・平城京、平安京の建設、寺社仏閣の建築などで、800年代までに畿内(用語2-4)の森林の相当部分が失われている。
・源頼朝から徳川吉宗の時代までに、日本の人口は約4.5倍に増えている。
参考 時代別の推定人口
・1700年(徳川吉宗が紀州藩で改革をする)頃までには、本州、四国、九州、北海道南部の森林のうち、当時の技術で伐採できるものの大半は消失したといわれている。
●1655年(明暦元年)岡山周辺の禿山に、藩の費用で植林や山腹工事を実施した事例
・元赤坂、津高、御野の三郡(現赤磐市・岡山市)中、山林が荒廃し土砂の流出が最も甚だしい箇所に、「山巻」と称して山腹に筋目をつけて芝草をうえ、渓間には石堰堤を設けて専ら土砂の流失を防止している。
・赤磐郡史によれば、「三郡普請」とは、旧藩時代に赤坂、磐梨、上道の三郡(現在の赤磐市南部と岡山市北東部)に亘って行われた砂川流域の砂防工事(用語3-3)のことで、赤坂、磐梨では、禿山に山巻を行ない、上道では主に川掘りを行ったもので、今なお山麓に頑丈な巻石が残っているところがあると記載されている。
・赤磐郡鳥取上村大字町苅田(現赤磐市町苅田)の石相山の山巻が当時の模範的な砂防工事であるといわれてきましたが、現在は確認が困難となっている。
・砂川と血吸川の場合、山地を離れると、そこは平坦地(昔の海で「吉備の穴海(詳細2-2)」:時間をかけて陸地化し、汐の影響や干拓で平坦地になり易い。)になるので、この時期の土砂の流出量が多ければ(ただし、住民がコントロールできる範囲で。)、必然的に天井川として管理(流出して河道を狭めた堆積土砂を、築堤の嵩上げに使用することで、川沿いの田を堤防敷にする。)せざるを得ない。
・槇谷川の下流は、高梁川本流なので、そこで堆積するか下流に流れることになるが、これが明治26年10月の災害に影響を与えた可能性がある。
※明治26年の災害は、岡山県の河川の災害としては史上最大の被害が出ている。(死者415人、負傷者910人)
主な人的被害の内訳は、下道郡(高梁川西岸)で死者178人、負傷者313人で、人口が多い岡山市の死者41人、負傷者249人を圧倒している。
下道郡の死者の内訳をみると、槇谷川の合流点より上流の下倉村で5人に対して、下流の上から秦村(福谷、秦)37人、神在村(上原、宮原、八代、下原)67人、川辺村58人、岡田村5人、穂井田村3人と続く。(参考:次に多いのは、高梁川流域では東成羽村の15人。)
・明治26年の災害を受けて、槇谷川・日羽川流域の森林荒廃地は今まで(明治16年以降)は、地方税による砂防工事を行っていたのを、明治30年に公布された「砂防法」に基づき、翌年度から砂防事業に国庫補助金が充当できるようになった。
・ これは、「砂防法(用語4-5)」の趣旨である「治水上砂防(用語3-4)」に相当すると思われ、採択されたものである。その結果、この流域は県下で最大面積の砂防指定地となっている。 (資料-2)。 → この事業に合わせて、槇谷川合流点から下流の高梁川の大規模な河川改修事業が始まる。
