PX-W3PE4

発売                :    2017年4月19日

チューナー数   :    地デジx2,BS/CSx2 (4番組同時録画)

                                シリコンチューナー RafaelMicro R850 x2個

                                復調IC 東芝TC90522XBG x1個

                                コントローラー ITEtech IT9305E

価格                :    ¥14,800円前後

URL                :    http://www.plex-net.co.jp/product/px-w3pe4/

Amazonでの取り扱い https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B06Y6MG4J2/

特徴                :    PCI-Expressから電源を供給し、信号はUSBでやり取りする地デジx2,BS/CSx2の4番組同時録画対応機。USB外付けタイプ「PX-W3U4」のバリエーションモデル。

要空きPCI-Express (x1以上)スロット。LowProfile対応。

2017年4月時点でLinux対応の公式ドライバは未公開のため、自前のLinux環境やfoltiaではそのまま使用することができない点には要注意。

基板のデザインは前モデルのPX-W3PEまでと大きく異なり、部品構成はUSB外付けタイプのPX-W3U4とほぼ同一。Windows MediaCenter非対応となったことも含め、チップ供給元の製造終了、他モデルとの部品共通化などの理由により大きく変更されたモデルと推測される。(ドライバなどからもDigiBest製であることが伺える)

付属USBケーブルがUSB2.0ピンヘッダ用のみのため、環境によってはUSB3.0ピンヘッダとの変換ケーブルや、USB Aタイプ−ピン変換ケーブルなどの用意が必要となる。

ドライバ入手先    :http://www.plex-net.co.jp/product/px-w3pe4/download.html

BonDriver入手先
2022年版 (RegistryFiltersを含む)TVTest0.7.23及び0.9.0/0.10.0同梱版
  2019年3月版 (RegistryFiltersを含む)TVTest0.7.23及び0.9.0/0.10.0同梱版 PXW3PE4_1903.zip     https://www.axfc.net/u/3967401

フィルタ入手先        :上記に含まれる

別途必要なもの        : B-CASカード

導入難易度            :  容易

最初にドライバをインストール後、上記BonDriverのURLからファイルを入手し、先にフィルタをインストールする。2019年3月版ドライバから、READMEファイルを参照してbatファイルをクリックすることで、C:¥ にフォルダが作成され、インストールを容易に行えるように仕様変更されている。

(過去情報 :インストールは「RegFilter.bat」を右クリックから「管理者として実行」を選択する。環境により(Windows10-64ビットなど)うまくインストール出来ない場合は、ファイル配置フォルダを変更(うまくインストール出来ない場合は C:¥にファイルを移動、もしくはWindows>SysWOW64フォルダ、もしくはsystem32フォルダなどに「regsvr32.exe」以外の全ファイルをコピーしてから実施してもOK)



TvTestは0.7.23などで問題なく動作する。上記BonDriverを解凍後、地デジ1用のTvTestフォルダには「BonDriver_PXW3PE4_D0_T0.dll」「BonDriver_PXW3PE4_D0_T0.ini」「BonDriver_PXW3PE4_D0_T0.scard」の3ファイルをコピーする。

TvTest初回起動時もしくは設定>一般から、デコーダを「Jacky Mpeg2 Video Decorder」、カードリーダーは「スマートカードリーダー」を選択する。(これでPlex内蔵リーダーが使用可能)

以下、T1用、S0用、S1用も同様にセットアップすることで、4チューナー視聴環境が完成する。

■ 使用するPCにUSB2.0ピンヘッダがない場合の対処法 ■  

※【重要】以下の環境で実際に動作を確認していますが、自己責任でお願いします。環境によってはうまく動作しない可能性も考えられます

自作PC系では問題ないと思われるが、メーカーPCなどではUSBピンヘッダの空きがない場合がある。特にスリムPCなどではその傾向が顕著。

そのため、USB3.0ピンヘッダからの形状変更アダプタの使用や、USB3.0カードの増設などが必要となる(仕様上はUSB2.0で問題ないが、すでにUSB2.0ピンヘッダ付きのUSB2.0カードは新品ではほぼ流通していないため、USB3.0カードでの増設が現実的となる。とはいえ形状変換してもUSB2.0の速度となる点は変わらない)

