私たち消資者・市民・農民などの団体・個人は、照射食品拡大へ向けた推進の動きに対し、反対しています。原子力技術である放射線照を、人類の食べ物に使ってよいのでしょうか。食べ物の質の低下、食品の安全性のほか、照射量を検知する妓術が確立されていないこと、コストのかかる放射線照射よりも他の食品保持技術がすでにあること、照射施設がもたらす放射能汚染・被曝の危険性などから、消費者にメリットはなく、メリットがあるのは原子力産業界と一部の流通業者、輸出入に関わる企業だけです。私たちは、「照射食品反対連絡会」を結成し、取り組みを進めています。

・照射食品反対連絡会ニュースNo.19 20241月(不定期刊)<pdf>

①食品への放射線照射、これからも監視を続けよう! 詳細>>>

・照射食品反対連絡会ニュースNo.18 2023年12月(不定期刊)<pdf>

【照射食品全廃! 全国集会】 国内アピール、海外向けアピールを採択 世界中の 食品への放射線照射に終止符を! 詳細>>>

照射食品反対連絡会、世界中の食品照射・全廃へ向け、全国集会

日本の照射ジャガイモを止めた活動50年を振り返り、これからの運動を提起 

・集会アピール<pdf>、海外向けプレスリリース<pdf>を発信

10月31日に全国集会で“勝利宣言”  

消費者、市民、農業団体等でつくる「照射食品反対連絡会」は、国内で唯一、製造販売をしてきた士幌町(しほろちょう)農協(北海道)が2022年には「照射ジャガイモ」(発芽防止、「芽どめじゃが」として販売)の製造・出荷を終止し、食品照射施設を取り壊していることを確認したことから、2023年9月11日に反対運動50年を振り返る「照射食品講演会」を開き、10月31日には、東京・衆議院議員会館で、約60の消費者団体と個人参加者の総意で、「照射食品全廃!全国集会」を開き、「集会アピール」を採択、50年にわたる照射食品反対運動の“勝利宣言”をしました。

集会名は、「食品への放射線照射に終止符を! 日本の照射ジャガイモを止めた活動50年とこれからの課題」。国内から照射食品はなくなりましたが、いまだに食品照射を進めようとする言動があり、これを監視し続ける消費者運動が必要です。「集会アピール」では、そうしたこれからの課題にも注意喚起を促すものです。

集会アピールは、食品照射ネットワーク(http://www.sih.jp/news/s_menu.htm)及び当ホームページに掲載

海外向けには英文で、「食品照射を全廃!」しようと呼びかけるプレスリリースとアピールを出しました。これまでも、日本に向けて照射された食品が輸入食品として入ってきているからです。世界全体での廃絶を呼びかけるため、これらの英文プレスリリースとアピールは、日本消費者連盟の海外向け英文情報紙(インターネット)Consumers Union of Japan ― Japan Resources に掲載して世界の人々に向けて発信しました。

英文のプレスリリース(http://www.sih.jp/news/s_menu.htm)とアピール(https://www.nishoren.org/en/wp-content/uploads/JR-191.pdf)及び当ホームページに掲載

「照射ジャガイモに終止符!」をめぐる二つの集会ご案内  <pdf>

10月31日(火)に全国集会!<案内チラシ>

【照射食品反対 院内集会】「食品への放射線照射に終止符を!―日本の照射ジャガイモを止めた活動50年とこれからの課題」

日時  2023年10月31日(火)午後1時30分~4時30分 詳細・申込先>>>

・9月11日(月)に講演会!

