フォーメーション

MULTI-COMMAND HANDBOOK 11-F-16 VOLUME5 より

フォーメーションの基礎

編隊飛行のディシプリンは安全と編隊の管理のためになくてはならないものです。編隊飛行の精度はリーダーが正しい知識を持ち、各フライトメンバーの行動を管理することでのみ保たれます。リーダーは飛行前に編隊の組み方の指示を手短に行います。僚機はリーダーから編隊の組み換えが指示されるか了承されるまで割り当てられたポジションを維持します。

編隊での離陸

リーダーは風速風向と滑走路幅から見て適切な滑走路上での並び方を指示します。僚機は翼端のクリアランスを確保し、フライト中の定位置よりやや前がわ(F-16の場合は、前の機体の着陸脚に自分の頭が並ぶように)に位置どります。3,4機で編隊を組むときは、2番機が適切な空間をリーダーとの翼端間に確保してエシュロンに位置取り、3,4番機の翼端が自分の排気煙に直撃しないようにします。3,4番機はエシュロンに並び、(F-16の場合は)4番機がエレメントリーダーのコクピットを2番機の垂直スタビライザと重なって見えるように位置取ります。

リーダーは合図とともに、スロットルを開きます。ブレーキリリースの合図は軽い会釈あるいは無線によって行われます。リーダーは通常通り離陸を行いますが、スロットルを少しだけ絞って僚機が追いつくためのパワーの猶予を確保できるようにします。

リーダーの合図とともに、僚機はフルMIL(ミリタリー)あるいは MAX(アフターバーナー)にスロットルを入れ、翼端のクリアランスを維持します。リーダーに追いついてしまった場合、少しスロットルを絞ってポジションを維持します。ブレーキリリースの瞬間からフォーメーションを維持するように集中することがコツです。

僚機は翼端のクリアランスを滑走中も維持し続けます。もしリーダーを追い越してしまったら、離陸の間は自分がリードとして滑走を続けます。もしいずれかのエレメントメンバーが滑走を中止しても、もう片方のメンバーは滑走を続けてください。いずれのケースでも、進行方向を維持して衝突を避けることが不可欠です。

トレイル・デパーチャー

トレイル・デパーチャーは2機以上の編隊で離陸するが、状況が編隊での離陸あるいはトラフィック外でのリジョインを許さないようなときに使用します。例えば滑走路の濡れているとき、横風制限を超えているとき、兵装が規定より重たいとき、兵装や燃料搭載量等が異なる場合、雲底が低いときや視程がよくないときにトレイル・デパーチャーを行います。トレイル・デパーチャーの諸元はリーダーに異なる内容をブリーフィングされない限りは IAW AFI 11-F16 Vol 2 に従います。

離陸の前に、離陸諸元表を確認し全ての航法装置を正しく設定します。管制を注意深く聴き、書類にない制限などを確認してください。レーダーを状況確認のために設定しましょう。例えばF-16の場合は、テクニックとして:

Range-while-search (RWS) はフライトメンバーを表すすべての反応を返します。 air combat mode (ACM)は捜索パターンがRWSより狭いため望まれません。そして反応を分析するまえに自動でロックしてしまいます。このモードは目視でどの目標をロックしたのか確認できるときのみに使います。Track-while-scan (TWS)も制限を持っています。捜索範囲が狭く、カーサが正しい位置にない場合にアジマス・スキャンパ・ターンが不正確になる可能性があります。AUTOサブモードを選択しており、パイロットがバグをステップしなかった場合、システムがフライトメンバー以外を最重要目標に分類するかもしれません。これはアジマスあるいはエレベーションスキャンをフライトメンバーの飛行する空間の外に置いてしまい、コンタクトを失います。

離陸の最中、優先するべきは機体を操縦することであり、レーダーを操作することではありませんから、安全に離陸し、ギアを格納し、離陸速度にて安全な上昇を確立してください。もし旋回や一時的な水平飛行を離陸後すぐに行う必要があれば、それらをの仕事を達成するまでレーダーのことは無視します。