・砂川、血吸川については、「治水上砂防」に当てはまらないとして、引き続き地方税による砂防工事を行っている。(この流域には砂防指定地はない。) ただ、森林の荒廃は軽減できるものの、天井川の対策はできず、これについては昭和7年からの「山地から離れた渓流河川の一部」に「砂防法」を適用した、時局匡救事業(事例4-4)として砂防工事を行うようになるまで待たなければならなかった。 → 現在の砂川砂防公園の砂防設備の整備は昭和8年である。
●1883年(明治16年)に、岡山県で最も緊急な個所から砂防工事(山腹工事)を実施した事例
①砂防工事を急ぐ箇所として、総社市久代・見延、高梁市巨瀬町、岡山市北区建部町田地子等を選定している。
②1883年(明治16年)に地方税(県費)を支出して、石堰堤、谷留石巻工を施工し、これ以降も、山腹工(用語3-5)などを毎年50~173町歩(約50~173ヘクタール)施工している。予算的には、5~7万円(当時の金額)で実施している。
●1898年(明治31年)の砂防法(用語4-5)に基づく砂防指定地の面積
砂防指定地(面指定):明治31年から大正12年まで(地図4-1)
●岡山県で最初に砂防指定地に指定された官報告示(明治31年8月8日内務省告示第74号)
明治31年8月8日内務省告示第74号
●昭和7年度から3年間実施された時局農村匡救事業
●昭和10年度から13年度に実施した渓流砂防工事(用語4-7)箇所
●戦前(昭和14年度頃~昭和20年度頃)に堰堤高さが高い堰堤工を実施した工事箇所(「 」は施行が不明瞭)
●昭和20年度から23年度の土堰堤実施箇所
項 目
土堰堤
三和(たたき)土堰堤
実 施 箇 所
奥山川(和気町大中山)、小鎌川(赤磐市小鎌)、早風呂川(赤磐市仁掘東)、付合川(赤磐市沢原)、蒲川(赤磐市稗田)、落合川(赤磐市由津里)、小房川(美作市小房)、西ノ谷川(赤磐市黒本)、本谷川(高梁市川面町桐山)、西川(瀬戸内市邑久町虫明)、可真川(赤磐市可真上)
東谷川(美作市東谷上)、長谷川(美作市東谷上)
※三和土:土に石灰と灰を混ぜて叩き固めたもの。本来は叩き仕上げた土間を意味する。
●砂防環境整備事業 実施箇所
●小水力発電の概要
①梶並発電所
吉井川支川梶並川に設置された梶並川砂防堰堤で取水された水の落差を利用して水力発電を実施。発電した電力は電力会社を通じて市内へ供給。
梶並発電所
②阿波発電所
吉井川支川加茂川に設置された阿波川砂防堰堤で取水された水を約1kmの導水路を通すことで落差を確保し、それを利用して水力発電を実施。発電した電力は電力会社を通じて市内へ供給。
阿波発電所
※地名は旧市町村名で表記している。
●岡山県内にあった、災害に関連したものと思われる「伝承話」と「地名」の概要
1.川流れ(県の北部地方では洪水で流されことをいう)の民話
・枯骨報恩
・人間亡恩
・はやり神ー戸島の地蔵さん(新庄村)
・新本の地蔵尊(総社市新本)
・長い長い名まえ
2.民間信仰
・塞(サイ)の神〈道祖神〉(西粟倉村)
・六体地蔵(勝田町)
・水の神(川上村)
・腰折れ地蔵(哲西町)
・白髭の大蛇(岡山市今村)
3.淵(不気味で魔物〈ぬし〉が棲むと信じられていた)の話
・吉井川水系 11件
・旭川水系 6件
・高梁川水系 6件
4.弘法大師と水
・古井〈こい〉(里庄町)
・株池(落合町上山)
・弘法池(久世町田下)
・土川(川上町)
・白谷(成羽町)
・水無川(奈義町荒内西)