【照射食品講演会】「誰も放射線を照射したジャガイモを 食べたくない!―反対運動50年とこれから」

日時  2023 年 9 月11 日(月)午前10 時3 0 分~12 時 詳細申込先>>>

・照射食品反対連絡会ニュースNo.17 2023年8月(不定期刊)<pdf>

①放射線照射ジャガイモに終止符!!北海道 士幌町農協 食品照射施設を解体中 詳細>>>

・照射食品反対連絡会ニュースNo.16 20234月(不定期刊)<pdf>

今年はまだ店頭で照射ジャガイモが見あたりません 監視活動 ツイッターで 580 万回超える炎上 詳細>>>

気を付けよう! 海外での放射線食品照射   企業の自主点検で照射スパイス使用の菓子を自主回収  詳細>>>

・照射食品反対連絡会ニュースNo.15 2022年11月(不定期刊)<pdf>

照射食品の現況 は? コロナで話合い持てず 厚労省からのメールによる回答  詳細>>>

・ブックレット『放射線照射ジャガイモ 禁止』 ちらし>>>

・照射食品反対連絡会ニュースNo.14 2022年7月(不定期刊)<pdf>

①中国産黒にんにく放射線照射みつかる 詳細>>>

②今年も放射線照射「芽どめじゃが」 安全性問題等を指摘し販売中止を要望  詳細>>>

・照射食品反対連絡会ニュースNo.13 2022年3月(不定期刊)<pdf>

①厚労省との意見交換会 コロナを理由に開催が延期されたまま3年目に・・・ 詳細>>>

②西友本社から回答なし 契約農園の生産物に照射ジャガイモ 詳細>>>

・照射食品反対連絡会ニュースNo.12 20219月(不定期刊)<pdf>

放射線照射「芽どめじゃが」販売中止を! 詳細>>>

②今照射食品反対連絡会が出している販売自粛を求める要請と質問状 詳細>>>

・照射食品反対連絡会ニュースNo.11 20206月(不定期刊)<pdf>

生レバー刺しは放射線照射で菌が生き残る 詳細>>>

今年も照射ジャガイモ監視活動で通報あり!目立つ照射後3か月未満の販売 詳細>>>

③「『有機JAS』における放射線照射技術の禁止についての要望」を出しました 詳細>>>

照射ジャガイモから放射線が出ている!?全国で流通・販売を監視しよう!

日本では食品衛生法で、食品に放射線(ガンマ線など)を照射して殺菌などをする「照射食品」の流通・販売を禁止しています。しかし、唯一の例外として、北海道の士幌町農協でジャガイモの芽止めのための照射が許可されています。その照射ジャガイモは春先の端境期である2月~5月頃に出荷されていますが、その流通実態は明らかになっていません。

消費者団体や生協などで組織する「照射食品反対連絡会」は毎年、各地の消費者団体などの協力をいただき、照射ジャガイモの流通・販売の監視をおこない、販売されていた場合には、業者に改善の要請を行ってきました。

最近、食品に放射線を照射すると、その食品から放射線が出る危険性があることが明らかになりました。これを「誘導放射能」と言います。照射ジャガイモからも誘導放射能が出ている可能性があります。しかも、昨年、東京都内の店舗で見つかった照射ジャガイモは、照射された直後のものが出回っており、さらに危険性が高いものでした。このジャガイモを食べた消費者は内部被曝をしている可能性があります。

「照射食品反対連絡会」は厚生労働省に対し、早急に誘導放射能の有無を調査するとともに、これが確認されるまで、士幌町農協の「照射ジャガイモ」の出荷を停止するよう申し入れています。

ぜひ、全国各地でも例年以上に照射ジャガイモの流通を監視してください。照射ジャガイモの包装にはシールが付いています(写真)。

販売されていた場合は、お店の名前や住所などを「照射食品反対連絡会」に連絡していただく他、できれば写真を撮ったり、購入していただければ幸いです。

皆様のご協力をお願いします。

連絡先 照射食品反対連絡会

〒1690051 東京都新宿区西早稲田1-9-19-207

照射食品反対連絡会事務局(日本消費者連盟気付)

Tel.03-5155-4765

※照射食品に関する情報はこちら

食べ物に放射線を当てて、殺菌や殺虫など行う「照射食品」について、厚生労働省は5月に、現状では照射食品を認められないとした。これは、「照射食品反対連絡会」の強い反対運動の成果といえる。同連絡会はさらに、放射線照射にとどめを刺そうと、7月17日に「放射線照射食品反対集会」を、東京の主婦会館・プラザエフで開催した。