離陸の最中、パワーセッティング(FTIT)と機速を維持します。クロスチェックによる計器飛行を行ってください。指示と情報を確認するために無線をしっかり聴きます。SIDあるいはコントローラから制限を受けない限り、リードと同じタイミングで上昇を開始します(通常はリードが高度の変更を告げたときにそうします)。全てのフライトメンバーがTied(レーダーで前方の機体を確認)するかビジュアル(前方の機体を目視)するまで、リードは5000フィート上昇するごとに無線でそのことを通告します。

ちょっとしたテクニックとして、旋回の際に前方の機体と旋回のタイミングをずらすことで、トレイル・フォーメーションの間隔を調整することができます。前方の機体との間隔が狭いようであれば相手の旋回のあとしばらく待ってから自分も旋回します。前方の機体との間隔が広いようであれば相手にピュア・パシュート(相手の機体に常に自分の機首を直接向ける)するか、相手の旋回方向により多めに舵を取り、相手の進路へショートカットすることで接近することができます。

Flight Training Instruction, Formation T-45TS, Tailhook, and IUT Rev. 3 より

用語について:海軍ではフライトを「デヴィジョン」、エレメントを「セクション」と呼びます。

セクションでの離陸

タキシング

グラウンドコントロールにタキシングをリクエストしクリアランスを貰った後、マーシャリングエリアからタキシーアウトします。翼端同士のクリアランスをしっかりとって旋回の際はアイドルにスロットルを絞るようにしてください。長機は誘導路の片側へ、両機は長機のテイルから自分のノーズまで一定の間隔を開けて誘導路の反対側を通ります。

フライトがホールドショートエリアに到着したら、各機体が図のように滑走路へ向いたアブレストとして整列します。この方法は混雑を減らし、フライトのテイクオフ前チェックリスト確認中に他の機体が滑走路へ侵入できるようにします。チェックリストが完了したら僚機は親指を上げるかタキシングライトを点灯してください。

ラインアップ

長機はセクション(エレメント)の離陸許可をリクエストします。タワーの許可を得たら、長機は滑走路へ侵入し風下側へ位置どってください。

テイクオフ

セクショナル・テイクオフあるいはフォーメーション・テイクオフでは、滑走路上でフォーメーションを維持したままローリング(離陸のための滑走)を行います。滑走のさい、長機は僚機がついてこれるようにスロットルをゲート(アフターバーナー)あるいはバースト(ミリタリー)の最大値から数パーセント低い回転数に合わせます。

インターバル・テイクオフはローリングの際にセパレーションを取ります。ウィングマンは長機の滑走開始後、何秒かの時間差(CNATRAのマニュアルでは7秒以内となっていますが、機種や状況によります)をとって滑走を開始します。

エアボーン(脚が地面から離れたこと)後は長機はスロットルをゲート(アフターバーナー)あるいはバースト(ミリタリー)の最大値から数パーセント低い回転数に合わせ、両機が追いついて編隊を組めるようにします。

このさい、緩めに長機が左あるいは右旋回を行うことで僚機がリードターンをとりショートカットして追いつくテクニックも使えます。

インターバル・テイクオフ・アボート

アボート(滑走の中止)が必要だと判断された場合は、直ちにアボート手順に従いコールサインを使用してアボートを無線で宣言してください。

例:Lion One Two aborting.

