと機敏性は抑制されるものの、スクエアパラシュート(翼)が旋回の都度ヘッドダウン(機首が下を向く)挙動が伴います。そうしなければ失速してしまうからあえてそうした特性が与えられています。
これはスクエアパラシュートだけでなく一般の飛行機の翼にもそうした傾向はあります。

では着陸目標地点に向かって飛行コースを移動してゆくときに地上まで残り僅か数メートルの高さで位置を合わせるために旋回してしまうと、残りの高さ数メートルでヘッドダウンしてしまえばそのまま地面へ激突となります。
そのため着陸動作の直前はどのような飛行体も必ず直線飛行で進入することが必要です。これをファイナルアプロ―チと呼んで翼面荷重が小さいほど距離
を長く撮る必要があります。

ドローンでの飛行中に突然の緊急事態でスクエアパラシュートを開いても即興で飛行コースを創造できない理由は(難易度がとても高い)このヘッドダウン特性と、ファイナルアプロ―チの必要性にあります。

唯一ファイナルアプローチを必要としない選択肢が上空から垂直方向へ直線的に進行する(降下する)ラウンドパラシュートとなります。

アドエアではドローンの危機対策全般を扱ううえで、機材に留まらず知識のとしての危機対策を公開するために

緊急パラシュート及びドローン配送用のパラシュート型ドローンスクールを2022年度中に実施予定です。

クリック → スクール  開校予定