対地攻撃
ストライクデリバリーのセオリーとプリンシパル
ボミング・トライアングル
ボミング・トライアングルは、機体の高度、スラント・レンジ(高度ベクトルも含めた機体と目標の距離)
およびダウン・レンジ・トラベル(高度ベクトルを含めない目標までの距離)からなる三角形です。
もし機体の飛行経路をロールイン高度まで延長するなら、この線が
トライアングルに乗っかっている
トライアングルの上にある
トライアングルより下にいる
などと位置どりを評価できます。ダイブ中の飛行経路はワイヤとも呼ばれます。
フライトパス:
ダイブ中の機体の進行経路。
HUDに表示されるベロシティベクタの位置がフライトパスを表す。
フライトパスアングル:
水平線とフライトパスの角度差
ダイブアングル:
水平線と機首方位の角度差、
HUDのウイスキーマークの位置がダイブアングルを表す。
ライン・オブ・サイト:
パイロットの目と、HUDから見える目標との間の線
アーマメント・デイタム・ライン(ADL):
投下タイミングで予定される速度に達したときの機首方位を示す線。
サイトアングル:
ADL下の角度をミル数で表す。
トラジェクトリ・ドロップと迎え角およびダイブ時の視差の合計となる。
トラジェクトリ・ドロップ:
爆弾が弾道飛行中に重力によって降下する量をミル数で測ったもの。
ミル数:
1フィートの大きさのものを1000フィート先から見たときの大きさを角度で表す単位、
1ミルは円の1/6400の角度となる。1度は17.45ミル。
タイム・オブ・フォール:
投下から着弾までの時間
エイム・オフ・ディスタンス:
フライトパスが地上と交差する地点と目標までの距離
エイム・オフ・ポイント:
エイム・オフ・ディスタンスを表す地上の参照点
エイム・オフ・アングル:
フライトパスとライン・オブ・サイトの角度差
ターゲット・デプレッション・アングル:
水平線とライン・オブ・サイトの間の角度。
水平線の下何度に目標が見えているのかを表す。
フライトパス・アングルとエイムオフ・アングルの総和となる。
イニシャル・サイト・ピクチャ(ISP):
目標に向かい合うための旋回を終えた(ロールアウト)ときのベロシティベクタの位置。
アタック・コーン・ディスタンス(ACD):
目標へ向けた旋回(ロールイン)を開始する地点と目標との最適な距離(計画されたZ-ダイアグラムに基づく)。
もしロールインが計画された高度と距離で行われたなら、
爆撃の開始時に機体はボミング・トライアングルに乗ることになる。
ロールイン・ポイントあるいは"RIP"の代名詞。
マニュアル照準時の弾道を左右するファクター
ヨー
横滑りは間違った照準を発生させ、爆弾の軌道に影響します。
爆弾は投下後に機体のベロシティベクタと同じフライトパスを取ります。
ヨーの発生や横滑りは目標と着弾地点の偏差を生み出します。
バンクアングル
バンク角もマニュアルモードでの投下時に間違った照準を生み出します。
これはおもに振り子現象によってもたらされます。
マニュアルモードのレティクルは左旋回時には右に、右旋回時には左に移動します。
また、バンク角があると前後方向ではやや手前側に落ちます。
投下時のG
30度投下時にはおおよそ0.87G、10度投下時にはおおよそ1.0Gで投下を行う必要があります。
適切でないGで爆弾を投下するとADLの迎え角が変化し、照準が合わなくなります。
Gの超過は実際より早めに目標に照準を合わせてしまい、爆弾を目標の手前に落とします。
少ないGは爆弾を目標より遠くへ着弾させます。
ベロシティベクタを目標のダイブ・アングルに維持すると適切なGで投下が可能です。
トリムを適切とらず投下時に1.0Gでベロシティベクタが上がり続けていると爆弾が正確に着弾しません。
ダイブ角度
浅いダイブは爆弾を遠くに落とし、深いダイブは爆弾を手前に落とします。
例えば90度ダイブで爆弾を投下すれば弾道軌道は発生しません。
ですから深いダイブ角で攻撃するときはレティクルの設定は低いミル数分の下げ幅で済みます。
浅い角度から攻撃するとレティクルを下げなければいけないミル数が大きくなります。
速度
高い速度は迎え角を下げ、必要なレティクルの下げ幅を小さくし爆弾を遠くに着弾させます。