長機がアボートを行う際は、僚機が自分を通り過ぎるまで滑走路の横位置をキープしてください。

セクションでの空中集合

空中集合とは離陸後にフライト同士が集合することを指します。空中集合にはCVランデブー、ランニングランデブー、TACANランデブーが存在します。

CV ランデブー

CVランデブーでは旋回中の長機に集合を行います。離陸後に長機は30度のバンク(AOB)を行いながら上昇し、ブリーフィングで事前に取り決めた速度を維持します。僚機は長機の旋回円の内側へ入るように旋回します。上昇中は長機が水平線上に見えるようにし、1000ft以内まで接近したときに最大10KIASの接近速度で追いつくようにします。相対的に長機の機体が動いて見えるようになるまで僚機は速度をモニターしてください。

天候あるいは周囲の空域の関係で上昇しながらのランデブーが行えない場合は、高度を維持したままランデブーを行います。上昇しながらのランデブーと比べてスロットルを足したとき接近速度が変化しやすいことに注意してください。

ランニング・ランデブー

特定のコース上をまっすぐ飛んでいる際にフライト同士で集合したい場合にランニング・ランデブーを行います。ランニング・ランデブーはインターバル・テイクオフ後の集合で行われるのと同様のものです。長機と僚機が真っすぐ飛行しながら長機への接近を僚機が行います。もし長機が旋回を行う場合、僚機はこれを利用してCVランデブーの要領で長機への接近を試みてください。長機が水平飛行へ戻る際にはショートカットコースを取るのをやめて反対側へクロスアンダー(後述)します。

ランニング・ランデブーのさい、僚機は長機の軌跡からアビーム(横方向)へ距離を取るようにしてください。接近率を知らせる視界上での長機の位置の変化はこの距離に応じて生まれます。横方向の距離を取ることで、長機に接近していくほどコクピットから見える長機の位置は正面から横方向へ移動していくでしょう。この距離が十分に取れていないとかなり接近するまで僚機の位置が移動して見えません。長機の直接背後から接近するとこのような方法で接近率を知ることが出来ないので、危険です。集合を開始してすぐに長機をHUDの外側に置くようにするのがよいでしょう。機体の横幅8-10つ分ほど横方向への距離を取れたら、長機と同じ方位を飛び続けます。

50ktの接近速度をこえないよう機速をモニターしてください。2000ftまで近づいたら長機は11/1時方向からキャノピーの後方へ向けて移動して見えます。この地点でパワーを落として長機まで1000ftの地点では25ktの接近速度を超えないようにしましょう。1000ft以内では長機がキャノピーの後方へ移動して見える速度が速くなります。僚機は長機へ向けてバンクをかけてこの移動が止まって見えるようにしてください。つまり横方向の距離を縮めて長機へ近づきます。この地点では接近速度が15ktを超えないように長期の真横の目標位置へ向かってください。目標位置についたらパレードポジションへ移動します。

TACAN ランデブー

TACANランデブーは離陸後に視界が確保できた際、あるいは飛行中に行われます。TACANランデブーはTACAN fixを接線に置く円を左旋回で書くように飛ぶ中で速度、高度、侵入方向(内からか外からか)を指定して行われます。図の通り円を4つのポイントに区切り、ポイント1をfixに置きます。

TACAN fixへ到着したらリードは"[コールサイン] ポイント、ワン"と無線でコールします。その後30度バンクをとります。僚機が長機を視認するまで、長機は各ポイントを通るたびにポイントをコールしてください。長機がポイントをコールするたび僚機はDME(fixからの距離)を答えます(例えば2.8マイルであれば"ツーエイト"となります)。僚機は指定された高度から500ft低い高度でポイントワンへ向かって飛行し、長機とのフォーメーション位置にたどり着くまで高度を維持します。

僚機は、長期を視認できたら"ビジュアル"とコールしてポジションへ向かい、長機は通過ポイントのコールをやめます。フォーメーションを確立したら僚機は長機と同じ高度に並びます。

もし長機を視認したとき、それが僚機の後ろに見えていた場合は、僚機は円の中心(Post)へ向かい、ランデブーのためのリード・ラグパシュートを行います。

セクションでのフォーメーション

パレード・ポジション

パレード・ポジションはフライトが混雑した空域にいるとき、計器アプローチを行う際、また一般的にはフォーメーションが決定的に観測される場合に使われます。

パレード・フォーメーションには次の利点があります。

  • 機体間で手信号を行いやすい

  • プロらしくてかっこいい

欠点として:

