・・・音楽についてのこんなこと、あんなこと・・・
喫茶室から独立して、あらたに「勉強室」となりました
♪弦楽器というのは、弦をはじく、または弓のつるで弦をこする、または弦をたたくなど、弦に何らかの方法で働きかけて得られる弦の振動を音として演奏する楽器の総称です。弦の振動を得るために、弦および張力をかけて弦を張るしくみを備えています。また得られた音を共鳴させて音を拡大するしくみをもっていることもあります。弦楽器は、撥弦楽器、擦弦楽器、打弦楽器の三つに分類されますが、ここではヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスなどをはじめとするバラエティ豊かな擦弦楽器について述べていきます。
♪教室のみんなが学んでいるヴァイオリンが活躍する音楽は、ヨーロッパの歴史とも深く結びついています。というのは、ヨーロッパの時代ごとに大きな変化があり、それとともに音楽のスタイルや楽器も大きく変化しているからです。長い歴史を短く語ることは難しいのですが、楽器を理解するのに役立つイメージを描くために、ちょっとだけ歴史を紐解いてみます。まずは、ヨーロッパの古代、中世、いわゆるルネサンス、そして近世のバロック時代までをのぞいてみましょう。
♪ヨーロッパは近代に入ってから大きく世界に向かって進出していきました、植民地を広げるとか悪いことばかりしていたような気もしますが。それはともかくヨーロッパの内側でも、いろいろなことがありました。そのひとつが音楽の発展です。誰でも知っているモーツァルトやベートーヴェンなどによる古典派、ブラームスやワーグナーというロマン派が生まれます。これには良いも悪いもありませんが、ヨーロッパがいっそう世界を支配していく側面をもっています。クラシック音楽は普遍的であるという主張です。こうした音楽の発展を、少し考えてみることにしましょう。
♪音楽を形作る歌う、踊る、奏でるなどの行動は、おそらく(おそらくはですよ)、世界中にみられる人間に共通の現象だと思われます。一方、宗教というものも世界中にみられます。ときとして、「日本人は無宗教である」なんてことをいう人がいるので宗教とは何ぞやと難しい問いかけが生じますが、それはまたの話にしておいて、ヨーロッパ文化のかなりの部分を形作ってきたキリスト教と音楽の歴史をひもといてみることにしましょう。
♪別のコラムでキリスト教と音楽の話をしていますが、それをわかりやすくするためにキリスト教とはなんなのか、簡単に(いろいろ調べてはみましたが、やや独断的に)まとめてみたいと思います。以前書いたものはすこし急ぎ足だったので、今回の改訂ではゆっくり目配りしながら歴史を振り返ってみましょう。まずはキリスト教とはなんなのか、その組織、そもそも宗教ってなんなのかなといったお話です。
♪わたしたちが教室でヴァイオリンやチェロの演奏を通じて親しんでいる西洋音楽には、個人による作曲にともなう知的な要素だけではなく、人間の身体感覚にもとづいた舞踏的な要素もあるような気がします。ものの本によると、音楽は様式化という知的、芸術的な傾向と踊りの身体感覚的傾向のどちらかが強調されて、時代の風潮を形作っているなんて書いてあります。踊りやリズムが大きな魅力となるマイケルジャクソンやマドンナが大衆的な人気を得ているということは、現代が身体感覚に重きをおく時代ということなのでしょうね。ハードなビート音楽の先駆けとなりながらも、美しい旋律も生んだビートルズなんてのは、両方の要素があったのかもしれません。とはいえ、大衆的という言葉もなんだかわからない言葉ではあります。そういうわけで、ここでは音楽と舞踏の二重性を民衆とか大衆というものに関連付けて、すこし考えてみたいと思います。その実例として、バッハの無伴奏チェロ組曲第一番をとりあげます。
♪ある人の言葉を借りると、音楽はシステムだそうです。う~む、だからどうなんだという戸惑いを感じるかたもいらっしゃるでしょう。辞書的には、システムとは「相互に影響を及ぼしあう要素から構成される、まとまりや仕組みの全体」となります。だから、音楽でいえば、楽譜や楽器や演奏方法や集団の在り方や聴き方や演奏会のやり方やなんかで、音楽活動というものを作り上げるということなのでしょうか。あるいは調性音楽といって、音が音階のなかで役割や機能がはっきりとしていて、和音で調性が確定れることなんでしょうか。そこには歴史的に形成されてきた西洋音楽の規則がたくさんありそうです。そのいくつかを一緒に探求してみましょう。
♪いろいろ気の向くままにコラムを書いていますが、ここらでネタを明かすことにしましょう。参考にした本、面白かった本、感銘を受けた本を紹介していきたいと思います。もちろん音楽の歴史や理論についての本が中心になりますが、歴史や文化、社会についての本も紹介したいものです。