低い速度は必要なレティクルの下げ幅を大きくし、手前側に着弾させます。
また速度は爆弾の落下時間にも影響します。
高度
高い高度からの投下は爆弾の落下時間を延ばします。つまり重力と抵抗が弾道軌道に仕事する時間が増えます。
目標までの水平距離も大きくなります。高い高度からの投下は手前に爆弾を落とし、低い高度からの投下は遠くに爆弾を落とします。
CCIP照準時の弾道を左右するファクター
CCIPはエイムオフアングルを利用した爆撃方法を可能にします。
ダイブを確立したら適切なエイムオフアングルに合わせることで兵装システムに有効な投下ソリューションを引き起こします。
ワイヤ
ワイヤとはダイブ角度とエイムオフ角度の組み合わせが
予定されたパラメータに対してどのような状態にあるかを表します。
スティープ・ワイヤ:
高度が高い、速度が速い。
あるいは遅れてロールインし正しいエイムオフアングルを設定した場合に発生します。
ダイブ角度は深くなり、予定された投下ソリューションより高度が高くなります。
シャロウ・ワイヤ:
高度が低い、速度が遅い。
あるいは早めにロールインし正しいエイムオフアングルを設定した場合に発生します。
ダイブ角度は浅くなり、予定された投下ソリューションより高度が低くなります。
ハイ・ワイヤ:
高度が高い、速度が速い。
あるいは遅めにロールインし大きすぎるエイムオフアングルを設定した場合に発生します。
ダイブ角度は正しいですが、機体の高度が高く、予定された投下ソリューションより高度がたいへん高くなります。
ロー・ワイヤ:
高度が低い、速度が遅い。
あるいは早めにロールインし小さすぎるエイムオフアングルを設定した場合に発生します。
ダイブ角度は正しいですが、機体の高度が低く、予定された投下ソリューションより高度がたいへん低くなります。
ロー・ワイヤは大変危険な状況を生み出します、
もし投下高度より高度が下がってしまったら、爆撃をアボート(中止)してください。
ハイあるいはロー・ワイヤは大きな投下高度の誤差を発生させます。
ハイ・ワイヤを修正するためには、エイムオフを正しく設定してスティープ・ワイヤになることを受け入れてください。
ロー・ワイヤを修正するためには、同じくエイムオフを正しく設定してシャロウ・ワイヤを受け入れてください。
ダイブアングルがスティープあるいはシャロウ・ワイヤ時に中止条件に満たなければ、投下高度は予定された位置に近いものになります。
風も予定したZ-ダイアグラムを遵守しようとするときに影響します。
向かい風あるいは追い風の影響を修正するには、RIPを次の式に従って修正してください:
向かい風/追い風20ノット分ごとに0.1マイル分予定したRIPから数を足す/引くします。
例えば30度CCIPデリバリーにて2.2マイルのRIPがある場合、
20ノットの追い風の影響を修正するにはRIPを2.1マイルに設定します。
向かい風なら2.3マイルにします。
Z-ダイアグラム
Z-ダイアグラムは投下諸元を現したものでブリーフィングボードやニーボードに載せられます。
Z-ダイアグラム作成最初のステップはMINALTすなわち最低高度の設定です。次の理由からMINALTを切って攻撃を続行することは推奨されません。
敵の脅威
爆弾の破片によるダメージ
投下後に爆弾の信管が有効になる時間
地上との激突
マニュアル爆撃用のZ-ダイアグラムはCCIP用のそれにチェックポイント高度が加わります。
マニュアル爆撃用Z-ダイアグラム
CCIP用Z-ダイアグラム
Planned Release Altitude(PR)は諸元通り(ダイブアングル・速度・エイムオフアングルが予定通り)のダイブをしたときに爆弾を投下する高度です。
PRで投下すると、機体がスティープ・ワイヤ(深いダイブ角なら10°スティープ、浅いダイブ角では5°スティープまで)かつ50ノット速い場合であっても、2.5秒以内の4G引き上げでMINALTに到達する前に水平飛行に戻れます。
エイムオフアングルはZ-ダイアグラムの下側に記述され、爆弾の弾道を考慮してベロシティベクタがターゲットのどれくらい遠くに置かれなければいけないかを表します。