  • 単機あるいはタクティカル・フォーメーション時と比べて編隊が動きにくい

  • 僚機が常にパワーを調節するので燃料がなくなりやすい

  • 僚機が周辺警戒できない

パレード・ターン

図のように、パレード・ターンには二種類あります。旋回の内側に僚機が入る場合と、旋回の外側にいる場合です。

僚機が旋回の内側に入る場合

長機は常に同じレートでロールを行わなければいけません。10度/秒ほどの速さでバンク角をつけてください。旋回の前の合図は必要に応じて行います。

僚機は長機の機軸を中心にして(長機の翼の延長線上に並び続けるように)ロールし、旋回の内側でフォーメーションを維持するためにパワーを絞ります(旋回の内側に入るということは長機より短い距離を飛ぶことを意味します)。ロールアウトも同様に行い、このさい僚機はパワーを上げて戻します。

僚機が旋回の外側に出る場合

長機は同様に一定の速度でロールし30度のバンクをとります。VFRで飛行している場合は、僚機は長機と同じペースで自分の機軸を中心にロールします。すなわち、長機の翼の延長線上ではなく長機と同じ高度で飛び続けます。旋回の外側を飛ぶことになるということは、長機より長い距離を飛ぶことになりますから、パワーを足してフォーメーションを維持できるようにしてください。図のようにリーダー機のキャノピーレールの位置、キャノピー支柱の位置、翼の前縁など機体の各部分の位置関係が常に同じ形の三角形を書くように飛ぶことでフォーメーションを維持します。機体によって参照点は異なります。

水平線が長機の機体と交わる位置から自分の長機に対する高度差を管理してください。ロールアウトの際は長機は同様に一定のレートでロールを行いバンクを水平に戻します。僚機は高度を維持して長機と同時に自分の機軸を中心にしたロールを行い水平に戻ってください。このさい、パワーを絞って長機を追い越さないようにしましょう。

セクションが雲の中を飛行し計器飛行状態になる場合にはIFRパレードを行います。VFRの場合とは違い、僚機は長機の機軸を中心としたロールを行います。すなわち長機の翼の延長線上に並び続けます。僚機は水平飛行時と同じ長機との相対位置関係を保つため、"welded wing"と呼ばれます。IFRでの旋回時は僚機は長機より高度を上げることになるため、パワーをVFRのときより足さないといけません。同様に、ロールアウトの際は大きめにパワーを戻す必要があります。

クロスアンダー

僚機がフォーメーション位置を変更しなければいけないとき、クロスアンダーを行います。ボックス・クロスアンダーは巡行フォーメーションでのフライトを覚えるまで訓練として使われます。それ以外はVクロスアンダーを使用します。

ボックス・クロスアンダー

このクロスアンダーは僚機が長機の周囲で機体を移動し、相対的な長機の見え方の変化とスムースな機体操作を覚える為に使われます。長機から合図を受けたら、パワーと姿勢を操作して長機の後ろ側、少し下側へ移動します。横移動を行う際、機体が横方向へ動き出したら水平に戻ってください。バンクしたままでいると横方向への移動が加速してしまいます。横方向への移動を終えたらパワーとピッチを上げて反対側のパレード位置につきます。

Vクロスアンダー

Vクロスアンダーは長機の片側のパレードポジションから下側背後の頂点までの線、そこからもう片方のパレードポジションへと延びる線の二つの線で構成されます。僚機は上下、前後、左右の位置移動を同時にこなさなければいけません。

ブレイクアップ

長機は合図とともに180度旋回し、両機は数秒待って同方向に旋回します。僚機はこの待ち時間を調整することで旋回終了後の長機との間隔を調整することができます。旋回中は同高度・同速度を維持します。

2秒程度の間隔を開けて僚機がブレイクした場合、僚機は旋回中に長機の進行方向に機首を向けることで長機により接近し、長機の後ろ側に機首を向けることで離れることができます。これをリード・パシュートとラグ・パシュートと呼びます。