・マザーボードにUSB3.0ピンヘッダがある場合

変換名人 MB-USB3/2実売 約560円)などを使用して、USB2.0ピンヘッダに変換することで利用可能となる。

・USB3.0カードを併用する場合

使用するPCが第二世代Core iシリーズ以前の環境であれば、ついでにUSB3.0の増設も行ってしまおう。

上記の 変換名人 MB-USB3/2実売 約560円)と、USB3.0ピンヘッダを持つPCI-Expressx1用USB3.0カード (例 エアリア SD-PEU3R-2E2IL 実売 約2,480円)などを併用することで利用が可能。

・外部に取り回して通常のUSB2.0 Aコネクタから取り回す場合

USBバラ4ピンのオスコネクタを持つケーブル(サンワサプライ TK-USB1 実売 約240円など)と付属のUSBケーブルを組み合わせて使うことで利用が可能。

電源周りの誤配線で故障してしまう可能性も考えられるため、ピンの接続には細心の注意を払う事!

しかし、内部USB接続にしたメーカーの意図は(おそらく)USBの外的不安定要因を排除することにあると思われるため、特に外部取り回し(余計なハブを経由)は推奨されないと思われる。メーカー的には変換アダプタなどを利用した接続はノーサポートだそうなので、くれぐれも自己責任でどうぞ。

搭載されているチップは、東芝TC90522XBG(復調IC)、ITEtech IT9305E(USBコントローラ)などでPX-W3U4と共通。

チップが実装されていない空きパターンがあるのは、8ch同時視聴可能モデル「PX-Q3PE4」を想定した共通基板のため。PX-W3U4とPX-Q3U4の関係と同様に、裏面にはその痕跡が伺える。

しかし8chモデルの発売予定はアナウンスされておらず、マーケティング的な理由などで発売されないことも十分に予想される。

(とはいえ背面印刷の型番チェック表記は、PX-Q3PE発売後しばらくしてから、表記上は存在していたPX-W3PE V2.0が同一基板で登場したという実績もあるので、可能性はあるかも?)

【追記】2017年9月に8チューナーモデル「PX-Q3PE4」が発売開始されました。部品構成は基本同一でチューナー、復調IC、コントローラが倍になっています。

LowProfileブラケットに装着し直し、B-CASカードを装着したところ。

■サポート外環境へのインストール例

数台のPCで動作を確認していますが、ここではUSB2.0ピンヘッダがないメーカーPCに、USB3.0カードを装着した上で実装する手順について記載します。

使用するPCは、NECの法人向けモデル MATE J PC-MJ25MBZ をベースとして、以下の仕様にしたものです。 (Core i5 2400S/RAM8GB/SSD128GB/Radeon R5 240 1GB/Windows10 64bit)

中古市場では既にリース落ちなどで、5千円から1万円程度と安価で販売されながらも、第2世代Core i5を搭載し、ロープロファイルながらPCI Expressx16を1基、x1を2基、PCIを1基搭載したスリムPCです。マザーボード上に空きUSB2.0ピンヘッダはなく、パターンのみ。そのままではPX-W3PE4を使用できないため、上記で説明したUSB3.0カードを同時に増設します。

使用するUSB3.0カードは、USB3.0 19ピン ピンヘッダを持つ エアリア SD-PEU3R-2E2IL (実売 約2,480円)。

Windows10 64ビットでは標準ドライバで使用可能です。

USB3.0カードにはSATA電源を供給する必要がありますが、本スリムPCでは余分な電源コネクタがないため、DVDドライブ辺りから分岐するためのケーブル(SATA電源 2分岐 変換ケーブル 約320円)も同時に接続します。(画像の右上部のケーブル)

USB3.0カードとPX-W3PE4の接続は、変換名人 MB-USB3/2実売 約560円)を使用。(画像の右下側のケーブル)

