2015年度巻頭言 (第2回大会)

大会パンフレットより転載

外国語学部の新たな方向

常葉大学長 西頭 德三

近頃私は、外国語学部の今後に明るい兆しを感じている。その理由の一つとして、世界的規模の閉塞感の拡がりがあげられる。ちなみに、激烈な外交上の対立も、各国が抱える国内的な閉塞感の裏返しだと思う。その原因をさらに探ると、地球上のシステム全体が疲弊し、総じて現代の基準に合わなくなったことがあげられよう。

こんな状況から脱出するには、時間がかかるかも知れないが、教育の力―外国語学部のイニシアティブに頼るしかないと私は思う。つまり、閉塞感を打破するには、自らの社会を積極的に開き、他の社会と交流を深める以外にない。

ところが、それぞれの社会には固有の文化がある。そこに住む一人ひとりが自らの文化を客観的に把握して、相手が理解できるように、可能な限り相手の言葉で説明しなくてはならない。

往々にして、自らの文化をろくに説明せず、相手は理解してくれたと勝手に思い込む。うまくいかないと、その責任を相手に転嫁する。私自身、「対話」の難しさを実感してきた。

自らの文化を再定義し、語学をあくまでも意思伝達手段とする外国語教育が不可欠であると考える。その意味で、外国語学部のさらなる展開に期待したい。同時に、今回の多言語レシテーション大会の成功を祈る。

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第2回多言語レシテーション大会にあたって

外国語学部長 鈴木薫

グローバルコミュニケーション学科「多言語レシテーション大会」は、昨年第1回が行われました。今回、引き続き第2回大会が開催される運びとなったことは、誠に喜ばしい限りです。

2012年のカリキュラム改訂後のグローバルコミュニケーション学科では、以前からのスペイン語に加え、韓国語、中国語、ブラジル語(ポルトガル語)の4言語が履修できることになりました。今年度は全学年が新しいカリキュラムに切り替わった年です。

グローバルコミュニケーション学科は言語習得だけに特化した学科ではありませんが、グローバルな視野を持つために必要な基礎的な素養はやはり言語です。言語学習はコツコツと地道に時間をかけて学ぶことが不可欠であり、かなり困難を伴います。しかも、実際に使用しなければ、なかなか身につきません。「多言語レシテーション大会」は、学生諸君が、学んでいる言語を活用する場を提供するために、企画され、実施されるものです。大会に出場する学生には、日頃の学習の成果を余すところなく披露し、他の学生に良い刺激を与えることを期待しています。

参加学生諸君の健闘を祈ります。