パラシュートへの誤解その13-2

 
回転翼機のモーター&プロペラが通常運転で駆動していても失速・墜落は発生する 

回転翼を含む翼はその上面,下面のそれぞれ表面を流れる空気の流体の圧力差によって総重量を浮遊させるだけの揚力を得ています。
飛行中に総重量は変化しませんが(輸送の場合の往路と復路では変化する可能性はあります)揚力が変化、特に減少方向へ変化する可能性はあります。飛行速度に変化が無くても、プロペラの回転速度に変化が無くてもです。

それはどのような場合でしょう
飛行中の姿勢の変化による翼の傾きによって翼の揚力が有効となる投影翼面積が変化(減少)してしまうからです。

モーターさえ動いてプロペラが回転していればパラシュートが必要となるような危機は起こり得ないと思われていた方々には寝耳に水ではないでしょうか
モーターパラグライダーのような翼面荷重の小さな、より低速でも揚力が得られる飛行体でさえ同様のケースは発生しており、その現象をパワーストールと呼称しています。
フルパワーでプロペラを回転させながら落下してきたという事故報告とそれが一定の条件を満たせば常態的に起こりえるものという検証結果があります。

13-3でその説明の一部をポーラーカーブを使って解説します。