5.人柱(困難な土木工事の際、生きた人間を埋めて工事の安全を祈願する。人身御供とも言う。)の伝説
・ぜんしやう坊の碑(和気町)
・人柱地蔵(大佐町)
・お福大明神(津山市一方)
・干拓にまつわる人柱(3件)
6.石・岩の伝説
・八人岩(神郷町)
・鬼の手がた岩(金光町)
・龍が天から落とした子宝岩(大佐町)
・巨岩の行方(加茂町)
・鬼の力岩(加茂町)
・血を出す岩(久米町油木上)
・衣岩(成羽町吹屋中野)
・蛇骨岩(中央町新城)
7.気象に関することわざ・いいつたえ
・蛍があまだ(囲炉裏の上に吊っている棚の事ー乾燥に使用)に上がれば大水が出る
・水まさ(水分の多い雲を水まさ雲といった)がでたら雨が降る など
8.文学作品にみる災害
・明治25年の大水害に遭遇した夏目漱石が正岡子規に出した手紙の内容
9.哲西町の蛇形祭
・大蛇(土砂災害)の霊を鎮める為に祭るのが、この祭りの起こりと考えるのが一番自然。
10.黙して語らず(土砂崩れ)
・高梁市中井町で起こった山崩れについて
11.美袋の五位田河原(総社市)
・今は中州になっている土地の歴史
12.災害伝承(加茂町)
13.吉井川の氾濫と「福岡の市」
14.おもんさんの心意気(美作町)
15.大洪水を機会に藩政を確立 岡山藩主:池田光政
16.鉄穴(カンナ)流しにまつわる伝説
●災害(主に土砂流出)が係わる地名の調査概要
先人の貴重な知恵や教訓として残されている「地名」を、教育委員会や郷土研究会などの文献をもとに土木部防災砂防課(当時は砂防課)で編集した「川と災害・人と民話-地名と自然災害-」より抜粋した。
1.自然災害(何らかの異常な自然現象によって引き起こされる災害)が起因している地名
・がり沢(川上村) ・・・ 崩れのひどい谷のこと。
・大ボレ(中央町打穴西) ・・・ 洪水等で地に穴を穿ったことをホレルと云う。
・杭坂(川上村) ・・・ 崩坂のこと。
・保木(瀬戸町万富) ・・・ 従来の説では保木向山の下を吉井川が流れて崖になっていたということであるが、付近に山城があるから補城とも考
えられる。
・ホキノキ平(中央町打穴西) ・・・ 山腹の険しい所、崖のことをホキ(歩危)という。ホキが転じてホケともなる。
・砂免(瀬戸町東江尻) ・・・ 砂川の氾濫による砂を一箇所へ寄せて免田(公事、雑事を免除された田。砂が原因で税金が免除された土地。)
にしたものであろう。
・流畠(旧上籾村) ・・・ 大雨の時よく流れる畑
・流れ田(中央町打穴里) ・・・ 昔大洪水が出て田畑を流失した事実があるらしい
・大仁五(矢掛町江良) ・・・ 川が氾濫して大量の濁り水がたまる田→おおにごりだ→おおにご
・新賀(笠岡市) ・・・ 一帯は大昔、近くの阿部山から流れ出る尾坂川に沿った荒地だった。何回となく大水であふれ、山は崩れて川原となっ
た。それを開墾して新開地となり「新開」がなまった。
・蟆田〈ヒキダ〉(矢掛町江良) ・・・ 小田川の支流江良川が地区内を流れ、昔はよく氾濫して大きな被害を出した。カエルはこうした大雨に敏感
で、大水の出そうなとき時は江良川の上流のこの付近の水田に集まり、特にヒキガエルが多かった。それを
見て地区の人は氾濫の前に避難したと云う。この現象が地名となって残ったらしい。
