注釈「※今回は珍しく本編のお話です※」
トム「……(ごろごろ)」
魔法陣「【突如として少し離れたところに魔法陣が浮かび上がり、王冠を被り、蠍の尾を持ったイナゴの群れが湧き出した】」
トム「ん? Abaddon? 何か頼んでたか?
【※abaddon.com:トムの組織専用の通販サイト】」
魔法陣「【イナゴの群れは魔法陣から、いつもの段ボール箱ではなく、電話の受話器を引きずり出した】」
トム「誰だ?
【受話器を手に取る】」
P様「『誰だ? 』では無いわーっ!! 」
トム「お…おう、誰かと思えばババァか……どうした? 」
P様「どうした? 』
でもない……お前、自分が組織から調査員として派遣された事を忘れているのではないであるか? 」
解説「度々ソロールで出て来ていますが、この人はプルメリアさん。
トムの所属する組織、SFBIジャージー州支部の支部長さんです。
トムの上司ですね。
割と忙しい人で、本来なら、組織末端のトムの事は部下にやらせるような身分なんですが、何かとトムの事を気にかけている様子です」
トム「いやいや、忘れてねーよ
(……そういやそんな名目でここへの切符を手にしたんだっけか? 一度こっちに来ちまえば、あとはどうとでもなるって思ってたから、すっかり忘れてたぜ)」
P様「……うそつけ……どうせ今の今までそんな事忘れて勝手気ままに振る舞っていたのであろ?
「うるさいのがいなくてここは天国だ」なんて言いながら……。
とりあえず、調査任務として行っている以上、報告書は上げろなのである。
世界の壁さえ超えればあとはどうとでもなるなんて考えていたのであろうが、Abaddonのアカウントを凍結してお前を困らせる事ぐらい簡単に出来るであるぞ? 」
トム「わかった……レポートだな? これからはこまめに送るようにすっから、機嫌直せ
(流石にAbaddon凍結されたら干上がっちまうぜ)」
P様「『機嫌直せ』……いや、お前もうちょっと言い方が……まぁ、言っても無駄であろうし、置いておいて……」
P様「うむ、特に報告するような事が無ければ、綺麗な花が咲いてましたでも、ご当地グルメでも、仲良くなった女の子の写真でも良いのであるぞ? 」
トム「……電話切るぞ? 」
P様「ま……まぁ待てなのである……報告書とか面倒臭いと思っているのであろうが、何か困った事があった時には助力してやらんでもないのであるぞ? 」
トム「生憎と只今絶好調でな……助けて欲しい事なんてねーな……ま、レポートは送るから早まった真似はすんじゃねーぞ? いいな?
【そう言って受話器を魔法陣に投げ込む】」
P様「やれやれ……余に対しては相変わらずであるな。
まぁ、今日のところは元気な声がきけただけ良しとしるであるかな?
ま、日々充実しているようで何よりである
【そう言って、自分のタブレットを操作すると『トムのアルバム』というフォルダにアリスの写真や、ろっこのお料理動画のサムネイルが表示される】
【プルメリアはそれを見て楽しそうに笑った】」
解説「トム本人は知りませんが、トムのタブレットにはオンライン自動バックアップ機能が付いていて、登録したユーザー(プルメリア)ならそれを閲覧する事が出来るようになっています」
SFBI本部とのやりとりですね。
注釈「※今回も本編のお話です※」
バスケのゴール「【トムの手から放たれたシュートが奇麗に弧を描いてゴールに吸い込まれる】」
トム「よし……だんだんサマになってきたな……」
魔方陣「【突如として少し離れたところに魔法陣が浮かび上がり、王冠を被り、蠍の尾を持ったイナゴの群れが湧き出した】」
トム「……あれ? 荷物ならさっき届いた筈だがよ……って事は……げっ!? 」
魔方陣「【イナゴの群れは魔法陣から、いつもの段ボール箱ではなく、電話の受話器を引きずり出した】
[※Abadon.com]地獄の王アバドンが運営する通販サイト。広大な地獄を倉庫に、黙示録のラッパが鳴るまで暇しているイナゴ達を輸送力として使い、毎日元気に運営中。
トムの住む世界から塔の中まで買った荷物が届きます」
P様「今……『げっ!? 』って言ったであるなっ!?
【受話器からけたたましい叫び声】」
トム「いや、いきなりだったから驚いただけだ……んで、話は何だよ? 」
P様「話は何だよではないのである……お前、前回レポート送れと言ったのに、一向に送ってこないであるな? 」
解説「、この人はプルメリアさん。
トムの所属する組織、SFBIジャージー州支部の支部長さんです。
トムの上司ですね。
割と忙しい人で、本来なら、組織末端のトムの事は部下にやらせるような身分なんですが、何かとトムの事を気にかけている様子です」
トム「あー……あったなぁ、そんな話……」
P様「『あったなぁ』では無いわーっ!!
この前の電話でも言ったであるが、お前はSFBIの調査任務としてそっちに行っているのであるからな?
特にお前に凄い期待をしているわけでは無いのであるが、レポートぐらい送って来ないと、お前を推した余にも立場というものがあるのであるぞ? 」
トム「(面倒だが、Abadon止められたり、生活費止められるのは厄介だからやるしかねぇか……)」
P様「ま、どうせお前の事であるから『面倒だー』とか思っているのであろ?
