foltia ANIME Lockerについての考察

foltia ANIME Locker

https://foltia.com/ANILOC/

公式サイトや製品パッケージには「本製品は暗号化されている日本のデジタル放送を視聴・録画する機能は有していません。本製品には不正競争防止法に定められている技術的保護手段回避装置としての機能は有していません。」との記載があるため、普通の人がこれを見て「はて? このソフトではTS抜きデータの記録はできないの?」 と思うことは自然だと思われます。

結論から言えば「できます」。

暗号化データの復号を行うソフトの組み込みをユーザー側に行わせ、復号自体は別途用意する必要があるスマートカードリーダーとB-CASカードを利用することで、ノンプロテクトの動画ファイルが記録できる仕組みとなっています。市場規模が小さく、セットアップにやや専門的な知識を必要とする隙間商品故に、商売が成り立っているものといえるでしょう。

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■最大のメリットは、手軽であること

foltia ANIME LockerはPC1台をTS抜き録画専用機として活用するためのパッケージソフトウェアで、Linux(CentOS)+録画視聴アプリの統合環境となっている。パッケージ版の提供メディアはDVDだが、メーカーサイトから評価版(シリアル購入で製品化が可能)をダウンロードし、USB版インストーラーを作成することも可能となっている。(ただしツール類の操作などが必要)

オープンソースプロジェクトの「foltia」をベースとして商用化されたもので、製品化にあたっては各種機能の強化と利便性の向上が図られている。

WindowsのソフトではなくCentOS+アプリの統合環境のため、インストールされたPCは録画専用機となる。常時起動の録画専用マシンとなるため、導入と運用はネットワーク環境が必須となる。録画予約や視聴などは別のPCやMacなどから行う形となる。

とはいえ、すでに情報が古くセットアップが困難となりつつある「TvRock」や、標準的なセットアップ自体は簡単だが応用には知識が必要となる「EPG DataCapBon」などと比較しても、常時録画PC環境を導入するための技術的敷居は低く、家庭内LANの設定ができるレベルであれば問題なく構築することができる。

特に複数チューナーのサポートによる多チャンネル同時録画環境が簡単に構築できる点は大きな特徴となっている。

しかし、2TB以上のHDDを使用したり、セットアップ完了後にストレージを増設、変更したい場合などはCentOSをコマンドラインから操作できるレベルの知識が必要となるなど、カスタマイズを行う際には一気に技術的敷居が高くなる点には注意が必要だ。

パッケージ版 メーカー希望小売価格 税別7,982円

実勢価格 税込 約7,980円(Amazon)/ 8,620円(ツクモ通販)

2017年11月時点のバージョンはVer.6.0.1。2019年12月時点の最新バージョンは Ver.6.1.4。

→追記 2019年11月30日から特価セール。12月22日時点でも継続中 Amazon 1,000円(Ver4.x DVD)

2017年10月発売のバージョン6には、Ver5.xから自動アップデートが可能。Ver.4.xからのアップグレードライセンス1,100円を購入すれば最新版が入手可能となる。

ダウンロード版 メーカー希望小売価格 税別7,182円

実勢価格 6,900円(ベクターPCショップ

V3.0からV4.5へのアップグレードライセンス 1,100円ベクターPCショップ

V4.xからV5.x/V6.xへのアップグレードライセンス 1,100円ベクターPCショップ

概ねダウンロード版が格安となる。ベクターでのプロレジ大賞部門賞受賞セールではフル版が期間限定で4,980円で販売されていた(2017年2月23日で終了)

Amazonでは8チャンネル同時録画可能のPX-Q3PEとのバンドルモデルが、ややお買い得 でした(過去形)

ANIME LOCKER4.0 PX-Q3PE同梱版 FL-DV4Q3PEM 29,980円 (2017年3月)

■動作に必要なもの

・CentOS(64ビット)が動作するPC

・TS抜きに対応したチューナー

・NTT-ME SCR3310などのカードリーダーとB-CASカード (PLEXチューナーが内蔵するカードリーダーは使用できない)

SCR3310の価格が妙に高騰しているが、後継(OEM元)のSCR3310/v2.0で全く問題なく使用できる。

■対応するチューナー

・アースソフト PT1,PT2,PT3

・PLEX

PX-W3PE REV1.3,PX-Q3PE

USBチューナーユニットPX-W3U3,PX-S3U2,PX-S3U

2017年3月時点で、PX-W3U3V2.0、PX-W3U4、PX-Q3U4には対応していない。

→追記 2017年9月のVer5.0.3以降で、PX-W3U4、PX-Q3U4、PX-W3PE4、PX-Q3PE4に暫定対応。10月発売のVer6から正式対応となりました。

公式の要求スペックはCore i3 3.0GHz以上、メモリ4GB以上を推奨。CentOS64ビット版が動作するハードウェア構成が必要となる。

2番組同時録画程度であればCore2Duo世代のCeleronやAthlonIIなどでも問題なく動作するが、mp4への低解像度化エンコードやリアルタイム視聴などを行いたい場合は、可能な限り高速なCPUを使用することが望ましい。また、消費電力的にもCore i以降の世代はアイドル時の消費電力が低くなるため、Core2Duo世代のマシンで環境を構築するより、近年のハイスペックPCで構築した方がランニングコストが安くなる。

■パッケージ比較

バージョン表記以外は大きく変わらない。店頭などで購入する際には(無いとは思われるが)売れ残りの旧バージョンなどには注意しよう。V3からV4.5には1,080円でライセンスが購入できるため、旧バージョンが安ければそれもアリ。

V4.5はパッケージの上にシールが貼り付けれられてV4.0の表記が隠されている。メディア自体は同一のようだ。(インストール時に4.x最新版へのアップデートが自動で行われる。V5以降へのアップデートは別途ライセンスを購入して再インストールが必要となる)

Ver5/6は新規インストールとなるが、Ver4.xのシリアルNo.から格安(1,080円)でアップグレードできるため、安価であればお買い得となる。