・赤反〈アカハネ〉(中央町打穴西) ・・・ アカハゲの転訛で山の地すべりなどのため地肌が赤く露出しておる所があったのであろう。
・アカハネ山〈赤禿山の意味〉(中央町打穴上) ・・・ 赤禿山のこと。俗に砂防工事を施行するような不毛な山地をこう呼ぶ。明治以来治山治水
施設として土砂扞止工事が行われて今は全く見えない様になった。
・ズリバ(中央町打穴里) ・・・ 「ズリ」とは滑り落ちる意味で、山の表土が滑り落ちている場所から生じた地名。
・大崩〈オオツエ〉(中央町打穴北) ・・・ ツエはツイエルで潰である。大きな山潰れがあった所でそれが地名となったのであろう。
・ツブレ(岡山市甲浦) ・・・ 島が崩壊した跡らしい。
・鬼山(新見市唐松) ・・・ 地盤が弱地帯で不気味な山鳴りがよく聞かれ地元の人は鬼がいると思って地名にした。大正2年3月7日突然
山が崩 れ、ふもとの民家13棟が押しつぶされ、田畑、山林など20haが埋没流失、断層などの大被害が出た。
2.自然災害が起因して付けられたと思える地名
岡山県南の旧後月・小田・吉備・御野・赤磐・和気郡以南の地名(主に字)を調べた。以下同様。
・「崩」が付いた地名及びそれに関連した地名:28箇所
ツエル ・・・ 崩れるの岡山の方言
杖、都恵 ・・・ ツエの転訛
崩ノ元(岡山市・藤井、宿) 大崩(岡山市草加部、熊山町弥上、笠岡市東大戸)
崩(倉敷市稗田、熊山町稗田、吉井町黒沢) 崩抜(笠岡市尾坂)
崩谷(総社市黒尾) 崩口(熊山町千躰)
崩岩(御津町中泉) 赤崩(牛窓町鹿忍)
崩田(倉敷市・木見、林) 杖ノ元(瀬戸町宿奥)
杖元(瀬戸町宿奥) 杖谷(佐伯町塩田、佐伯町苦木、和気町日笠下)
都恵谷(吉永町神根本) ツブレ(岡山市甲浦)
ツエヌケ(井原市野上、吉永町八塔寺) 大ツエノロ(美星町黒忠)
小ヅエ(笠岡市新賀) ツエ(佐伯町父井原)
大づえ(赤坂町惣分)
・「滑」及びそれに似た文字が付いた地名:21箇所
ズル ・・・ スベルの岡山の方言
退 ・・・ ヅリ、ヅエ、ジャレ、ツエの読み方がある
辷 ・・・ すべるの同義語
摺 ・・・ する、すべるの同義語もしくは転訛では
コロビ ・・・ 滑ると同じ現象
滑(岡山市田益、牛窓町鹿忍、邑久町上山田、吉井町暮田) 滑ラ(吉井町仁堀西)
滑谷(矢掛町横谷) 大退り(赤坂町惣分)
大退(熊山町可真上) 大退レ(和気町大中山)
退所(佐伯町加三方) 退ヶ鼻(佐伯町北山方)
辷石(岡山市大安寺野田、邑久町山手) 辷り石(倉敷市吹上)
摺谷(岡山市真星) 摺口(吉永町福満)
大スリ(御津町芳谷) ズリガ谷(矢掛町南山田)
大ヅリ(邑久町虫明) スヘリ石(矢掛町南山田)
コロビ石(倉敷市柳田)
・「落石・落岩」が付いた地名:17箇所
落石(和気町吉田、和気町衣笠、和気町日笠上、吉永町吉永中、井原市高屋、御津町紙工、矢掛町本掘、矢掛町横谷、総社市三輪、
備前市麻宇那、赤坂町惣分)
落石上(御津町中泉)
落(邑久町下日加)
落岩(御津町矢知、備前市麻宇那、吉井町津野、熊山町円光寺)
・「流田」が付いた地名:43箇所
流田 ・・・自然災害等で流れる田
岡山市・牟佐、宿、門田、藤原、乙多見、金岡、宍甘、谷尻、佐山、上足守、大井、日近、福崎
井原市青野 美星町・大倉、東水砂、明治、黒忠
矢掛町・下高末、里山田 総社市上原
邑久町向山 長船町・西須恵、服部
