パラシュートへの誤解 その7 
パラシュート取付レイアウト

PJ

デザインが完成したドローンへの搭載はその1でも説明した重量の問題の他にレイアウトの問題があります。

汎用品としてパラシュートコンテナ、そしてシューター(射出器)にはエアロダイナミズムはデザインに与えるだけ無駄なことです。
どのような形状のドローンのどの位置に搭載するのか決定していない時点では何も手が付けられないからです。

既に完成されたドローンの機体に対して何も搭載を想定していない状態の形状のところへパラシュートコンテナとシューターを取り付ければそれだけで空気抵抗が気になることでしょうし、機体の重心バランス、推力を与えた時の空力の変化も気になるでしょう。もちろんそれはパラシュート搭載を検討するときに翼設計者から聞く言葉です。
しかしこれは想像ですがこれまで打ち合わせしてきた設計者のかたがたのほとんどが流体知識を熟知したうえで機体設計をしているようには思えません。理由は空気抵抗になるのであれば機体形状に対して許容範囲内のディメンションやレイアウトというものがあってしかるべきなのですが、ただ闇雲に空気抵抗をできるだけ少なくするようにして欲しいと数値で表せないリクエストをしてくるからです。ようは不安なだけで空気抵抗が大きくなることによるデメリットがどのようなものか、どれくらいの空気抵抗値となるのかまたその解決手段は?といった知識が何も根拠がないままに其れらしい機体設計をしたのだろうと想像しています。これは現在展示会などで見るドローンのほとんどについて言えることです。工業デザインとして優れた部分はあるですがそれが流体としてどのようなポーラーカーブを描くのか
アドエアの現在の緊急パラシュートシステムは圧縮コイルをエネルギーとして使用としたものでそれを稼働させるためには最低限のコード(前後軸)方向への距離が必要となります。その配置すら確保できなければパラシュート射出の方法がありません。