そこで、ご褒美を用意したのである」
トム「ご褒美? あって困るモンじゃねぇが、特に今の給料で生活には困ってねぇぞ? 」
P様「お前の手元にある封筒を開けてみよ」
トム「ん? これか?
【イナゴが引きずってきた封筒を開ける】」
カード「【封筒の中からは2枚のカードが出てくる】」
トム「……トレーディングカード? 」
P様「ま、そう見えるであろうな」
トム「一枚は……これ、プリシラか? 」
解説「プリシラ:
SFBI時代にトム君の教育係を務めていた女性です。
ギリシャ神話のプロメテウス神の能力を宿しています。」
トム「もう一枚は……誰だこれ? 」
P様「うむ、余である」
トム「……………………いや、美化しすぎじゃねえか? 」
P様「失礼な事を言うなーっ!! なのである!!
余だっていきなりこんなババァに生れとらんわ!! 余にだって若くて奇麗な頃はあったのである!!
肌だってつやっつやだったし、唇だってぷるっぷるだったわ!!
っていうか、今だって肌の出るドレス着られるぐらいにはお手入れしてるし、プロポーションも崩れてないし、歳の割にはめっちゃイケてるであろーがっ!!
お前、今は周りに若くてかわいい女の子ばっかりだからわかんないかもしれねーであるが、余、今でも美人の類であるからな? 電車とか乗るとレディーファーストで席譲られるし!! 」
トム「ちょっ!! わかったから!! 落ち着け!! 落ち着け……な?
(うわー……俺何かすげぇ地雷踏んだ? っていうか、電車で席譲られるのはレディーファーストじゃなくて、敬老精神だろそれ……)」
P様「はぁ…はぁ……話が横道に逸れたであるな?
そのカードは、今、試作中のものであるが、ようは描かれている本人の力を一時的に借り受ける事が可能になる。
まぁ、カードに魔法が封印されているわけではなく、力の源泉はあくまでお前本人のものであるから「出来る事が増える」といった感じであるかな? 」
トム「え? それ、結構凄くねぇか?
【2枚のカードをしげしげと眺める】」
P様「うむ、凄いであろ?
能力の片鱗を借り受けるだけではあるが、それでも大したものである」
トム「じゃあ、こういうしょっぱいのじゃなくて、もっといいカードくれよ。
いるだろ? 組織にはレッドドラゴンとか、ミノタウロスとか……」
P様「しょっぱいとか言うなーっ!! 」
P様「あのな……これ、今のところ組織のごく一部のメンバーで、1人につき1枚しか作ってないのであるぞ?
お前の言うような花形連中のカードがあったとして、お前みたいなぺーぺーのエージェントに預けるわけが無いであろ?
プリシラや余のカードだって、本来ならお前が手に出来るような安い代物では無いのであるぞ? すげーラッキーであるぞ?
あと、お前のところでDEARとFROMというシステムがあるであろ?
あんな感じで、面識の無い者がカードを使っても、減衰して威力が落ちるから、たとえ手に出来たところでお前には使いこなせんのであるぞ? 」
トム「なるほど、ま、猫の手も借りたいところだ。
ありがたく貰っておくぜ? 」
P様「……なんかやっぱり引っかかるであるが、余は大人であるからそこんところはスルーするのである。
じゃ、頑張るのであるぞ? 」
トム「やれやれ……とりあえず、無いよりはマシだろうし使ってみるか」
……カードが描きあがらないおかげで10月現在死に設定となっております……。
解説「今回は過去編ではなく現在。
ネムさんが武器を新調したのを見た後のお話です」
トム「……
【アバドンのバッタを召喚し、魔方陣から出てきたコードをタブレットに繋ぐ】
コレクトコール……と」
P様「ん? こっちからせっつかなくても連絡してくるとは、珍しい事もあるであるな?
何か困った事でもあったであるか? それとも素敵な恋のエピソードといっしょにダイヤルをしたであるか? 恋する子猫ちゃんであるか? 「なぜ人を好きになるとすげぇ苦しいの? 」とか言っちゃうであるか? 」
トム「おいババァ……改造手術で右脳の代わりにM&Msのミルクチョコレートでも埋めて貰ったか?
それともいよいよボケが始まったか?
俺がそんな相談するわけ無いだろうがよ……
あのよ、最近敵も強くなってきて、周りの奴も武器を新調したりしてんだよ」
P様「うむ、つまり周りの探索者の持っている玩具が羨ましくて新しい玩具が欲しいであるな? 」
トム「は? 何だその察しの良さ……
何か支部の倉庫に眠ってるアーティファクトとか無ぇか?
俺にも使えそうなやつ」
P様「……まぁ、メッセージ数の節約とか色々あるのである……
組織が管理下に置いてるアーティファクトの貸出なんて出来るわけ無いであろ?
お前がそっちで紛失したり、暴走させたら余の首が飛ぶのであるぞ?
大体お前「俺は自分の力でのし上がる」みたいな威勢の良い事言って出て行った筈であるな?
それが「やっぱりママ助けて!! 」とか、ちょっと恥ずかしいであるぞ?
大体お前……こないだカードを与えたであろ?
まずはそれを使いこなす事から始めよ……」
トム「う……べ……別に困ってねぇよ!
何かいいモンがあったらちょっと使ってやってもいいかなって思っただけだ!!
【通話ソフトをオフにする】
……そんな上手くいくわけねぇか……」
ネムさんがサイバーでカッコいい武器を装備し始めたので、何か自分もほしいなーって思ったみたいですが、当然のように断られてしまいました。