佐伯町・矢田部、小坂、土田 吉永町・神根本、今崎、加賀美、都留岐
和気町本 赤坂町山手
熊山町沢原 山陽町・五日市、津崎
瀬戸町笹岡 吉井町・黒沢、塩木、中勢実、平山、小鎌、暮田
3.自然災害の発生の有無は不明だが、危険な場所を意味していると思われる地名
・荒れたり、濁ったりしていることから付けられた地名:9箇所
川ニゴ(総社市久代) 水がにご(総社市宇山) 大仁五(矢掛町江良) ニゴ(総社市山田、美星町明治)
仁古(総社市新本) 仁五(鴨方町深田) 仁故(鴨方町小坂西) 仁後(鴨方町地頭上)
・土砂の移動の著しいことから付けられた地名:16箇所
砂走(岡山市南方、倉敷市・赤崎、羽島、清音村三因、真備町市場、美星町鳥頭)
砂割・砂割陸・砂割山根(倉敷市福田町神田) 砂引(総社市黒尾)砂荒(倉敷市藤戸)
埋り(岡山市米田、御津町国ヶ原) 埋レ(岡山市高屋)
埋(岡山市長岡) 東埋(岡山市土田)
・音がする(土砂災害)ことから付けられた地名:52箇所
鳴坂(赤坂町山手) 石動鳴(総社市新本)
鳴石(玉野市田井、美星町明治) 大鳴(総社市種井)
大成ル(岡山市苔山、長船町磯上、吉永町都留岐、 大ナル(笠岡市新賀)
吉井町仁堀中、佐伯町・小坂、父井原) 轟(倉敷市田ノ口、総社市下倉、吉井町・塩木、仁堀西、矢掛町江良)
轟木(矢掛町西川面) ガラガラ(総社市総社、御津町紙工、山陽町西中)
ガラ々々(御津町草生) ガタガタ(倉敷市唐琴)
ガガラ(総社市見延、吉永町神根本) 磊(瀬戸町鍛冶屋)
ゴロゴロ淵辺(御津町中泉) ゴゴラ谷(吉永町南方)
稲妻(赤坂町惣分) 鳴谷(岡山市長野、倉敷市・由加、尾原、水江、玉島服部、玉野市渋川
総社市・総社、刑部、八代、奥坂、久代、芳井町)
鳴ノ谷(美星町明治) 成谷(倉敷市・木見、浦田、岡山市芳賀)
・過去に崩壊があったと予想される地名:9箇所
石夫谷(瀬戸町大井) 流谷(岡山市長野) 梅谷(矢掛町内田、御津町芳谷) 梅ノ谷(倉敷市小川)
切谷(笠岡市吉田、牛窓町鹿忍) 千切谷(岡山市津島)、割石谷(船穂町船穂)
・渓流等で常時水がない(出水の際、土砂が流出する危険な川)ので付けられた地名:5箇所
水無谷(佐伯町塩田) 唐谷(吉永町多麻) 大唐谷(熊山町稗田) 唐川(美星町星田)
・過去に自然災害等が発生した際形状が変化したため付けられたと思える地名:23箇所
荒田(岡山市・津島、牟佐、田中、高野、倉敷市下ノ町、美星町・大倉、星田、熊山町勢力、吉井町・中勢実、合田)
アラ田(総社市宇山) 割田(吉井町稲蒔) ガラ地(御津町高津) 荒畑(岡山市辰巳)
荒畠(岡山市上足守) ニゴ田(矢掛町南山田) 埋田(岡山市金岡) 埋地(岡山市・宍甘、沼、瀬戸町江尻)
埋川(岡山市・玉明、神崎)
・保木:29箇所
歩危(崖の意味)又は補城の解釈があり、土砂災害には直接関係ないかもしれないが、急傾斜地で危険な場所を意味する。
岡山市吉井 総社市・見延、種井 御津町・中牧、野々口、紙工、高津、芳谷、虎倉、川高、中泉
備前市三石 赤坂町惣分 瀬戸町・大内、弓削、万富
吉井町・河原屋、矢島田、黒沢、福田 熊山町・勢力、千躰
和気町・田原下、福富 佐伯町・矢田、塩田、津瀬
吉永町高田 美星町西水砂
