PCでの4K8K視聴備忘録

このページは自分用備忘録です。【2024年5月記述】
今後細かく追記する可能性はありますが、基本的に一般公開向けの分かりやすいまとめサイトを志向したものではなく、自分用のネタ帳備忘録ですので、細かな間違いやリンク先消失などはフォロー予定はありません。自身では未検証な事項も含まれています。
そんな状況を御理解の上で、くれぐれも自己責任でご覧ください。
一次情報はほぼ無いです。そのまま転載して間違っていても責任は持てませんので、くれぐれもご注意ください。


ISDB-S3(BS4K/8K衛星放送)PC受信の現在までの流れ


ハード及び業界の大筋


2018年 ACAS機器登場

2019年12月 PT4K/TBS6812登場。当時価格31,280円。

2020年3月 フリーオ4K発表。近日発売と告知されるもその後音沙汰なし。

2020年3月 カスタムICカード販売開始。ACASのカード化が劇的に楽になる。(販売ページは2018年1月から存在するが同一性不明。正確な販売開始時期調査中)

2022年春 ドイツDigitalDevicesがISDB-S3対応「Max M8」を発表するも、2024年5月時点でまだ発売されず。

2024年4月 PT4K唯一の販売ルートAmazonでの価格が31,280円→45,800円→69,800円→128,000円と急騰。4/20以降69,980円が現在の市場価格に落ち着く。


解析の経緯


2018年

2019年3月 フリーオ4Kプロトタイプと思われるものを使用している謎の外国人? deliciousslurper(別名OishiiSlurper、焼きそば、アボカド)がACASの何らかの文字列をネットにリークするも、表向きに派生物は観測されず(誰も活用できていない?)
2020年1月 PT4K非公式wiki」登場。その時点で一般的なネット民が知り得ない情報? も含まれる。

2022年11月 avoCADO snACKING」(http://deliciousslurper.blogspot.com/)最後の更新。日本の有料放送のセキュリティの甘さを指摘し2023年5月以降サイト消滅。

2024年4月8日 掲示板サイトに「ACASの解析に成功」報告。解析者はPIX-SMB400と思われるデバイスから信号を抜き出して動作を解析したことを示唆。

以降各種ソフトの開発などが少しずつ進行

PasteBinに貼られたACAS解析の概要

・ACASの初期化コマンド、認証から任意のキー、検証ハッシュ、解析で判明したマスターキー(アボカドがリークした文字列と概ね一致)を組み合わせたSHA256、検証ハッシュなどの流れ、ECM復号の計算方法を解説。


各種ソフトウェアの登場

2020年2月 BS4Kノンスクランブル番組視聴アプリ「MiSeTe4K」登場。

2024年
4月11日 ACAS解析の結果を元にした概念実証として「B61Decoder」ソースが公開される。受信した4K/8KのMMTSファイルをACASカードを利用してコマンドラインからデコードが可能になる。

5月9日 libarib25(stz2012)のソース改変でACASチップでのB-CAS代替、B25デコードが実現。地デジ/BSCSをPCで扱う際にB-CASカード代わりにACASを使用することが可能になる。BonCasLinkなどのツールもソース一部変更で対応できたことが報告される。
5月23日 録画可能アプリ「MiSeTe4K Recorder アルファ版」登場。
6月19日 リアルタイム視聴アプリ「Xview 4K」登場。


現時点でのPCでの4K/8K視聴方法

2024/6/18  リアルタイム4K視聴ソフト「Xview 4K」登場
MiSeTe4KをベースにACAS復号に対応したリアルタイム視聴アプリ。4K放送のリアルタイム視聴が可能。
(pt4k非公式wiki内紹介ページ)


