航空機のパラシュート射出方式はBRS社に代表される火薬点火方式のロケットデプロイメント(射出)が最初に思いつきます。
しかしスカイスポーツの統括団体に籍を置き、重大事故の調査、未然防止対策に尽力した経験のあるアドエアの代表者の知見によって、これが必ずしも最も開傘確率が高い方法とは言い切れない事例を確認しており、ドローン墜落リスク時において、わずかな早さよりも、幅広い開傘確率を選択すべきと判断しました。
動画にてその説明をしています。
航空機用の緊急パラシュートといえば実績のあるBRS社のロケットデプロイメント方式が思い出されます。
素早い傘体射出で救われた生命もあり実績のある射出方式です 。
その一方でアドエアではドローンの墜落危機から機体を守るうえで最も効率よく素早く開傘するパラシュートはロケットデプロイメント方だけに限らないこと、飛行体の種類と特徴によっては違った考えに基づいた開傘方法にこそ確実性が高いことを長年培ってきたスカイダイビングやハンググライダー、パラグライダーでの墜落事故を数多く分析した経験から学んでパラシュート製造技術として生かしています。
このシステムは、まず小さなパイロットシュートを収納したカプセルを射出し、そのカプセルが空中で分離した後に開傘したパイロットシュートがメインとなる大型パラシュートを正確に引き出す二段階開傘方式です。
射出角90度可変
この技術により、パイロットシュートは最短の飛距離で射出され、すぐに開傘動作に移ることが可能です。この独自技術はアドエアが特許を取得しており、他社には真似のできない、高い効率性と信頼性を実現しています。
では、どのような場面でアドエアの緊急パラシュートシステムが優位性を発揮するのか
この方式には、独自技術を採用しており射出速度こそロケットデプロイメント方式よりもわずか0.数秒遅れますがメインパラシュートの開傘そのものはロケットデプロイメント方式よりも素早くそして正確に上空方向へとパラシュートのあるべき位置へと誘導されることがロケットデプロイメント方式にはない利点となります。そのため総合的な開傘プロセスでの合計所要時間を結果的に見ればほぼ同等なだけでなく、それに加えて開傘位置の正確性というプラスがあります。
通常飛行時であれば、機体に対して真上方向に射出するのが最も効率的だと考えられます。しかし、ドローンの墜落が確実になっている緊急時においては、機体が安定した姿勢を保っているとは限りません。飛行方向や姿勢が維持できなくなっているからこそ、墜落の危機にあるのです。
もし、機体姿勢が不安定な状態でパラシュートを真上に向けて射出してしまった場合、そのパラシュートは実際には真上には飛び出しません。
無人航空機である以上は有人飛行の緊急時のようにその状況や姿勢に応じてパイロットが瞬時に判断し、最適な方向へ向けてインナーパックに梱包された状態のパラシュートを投げるということができないため墜落感知センサーによって稼働トリガーを設置し、連携した自動射出によってパラシュートを射出します。
しかし、それは自動であるがゆえに射出システムはあらゆる想定に対しては対応できず、射出方向においては飛行前に方向を定めておき、パラシュートシステム稼働時にその方向がいかに開傘の確率に対して都合が悪くても予め決まった方向にしかパラシュートが射出されないという懸念事項があります。
それはドローンの正常飛行時の姿勢からの想定においては上空方向であったはずの射出方向が、墜落時の機体姿勢の変化によって実際の射出方向が地上へ向けて一直線な方向へと向かってしまうことです。
またその姿勢変化によって、二次的に正常飛行姿勢では懸念の必要が無かったドローン機体のプロペラやブームなどにパラシュートのサスペンションラインへの干渉、絡みつきが発生してしまう事態も起こります。
重力方向へと射出され、伸長したブライダルコードをドローン機体が追い抜いたあとで開傘動作が変則的に開始されるという、想定していない運まかせのプロセスが開始されます。
火薬点火によって打ち出された錘(おもり)は射出の勢いだけでは終わらずに、さらに継続的にキャノピーを重力方向へと引く力をかけています。
そのためドローン機体が落下することでパラシュートを重力方向へ追い抜くことが容易ではなく、またメインパラシュートのサスペンションライン及びブライダルコードまでを含んだ全長をの距離を追い抜くというのは地上へ到達する前にパラシュートを開傘させるうえでは不利が大きくなります。
墜落リスクの危機対策専門業者として、アドエアでは、そうした都合の悪い方向や角度への射出を運が悪かったからパラシュートが使えない!では済ませないよう尽力することを念頭においています。開傘確率は他の方向、他の角度への射出よりも下がることは否めませんが、それでも大幅な確率低下とはさせない発想をもってアドエアのパイロットシュート”Mouse(マウス)”は開発されています。
実際にパラシュートが地面へ向かって射出されたあとにどういう事態となるかを想定してみます。まずはメインパラシュートをダイレクトに打ち出す方式、これがいわゆる火薬点火によるロケットデプロイメント方式、そしてアドエアの開発によるカプセルに包まれたパイロットシュートを射出しておいて誘導傘としてメインパラシュートを引き出す方式とで比較して解説してゆきます。
アドエアのシステムでは射出方向をその都度、任意に変更可能にして機体反転時に射出方向を斜め方向へとずらしておき、くことで力方向への射出を避けるという対策が可能です。
アドエアのOWL-VG &Mouse システムはフライト前に点検を目的としたメンテナンスを簡単に行えるため より確実性を高められるという利点があります。
素早い開傘と正確な引き出し: 小型のパイロットシュートは、大型のパラシュートを直接射出するよりも格段に素早く開傘し、理想的な上空方向へメインパラシュートを確実に引き出します。これにより、緊急時におけるパラシュート開傘までの時間を最小限に抑え、ドローンの安全な着地をサポートします。
独自の射出技術による効率性: パイロットシュートの射出には、弊社独自の専門技術が駆使されています。パイロットシュートは硬質カプセルに包まれて圧縮コイルから射出され、射出後にカプセルが分解飛散することで、開傘動作を妨げません。この技術により、パイロットシュートは最短の飛距離で射出され、すぐに開傘動作に移ることが可能です。この独自技術はアドエアが特許を取得しており、他社には真似のできない、高い効率性と信頼性を実現しています。