4.直接災害に結び付かないが、岡山県特有の風化花崗岩(真砂)・天井川に関係がある砂・砂利などが付いた地名
・砂田(砂田が付く地名を含む)、砂畑 ・・・ 101箇所
岡山市・御野、洲崎、久米など25箇所 倉敷市・唐琴、羽島、西田など7箇所 玉野市・大崎、迫間
総社市・上原、三須、見延など10箇所 井原市・神代、青野、木之子(砂畑) 備前市坂根
灘崎町・川張、彦崎 邑久町虫明 長船町・長船、長船(砂新田)
真備町尾崎(砂畑) 矢掛町・内田、南山田 美星町・三山、明治、宇戸、黒田(昆砂田)
佐伯町・宇生、小坂、土田など6箇所 吉永町・岩崎、今崎、都留岐など7箇所 和気町・吉田、藤野、大田原など7箇所
赤坂町・東軽部、小原 熊山町・殿谷、稗田 山陽町・河本、下市、尾谷
瀬戸町・下、沖、塩納 吉井町・周匝、仁堀西、黒本など8箇所 御津町・河内、高津、中泉
・砂場(砂場が付く地名を含む) ・・・ 54箇所
岡山市・新地、射越、神崎など22箇所 倉敷市・木見、粒江、中庄など6箇所 玉野市下山坂
清音村古池(中砂場) 総社市八代 井原市神代
笠岡市富岡 矢掛町本掘 金光町八重
邑久町・山手、箕輪(大砂場) 備前市・鶴海、香登本、伊里中 佐伯町田土
吉永福満 和気町・田原上、田原下、本 熊山町・小瀬木、野間
山陽町岩田 瀬戸町大内 吉井町・福田、稲蒔
御津町・宇垣、河内、紙工
・砂原(砂原が付く地名を含む) ・・・ 10箇所
岡山市・福田、豊成、新保 灘崎町宗津 倉敷市・山地(上砂原)、上東 山陽町下市
井原市江原 矢掛町小田 芳井町吉井(佐原→砂原)
・砂地 ・・・3箇所
倉敷市上ノ上 邑久町・山田庄、福元
・砂山(砂山が付く地名を含む) ・・・ 16箇所
岡山市・邑久郷、邑久郷(大砂山、東砂山)、東川原、西川原、射越、才崎
倉敷市連島 笠岡市西大島(谷砂山) 船穂町船穂(三砂山) 邑久町・福山、福山(平砂山)
和気町衣笠 熊山町・釣井、松木(大砂山) 瀬戸町沖(砂山下)
・砂崎、砂ヶ鼻、じゃりが鼻等 ・・・ 9箇所
岡山市・小山、福崎、津島、八坂 倉敷市塩生(砂ノハナ) 赤坂町小原(じゃりが鼻) 里庄町六条院西
備前市・鶴見(砂ヶ鼻)、浦伊部(砂ヶ鼻)
・砂川(砂川が付く地名を含む) ・・・ 15箇所
岡山市・南古都(古砂川)、楢原(古砂川)、政津(砂川添田) 瀬戸内市瀬戸(砂川辺り)
河川名・・・砂 川:赤磐郡、岡山市一宮、総社市黒尾、岡山市国富、倉敷市広江、笠岡市茂平
南砂川:岡山市芳賀
産砂川:熊山町可真上
堂砂谷川:総社市中尾
東砂古谷川:総社市下倉
砂走川:倉敷市児島菰池
・砂谷(砂谷が付く地名を含む) ・・・ 4箇所
総社市・小寺(砂吹谷)、穴栗(木砂谷) 吉永町都留岐(昆砂ヶ谷) 吉井町暮田(砂利ヶ谷)
・砂留、砂池(砂留、砂池が付く地名を含む) ・・・17箇所
倉敷市通生、通生(大砂留、山田砂留下) 玉野市胸上 総社市久代(東砂留奥、西砂留奥)
備前市・浦伊部、佐山(宝蔵砂留)、鶴海(砂留内、砂留上道、砂池尻)
邑久町虫明(砂池) 佐伯町加三方(砂留ノ内) 赤坂町・東軽部(砂池)、小原
瀬戸町大井 真備町岡田(小池砂)
・その他で砂が付く地名 ・・・ 151箇所
岡山市・芳賀(南砂)、高野(砂尾)、原古才(砂相)など11箇所
倉敷市・加須山(砂入)、生坂(砂味)、二子(大砂、西砂)など18箇所