集会では、オーストラリアで放射線照射されたキャットフードを食べたペットの猫が神経障害を起こし、肢体麻痺となったため、政府を追いつめて照射の禁止を勝ち取ったタニア・カミングさんが来日して講演を行った。豪州では、外国から病害菌を持ち込ませないため、輸入ペットフードに放射線照射が義務づけられてきた。ところが08年頃から、カナダより輸入され照射を受けたキャットフードを食べた95匹の猫が神経疾患となり、そのうち37匹が死んだと報告されている。

タニア・カミングさんは、「カナダからの輸入キャットフードは高価だが、猫の健康に良いものだと信じて食べさせてきた」。しかし愛猫のコレット「08年12月頃から脚が麻痺し歩くことが出来なくなった。現在も後脚は動かず、車いすを付けている」と述べ、これがカナダ産の照射ペットフードに原因があるとし、テレビや新聞なども使いながら照射をやめるように求めた。

被害者は多いものの、ほとんどタニアさん1人での運動となったが、粘り強い取り組みで、ついに猫用のペットフードへの照射禁止を勝ち取った。タニアさんはさらに、犬用などを含めて全面的な禁止を求めて運動を続けている。集会では、「日本でも水俣病の被害は猫から始まった。豪で病気になった猫は、人に及ぼす危険性を予見している」として、照射食品の全面的な禁止に向けて日豪でともに闘っていこうと確認された。

(フォーラム平和・人権・環境 市村忠文)

→反対集会声明文へ

→「7.17集会資料 『これからの照射食品の問題点 三菱総研の「リスクプロファイル」の危うさ』はこちら

連絡会参加団体へのリンク

2005年10月に原子力委員会が決定した「原子力政策大綱」では、核燃料サイクルやプルトニウム利用の問題とともに、食品に放射線をあてて殺菌や殺虫処理等を行なう「食品照射」を大幅に拡大する方向も打ち出されました。食品照射の実用化は、日本でも1970年代から検討されてきましたが、消費者の強い反対があり、現在は、北海道・士幌農協におけるジャガイモの芽止めにわずかに利用されているだけです。

内閣府・原子力委員会は2005 年12月に「食品照射専門部会」を設置し、照射食品の利用拡大に向けた検討を始めました。7月にスパイス(香辛料94品目)をはじめとして食品照射を拡大・推進するための報告案をまとめ、パブリック・コメント(意見募集)を経て9月、報告書「食品への放射線照射について」をまとめました。

報告書は、「コバルト60などから出る放射線を食品に照射すると、病原菌が殺菌され食品の品質保持が可能になる。熱処理をしないため風味が変わらず、薬剤によるくん蒸代わりに使えるので環境にも良い」とメリットを羅列。また、安全性についても、1980年にWHO(世界保健機関)やIAEA(国際原子力機関) などの合同会議で「10キログレイ以下で照射された食品に毒性的な危険は認められない」とした結論を用いて、安全性を強調しています。

しかし、この問題に詳しい里見宏さん(食品照射ネットワーク代表、公衆衛生学博士)は、「IAEAなどの安全性の結論は、その根拠が示されていない。日本の国立衛生研究所が行なった10キログレイ以下で照射された餌を食べたマウスの実験では、奇形や卵巣異常、死亡率の増加が報告されている」として、それを用いて「安全」とするのは誤りだと指摘しています。

私たち消費者・市民・農民などの団体・個人は、このような照射食品拡大へ向けた推進の動きに対し、反対しています。原子力技術である放射線照射を、人類の食べ物に使ってよいのでしょうか。食べ物の質の低下、食品の安全性のほか、照射量を検知する技術が確立されていないこと、コストのかかる放射線照射よりも他の食品保持技術がすでにあること、照射施設がもたらす放射能汚染・被曝の危険性などから、消費者にメリットはなく、メリットがあるのは原子力産業界と一部の流通業者、輸出入に関わる企業だけです。

私たちは、「照射食品反対連絡会」を結成し、取り組みを進めています。