旋回が終わると二機はトレイル・フォーメーション(前後に位置する状態)となります。僚機は長機からのジェットウォッシュを避けるため高度を長機から少し上げてください。

ランデブー(空中集合)

空中集合に際して、長機は10秒待機したあと30度バンクを左右いずれかにとります。僚機は長機がHUDから外れて見えるようになったところで、45度以上のバンクをとりパワーを調整しながら長機に接近するように旋回します。

空中集合は高度、長機からの相対方位、接近率の調整の繰り返しです。長機が水平線と同じ高さに見えるのであれば長機と同じ高度で飛行できています。

空中集合の最中、僚機は長機への接近率を機速で調整しなければいけません。長機に接近するほど長機から見た相対方位は少しの移動で大きく変化するようになります。

長機との相対方位は長機の見え方で判断します。例えば、長機の羽の先端が長機の機体のどのあたりと垂直に重なって見えるか確認します。長機より前に出すぎているなら翼の先端が長機の機体の後方側と垂直に重なって見えるでしょうし、長機より遅れている場合には翼の先端が長機のコクピットより前側に見えるでしょう。長機との正しい位置関係を調整するためにはバンク角を調節してください。

長機に追いついたら、僚機はVクロスアンダーして旋回の外側へ移動します。

アンダーラン

アンダーランは僚機の長機への接近率が高すぎた場合に安全に長機の下側後方を通過する手順です。

僚機は機首を下げ長機との高低差をとります。パワーをアイドルに絞り、スピードブレーキを開きます。"[コールサイン] under running"とコールして長機に無線でアンダーランの実行を伝えてください。僚機は長機の下側後方を通り過ぎた後、長機の旋回の外側、真横の位置を維持します。このときにはスピードブレーキを閉じパワーを調節して長機との相対位置を維持してください。

リード・チェンジ

長機の無線機が壊れた場合など、手信号で交代の合図を僚機と行ったあと、リードチェンジを行い長機を交代します。

まず、新しい僚機となる元長機は横方向へ移動し翼端間のクリアランスをとります。

その後高度を下げ、水平飛行に戻り、パワーを下げ新しい長機の後方へ下がります。新しい僚機がパレードポジションについたら、新しい長機は編隊の燃料チェックを行います。

クルーズ・ポジション

クルーズ・フォーメーションは安全で、少ない編隊維持の労力で飛行することを可能にします。そして周辺警戒を行いやすく、僚機の燃料も節約できます。また、セクションはパレードのときより広く機動することができるようになります。

クルーズフォーメーションで飛行する際は、旋回のとき長機の旋回の内側へスライドしていくことでスロットルの調整を最小に保ちます。

デビジョンでの離陸

インターバル・テイクオフ

デビジョンでの離陸時にはインターバル・テイクオフを通常採用します。長機は残りのフライトがバナナエシュロンに並べるよう滑走路を少し進んだ位置に止まり、二番機は一番機に対するパレードポジションに、続く三番機、四番機も前の機体に対して同様に位置どります。

離陸前チェックを終えたらホイールブレーキをかけたままエンジンの回転数を上げます。合図が済んだら長機は滑走を開始し、続く機体は前の機体の滑走開始から指示された秒数(最低7秒)待機してから順に滑走を開始します。

セクションごとのテイクオフ

計器気象状態 (IMC)あるいはかろうじてVMCであるような場合には、セクションごとのテイクオフを実施します。この場合、一度に一セクションごと滑走路に並び滑走します。離陸後は事前に指定したTACAN fixへ向かいます。

デビジョンでの空中集合

CVランデブー

全機が水平線上に長機を見るように飛行しなければいけません。もし二番機か三番機が長機を水平線に見ていなければ、続く機体が全機を視界に捉えるため高度を下げ続けなければいけなくなり、集合は難しいものとなります。