玉野市・滝(高砂)、長尾(白砂)
総社市・小寺(庚砂、長砂)、八代(宮砂古、奥砂、砂古)など53箇所
井原市・大江(古砂、古砂辻)、神代(真砂)
笠岡市・大河(西ノ砂、井ノ砂、大佐ノ砂)、神島外浦(小砂、正砂、登砂)など9箇所
備前市九々井(大砂)
早島町矢尾(北砂、赤砂、深砂)
船穂町・船穂(王子砂、抜ヶ砂、真弓砂)、水江(小砂)、柳井原(大砂、小砂、打田砂)
矢掛町・下高末(真砂)、小田(真砂)
美星町・明治(黒砂)、鳥頭(赤砂)
真備町・上二万(千切砂、宮砂)、尾崎(上砂)、箭田(矢砂)、市場(美濃砂、南砂、狩砂)
邑久町・山手(高砂)、虫明(破砂)、箕輪(高砂、中砂、奥砂)
長船町・磯上(生砂池上、生砂池下)、土師(中砂)、福岡(砂屋敷西)
佐伯町・父井原(砂入)、田賀(砂ノ内)、奥塩田(中砂井手)
吉永町・福満(砂開)、今崎(砂子)
和気町・益原(荒砂、八砂子)、本(鉄砂台)
熊山町・弥上(砂子)、可真上(産砂)、沢原(石砂)
赤坂町・大屋(高砂)、惣分(じゃり)
吉井町・福田(石砂)、石(中砂)、黒本(砂堀)、仁堀中(堀砂)
山陽町・岩田(砂入)、沼田(砂之間)
瀬戸町瀬戸(砂堀、砂免、小砂殿)
御津町中牧(深砂、黒砂)
5.たたらによる製鉄に関連した地名
・文献からわかった地名:16箇所
妹尾崎(いもうざき)(瀬戸町東江尻)、金具曾(瀬戸町宿奥)、金井(かなあ)(瀬戸町・鍛冶屋、江尻)、くんちが原(瀬戸町塩井)、
多田(たたら)原、など
・上記を参考にして調べた岡山県南の同様な地名:16箇所
金クソ(岡山市中尾)、金掘(倉敷市玉島黒崎)、タタラ谷(灘崎町彦崎)、鋳物師(清音村三因)、鋳場師(清音村三因)、
堂砂(総社市中尾)、鉄塊(笠岡市)東大戸)、鍛冶屋(瀬戸町・大内、鍛冶屋)、鉄砂台(和気町本)、黒砂(美星町明治)、
金堀(吉井町・是里、仁堀西)、たたら(御津町紙工)、金洗場(御津町紙工)、金久曽(御津町石上)
県南地域で、製鉄遺跡の所在地と地名が一致するものは3市町11箇所ある。特に瀬戸町(9箇所)は良く合致しているので、その状況を表 に示す。
瀬戸町における製鉄遺跡と関連地名
・遺跡後とは必ずしも合致していないが、たたら製鉄に関連した地名
宇戸(谷)(美星町宇戸谷) ・・・ 鉄の集落の意味
槇ヶ峠(総社市中尾、美星町宇戸谷) ・・・ たたら燃料の槇の産地を意味する
金子(総社市新本) ・・・ 鉄穴労務者のこと
樋口、樋尻、井手、土手 ・・・ 鉄穴流しの水筋じは樋、井手、土手などのことばが残って地名となっている。
樋は水路のことで、口は鉄穴流しのとりがかりのことである。井は水、手は筋であり、土手は、水を脇にそら
さないように築いた盛土のことである。
鍋屋、鍋谷、研谷、吹屋 ・・・ 鉄の加工に関連して出来た地名 など
※専門家の調査ではありませんが、より詳しい内容に関心がある方は防災砂防課までご連絡ください。
●土砂災害警戒区域等の指定
土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成十二年五月八日法律第五十七号)に基づき土砂災害警戒区域等の指定を推進しています。現在の土砂災害警戒区域等の指定箇所数は防災砂防課ホームページを参照して下さい。