Z-ダイアグラムでは高度はAGL(対地高度)で表されます。
目標の標高を書くためのスペースが割り当てられており、MSL(気圧高度)も求めることが出来るようになっています。
Aim-Off Angle:
予定された投下地点にて機体のフライトパスと標的までのラインオブサイトが成す角度
Checkpoint Altitude:
マニュアル爆撃用Z-ダイアグラムに記載される。
この高度で二番目のチェックポイントにおけるエイムオフアングルが確立されていることを確認する。
Dive Angle:
フライトパスと地表との角度差
MIL Setting:
マニュアル爆撃用照準の降下率(投下時の標的と機体の喫水線の差)をミル数で表す。
Minimum Altitude (MINALT):
この高度を割ってはいけない。
No Lower Than Release Altitude (NLT):
兵装を投下できる最低の高度
Pattern Airspeed:
Pattern Altitude:
Planned Release Altitude:
目標攻撃の予定高度
Release Airspeed:
Z-ダイアグラムの諸元と兵装の弾道を合わせる為の最適な速度
Roll-In Point (RIP):
Z-ダイアグラムの作成例
CCIPデリバリーのテクニック
目標に対するロールインを終え、ロールアウト後に30°ダイブでの攻撃を開始した場合の例を考えてみます。
例えば図のように、ロールアウト時にベロシティべクタを標的の4度上に置いて、30度のフライトパスアングルが確立するように調整します。
目標は34度下の角度に見えることに注意してください。
ロールアウト時にベロシティベクタを4度目標の上側に置いた結果、ベロシティベクタの位置が予定したダイブ角度を割るようであればシャロウ、超えるようであればスティープ・ワイヤに乗っかっています。
ロールイン時の高度が低いか、急な旋回をしすぎてロールアウト時の目標までの水平距離が延びると、シャロウ・ワイヤが発生します。
ロールイン時の高度が高いか、緩い旋回をしてロールアウト時の目標までの水平距離が延びると、スティープ・ワイヤが発生します。
ベロシティベクタを標的の上側に置くと、標的はHUD上で下に下がっていきます。
ベロシティベクタを標的の下側に置くと、標的はHUD上で上に上がっていきます。
ベロシティベクタを標的に置くと、標的はHUD上の同じ位置に留まります。
標的から遠くにベロシティベクタを置くことで標的のHUD上での移動速度が上がります。
ポップアップ
高度に洗練され統合されたSAM/AAA/対空脅威環境あるいは天候は低空侵入からのポップアップ攻撃(一気に急上昇しすぐに急降下へ転じて爆撃を行う方法)を強いることになります。この戦術はAAAあるいはその他の脅威に身をさらすことにはなりますが、適切にプランニングされ実行されたポップアップ攻撃はSAMや対空脅威環境に対する最も高い生存可能性を生み出します。ポップアップ攻撃には様々な種類があります。
標的の認識とそこへ向けたアライメントを正確な攻撃方位で行うことはどのようなデリバリーにおいても重要です。最適な諸元を辿ることが出来たか判断する時間は少ししかありません。もし諸元を間違えた場合や、攻撃を続行すべきかわからない場合は、攻撃を中止するか位置取りをやり直してください。例えば次のような状況が現れたらすぐにポップアップ攻撃を中止します:
ダイブアングルが予定の諸元より5度以上深い。
機速が350KCASを割っている(10,000フィート以上の高度で300KCAS)。
ダイレクト・ポップアップの諸元
Approach Heading
引き上げ時の機首方位
Attack Heading
攻撃進入時の方位
Angle-Off
アプローチ時の方位と攻撃時の方位の差
Direct Pop-up
15°以下のアングルオフで行われるポップアップ
Offset Pop-up
15°以上のアングルオフで行われるポップアップ
Indirect Pop-up
90°以上のアングルオフで行われるポップアップ
オフセット・ポップアップの諸元
Initial Point (IP).