集合の完了後、長機は二番機を下方から反対側へ移動させ、三番機と四番機に空間を埋めるよう指示し、編隊をバランスド・パレード(フィンガーチップ)に移行します。

ランニング・ランデブー

長機は一定の速度で飛行しつづけ、続く僚機はバランスド・パレードの形に集合します。長機が旋回したらショートカットコースをとって素早く集合します。

デビジョンでのフォーメーション

バランスド・パレード(フィンガー・チップ)

バランスド・パレードあるいはフィンガーチップと呼ばれるこの編隊は、より飛行しやすく機動しやすいとされています。三番機・四番機は二番機とは反対側へ並びます。

デビジョンで編隊を組むコツは、三番機と四番機が前の機体との間隔は開けつつも一番機に対して編隊を組むように位置を維持することです。

エシュロンからフィンガーチップ・フォーメーションへの移行は次の二つの方法いずれかで実施します。

  • 二番機をクロスアンダーさせる

  • 二番目のセクション(三番機と四番機)をクロスアンダーさせる

一番目の方法では、二番機が一番機に対してクロスアンダーして反対側へ移動した後に三番機と四番機が一番機との距離を詰めます。

二番目の方法では、三番機と四番機がセクションごとクロスアンダーします。セクションクロスアンダーでは、三番機が二番機との間隔を開けつつ一番機に対してクロスアンダーを行い、その間同時に四番機は三番機に対するクロスアンダーを行うことで、三番機が常に一番機と四番機に挟まれるようにします。四番機は三番機より長い距離を移動することになりますから、第二セクションの長機(三番機)はゆっくり移動するようにしてください。

パレード・ターン

編隊での旋回は各機が一番機に対するセクションでの旋回と同様に振舞います。自分が旋回の内側にいるときは一番機を中心としたロールを、自分が旋回の外側にいるときは自分の機軸を中心としたロールを行います。四番機は移動する距離が大きくなるためパワー調整も大きめに行ってください。

エシュロン・パレード

エシュロンパレードはすべてのフライトが長機に対して左右いずれか同じ側に並び、前の機体に対するパレード・ポジションをとります。

バランスド・パレードからエシュロンへ移行するには二つの方法があります。

二つ目のセクションがクロスアンダーして二番機の後ろにつく

二番機がクロスアンダーしてセカンドセクションに入る

最初の方法では、三番機が二番機に対するクロスアンダーを行い、四番機は移動中の三番機に対するクロスアンダーを同時に行います。

二番目の方法では、三番機と四番機は斜め後ろに移動して二番機のためのスペースを開けた後、二番機が一番機に対してクロスアンダーを行います。

ブレーク・アップ

ブレークアップでは、エシュロンに編隊を組みなおした後、一番機から四番機まで順に180度旋回(ブレイクターン)を行います。このさい、各機は前の機体のブレイクターンから指定された秒数数えてから自分の旋回を開始します。全機の旋回が終了するときには編隊はトレイル・フォーメーションへ移行しています。

クルーズ・マニューバリング

この編隊では二番機が一番機に対するクルーズ・ポジションをとり、四番機は三番機に対するクルーズ・ポジションをとります。三番機のクルーズ・ポジションは二番機より後方やや下側になります。旋回の最中、各機は割り当てられた空間内を自由に移動して編隊を維持します。旋回が終了する際、二番機は第二セクションとは反対側に位置どるよう移動します。

デビジョンでのアプローチ

デビジョン・オーバーヘッド・エントリー

オーバーヘッドでは、リーダーは滑走路上空到達前に編隊がエシュロンを組めるよう指示を出しますが、それがあまりに早すぎて滑走路にアラインするためにエシュロンにきつい旋回をさせるようなことにはならないようタイミングを調節してください。エシュロンはブレークの方向と反対に並ぶように組みます。

滑走路上空を通過中に、リーダーは180度のブレイクターンを行い、続く機体は前の機体がブレイク後に指定された秒数だけ待機してから自分のブレイクターンを開始します。ブレイクの終了後は各機がダウンウィンド上でトレイル・フォーメーションに並びます。