放射線照射「芽どめじゃが」販売中止を!

今年もスーパーなどに要望

依然として目立つ 照射後3か月未満の販売

茨城・千葉・宮城から相次ぎ通報あり                     

コロナ禍で緊急事態宣言が出されているさなか、3月から5月にかけて、依然として照射ジャガイモが茨城、千葉を中心に売られていました。

今年はコロナ禍での制約で、いつものように照射ジャガイモの販売実態調査ができませんでした。そこで、3月にフェイスブックとツイッターに「このようなシールの貼られたジャガイモが売られていませんか?」と写真を載せてみました。

フェイスブックに掲載したガンマ線照射のシールを見た方が反応してくれましたが、発見には繋がりませんでした。ところが4月に入り、茨城県の方から、照射ジャガイモ販売の通報が入りました。「近所のスーパーでシールが貼られたジャガイモが売られている」と、写真が送られてきました(4月10日)。

1月23日に放射線照射されたジャガイモです。照射ジャガイモを買ってレシートと一緒に送ってほしいとお願いしました。

4月上旬に茨城県竜ケ崎市で売られていた照射ジャガイモ

続々と集まってきた照射ジャガイモ

続々と集まってきた照射ジャガイモ

4月26日には、今度は茨城県つくば市と守谷市で照射ジャガイモがあると通報がありました。照射日は3月9日。安全性が危惧される照射直後で、2か月も経っていません。値段は、1袋277円(税抜)。特に安いということはなく、通常の値段でした。

4月28日には、千葉県内の道の駅で見たと連絡があり、買って送付していただきました。さら5月に入ると、宮城県栗原市でも販売されているという通報がありました。

西友の契約農園で栽培したジャガイモに放射線(ガンマ線)照射

このようにして今年は、11店舗で照射ジャガイモが見つかりました。系列店もあるので、実際にはかなり広範に売られていた可能性があります。

茨城県守谷市の西友守屋店では、「西友契約農園育ちのやさいくだもの」(写真・下)と表示され、生産者農園名の入った北海道産ジャガイモに照射ジャガイモを示す表示シール(「芽どめじゃが 男爵」)が貼られて販売されていました。照射日は「令和3年3月5日」、購入したのは4月28日、値段は277円(税抜)でした。照射から2か月もたたないうちの販売です。

西友本社に販売自粛を要請

このジャガイモが照射された経過はどのようなものなのでしょうか。農園が士幌町農協に照射を依頼したのでしょうか。士幌町農協にジャガイモを保管していて、出荷前に照射をしたのでしょうか。

すでに西友守屋店には照射ジャガイモの販売自粛の要請書を出しましたが、返事がないままだったので、あらためて西友本社に対し、販売中止要請と質問の文書を郵送しました(9月)。

このほか、この春販売していたそれぞれの店舗には販売自粛のお願いとその理由を書いた申し入れ(3ページ参照)を行いました。カラーリーフレット(絵・ちばてつやさん)も同封しました。 

消費者からの要望で販売?

東京都のあるスーパーは、これまで照射ジャガイモは販売してきませんでしたが、今年5月、消費者から「新ジャガではない、古いジャガイモがほしい」という要望があり、この時期、照射ジャガイモしか出回っていないと伝えましたが、ほしいということで、1箱ずつ2回、船橋市場から仕入れて販売した、ということでした。

本会からの販売自粛要請書の回答には、「今後、販売する予定はない」ときっぱり。今春は、天候不順や需要の増加で、やや品薄感がでたようです。(4ページ記事参照)。