PX-W3PE4と接続すると、このような形になります。

 

ドライバをインストールし、正常な認識を確認します。

次にBonDriverとTVTestの準備ですが、まずは上記BonDriverファイル解凍後、「RegisterFilters」に含まれるフィルタ類のインストールを最初に行います。

「RegFilter.bat」を右クリックから「管理者として実行」を選択します。フィルタ類の移動に伴うエラーの回避や、コマンドプロンプトでパスが通っていないとエラーが出るなどの問題を回避するため、あらかじめWindows>SysWOW64フォルダ、もしくはsystem32フォルダなどに「regsvr32.exe」以外の全ファイルをコピーしてから実行する方法も可能です。

TVTestはどのバージョンでも問題ありませんが、必要ファイルが揃っていて入手しやすい定番の0.7.23を使用するのが無難となります。

Bondriversフォルダから、チューナー別に各3ファイルをTVTestのフォルダにコピーします。

地デジ1用TVTestフォルダには

BonDriver_PXW3PE4_D0_T0.dll

BonDriver_PXW3PE4_D0_T0.ini

BonDriver_PXW3PE4_D0_T0.scard

地デジ2用TVTestフォルダには

BonDriver_PXW3PE4_D0_T1.dll

BonDriver_PXW3PE4_D0_T1.ini

BonDriver_PXW3PE4_D0_T1.scard

BS/CS1用TVTestフォルダには

BonDriver_PXW3PE4_D0_S0.dll

BonDriver_PXW3PE4_D0_S0.ini

BonDriver_PXW3PE4_D0_S0.scard

BS/CS2用TVTestフォルダには

BonDriver_PXW3PE4_D0_S1.dll

BonDriver_PXW3PE4_D0_S1.ini

BonDriver_PXW3PE4_D0_S1.scard

このうち「.scard」ファイルは、PXチューナー内蔵カードリーダーを使用するためのファイルです。別途外付けのカードリーダーを使用する場合は入れる必要がありません。

TvTest初回起動時もしくは設定>一般から、デコーダを「Jacky Mpeg2 Video Decorder」、カードリーダーは「スマートカードリーダー」を選択する必要があります。

一度「Jacky Mpeg2 Video Decorder」で正常に視聴できたあとは、デコーダを変更しても問題ないようです。

初回はチャンネルスキャンを促されるので、そのまま設定していきます。うまく動かず何度か立ち上げた場合は、設定>チャンネルスキャン で一度スキャンを行ったあと、TVTestを立ち上げなおします。

画像キャプチャなどを行う場合は、上記設定のようにレンダラをEVRにしておくと便利です。

BonDriverの指定は、一度フォルダ内のBonDriverを選択しておきます。初期状態では「最後に使用したBonDriver」になっているため、そのままフォルダごとコピーした場合に指定が重複してしまうためです。地デジは「T」、BS/CSは「S」で、それぞれのBonDriverを指定します。

参考までに、本PCでの4画面同時視聴時のCPU負荷は、概ね40%前後です。

ATIのビデオカードを入れているため「ATI Mpeg Video Decorder」を選択した場合は、CPU負荷が30%前後まで低減します。

https://sites.google.com/site/tsnukituner/tstunerlist/plex/px-w3pe4/screenshot.8.png?attredirects=0

■以下、追加検証したい諸々

・複数チューナー起動時の内蔵カードリーダー初期化に癖があるような気がする(起動2個めでエラー発生することがある? その後正常)。個体差か、非推奨のUSB3.0カード併用やドライバ周りなどPC環境に依存するものなのか、現在のBonDriverの不具合なのか、要検証。

  普段は外付けリーダーを使用するので、検証は後回しになるかもしれません。個人的にはPLEXチューナー全般は負荷の面や、EDCBでの使用、B-CASカードの共用などの面で、外付けリーダー(SCR3310/v2.0など)での利用を優先しています。上記症状はUSB3.0カード利用時でも、外付けリーダーでB-CASカードを使用する際には発生しません。そのため、個人的な環境下では今のところ特に問題なく動作しています。