これまでの大まかな流れ

・PT4Kで4K/8Kを受信しMMTSファイルを記録


・(バイナリエディタでヘッダ部分を削除、「DumpTSで.mmtsファイルから映像を抽出して.hevc形式に変換出力。)※ファイルによっては省略可

カード化したACASをPCに接続し、ソースからビルドしておいた「B61Decoder.exe」を使用してデータを復号

・生成されたファイルを「MiSeTe4K」で読み込んで視聴。

 もしくは「DumpTS」「MKVToolNix」などでHEVCを切り離し「MPC-BE」などで視聴。

以下余談 とりとめもない備忘録

BS4K/8Kを普通に視聴したい場合は?
→4Kテレビ、8Kテレビ、4K BDレコーダー、4Kチューナーなど、いずれかを買えば普通に安価で視聴できます。
BS4Kはもう安価な4Kテレビでも普通に視聴可能ですし、4K UHD BDレコーダーもすでに安価で、しかもBDにダビング、コピーも(ダビング10などやや制約はあるものの)普通の人は困りません。PCで直接記録、視聴するより、BDに記録した4K映像をPCに無劣化コピーすることの方が圧倒的に簡単です。(法的解釈がクロ寄りのグレーとなる有償ソフトなどの問題は別とする)
汎用の単体チューナーがない8K(更にシャープの8Kチューナーは高価&流通終息)はやや困難ですが、60インチ8Kアクオスが約16万円で購入できるなど、普通に視聴、HDDに記録だけなら、その辺りの機器の方がよほどお手軽。単体の4Kチューナーに至っては最安価格帯は5千円以下です。左旋対応のBSアンテナや同軸ケーブル、一定水準以上の分配器の取り回しなど多少品質に気を使う必要もありますが、それらもさほど高価ではありません。


じゃあPCでのBS4K/8K視聴にはどんなメリットがあるの?
→無劣化での保存、他媒体へのコピー、そして手持ちの機器で扱えるロマン。
4K/8Kテレビなど普通の家電機器で録画したHDDは個体に紐付けされるため、録画機器が壊れたら同型の機器でも視聴できず、そのまま視聴不可のゴミデータになります。4K BDレコーダーであれば汎用性を持つメディアへ退避は可能ですが、コピー防止フラグによる二次利用の制限、メディアの記録時間が短いことや、容量を優先して圧縮すれば当然画質も劣化するなど、4Kソースのメリットが薄れます。
8Kに関しては録画機器のHDD記録以外に、データを移動する術すら存在しません。
基本的に4K/8K放送のコンテンツは、個人に所有させたくない、高品質なデータの不正二次利用を防止したい、という強い意志のもとで規格策定と製品展開が行われています。配信が主流になり個人の録画記録、所有の需要が下がり、既にBDレコーダーも家電の主力製品ではなく量販店の売り場面積も激減。実メディアでの所有自体に需要が下がり、放送に限らず市販BDソフトですら大型店でも取り扱いを縮小、一部店舗に集約する状態です。
映像作品を個人所有できること自体が、後年では「あの時代特有の価値観」と評される日も近そうです。
PCでの視聴、保存であれば、データの無劣化長期保存に可能性が拓けます。しかし費用対効果は低く、一般的な使用方法ではありません。家電の4Kチューナーが5千円で買えるのに、8Kにも対応するとはいえ放送波をベタ記録するだけのPT4Kが7万円というのは、普通に考えればコストパフォーマンスが悪すぎです。
ぶっちゃけ、一部のマニアと技術的なロマンを志向する人以外には大きなメリットはありません。ただ、それを求める人には他に代替策がないという事実があります。
(意訳:たのしい)

※8Kを快適に視聴できるPC環境の構築にはいくらかかるのか? (そもそもできるのか)という問題は先送りとします

各種リンク先

・PT4K公式 「PC Tuner for 4K特設サイト
PT4K非公式wiki

avoCADO snACKING」跡地(WebArchive)

・一般社団法人電波産業会 ARIB STD-B61標準規格
・ISDB-S3 ARIB STD-B44標準規格
・B-SAT 株式会社放送衛星システム BSAT-4シリーズ