目標に向けた最後のレグが開始される地点。通常は目標から10-20マイルの距離に置かれます。
Action Point/Range.
オフセット・ポップアップ・アタックを行う場合に、オフセットをとる位置
Pop Point.
ポップアップの上昇が開始される地点
Climb Angle.
上昇角度
Pop-to-Pull-Down Distance.
ポップアップ地点からプルダウン地点までの距離。この値は攻撃の諸元から計算可能です。
Pull-Down Point (PDP).
上昇から下降に機動を転じる地点
Dive Angle.
攻撃時のダイブ角度
Apex.
ポップアップ中に到達する最も高い高度.
Minimum Attack Perimeter (MAP).
トラッキングを開始する距離を半径とした目標を中心とする円
MAP Distance.
MAPの円から目標までの距離
Tracking.
目標に向けて照準を定める時間
Tracking Time.
ロールアウトから兵装投下までの時間
Horizontal Tracking Distance.
トラッキング中に飛ぶ地表上の距離
Vertical Tracking Distance.
トラッキングを開始する高度から兵装を投下する地点までの高度あ
Aim-off Distance (AOD).
トラッキング中に機首を向ける地上の地点と目標との距離
Release Altitude.
兵装を投下する対地高度
この機動では、ポップアップへのアプローチコースは最終侵入方位から15°-90°ズレます。アプローチコースにおけるアングルオフは諸元の上昇角度でパイロットが標的をすぐに視認できるように、そして爆弾のデリバリーまで視認を維持できるように設定されます。ポップアップは予定されたポップポイントにて最低450KCASの機速で行います。ポップアップポイントでは、ABあるいはミリタリー推力にて3-4Gの引き上げを行い予定された上昇角度に転じ、チャフ・フレア射出プログラムを起動します。標的はロールイン予定方向側のキャノピー枠の近くに見えるでしょう。ポッピング後は上昇角度を維持し高度を数えます。予定された機首下げ地点高度に到達したら標的に翼上面を向けるようにアンロードロール(スティックを前に倒して0G環境でロール)し、3-5Gでの機首下げで予定されたダイブアングルを確立します。機首下げ機動時の半分くらいで頂点高度に到達するでしょう。
ダイブアングル
予定した諸元で攻撃を成し遂げるためもっとも重要な要素はエイムオフポイントに機首を向けたときのダイブアングル角度です。攻撃方位の多少のズレなどは許容できます。機首下げをし終えたとき、デリバリーの問題は爆弾の軌道如何に掛かってきます。コンピュータ計算されたデリバリーを行うのであれば、CCIPは脅威に身を晒す時間を最小に保ちつつ望まれる精度を達成する最適の方法でしょう。
Low Angle Strafe (LAS)
攻撃時の侵入方位から 15°-30°のオフセットを左右いずれかにとり、CAS:450ノット以上で飛行します。
ポップ地点でミリタリー推力を開き 3-4G 引き上げにより所定の高度まで上がります。このとき予定ダイブ角+5°を目安にピッチ角を決めます。
予定のプルダウン高度にてロールしダイブ角に向けたプルダウンを開始します。HUDのピッチラインと目標の関係を注視し予定のダイブ角を確立してください。最後にアンロードによるロールアウトを行い、射撃します。
Low Angle High Drag Bombing (LAHD) (10º–15º)
low-angle strafeと極めて近い機動を行います。これは低いダイブ角度で高抵抗爆弾を投下するときに使用します。
攻撃時の侵入方位から 15°-30°のオフセットを左右いずれかにとり、CAS:450ノット以上で飛行します。ポップ地点でミリタリー推力を開き 3-4G 引き上げにより所定の高度まで上がります。このとき予定ダイブ角+5°を目安にピッチ角を決めます。
所定のプルダウン高度に到達したら、機体の背中が目標の見える方向を向くようロールを打ち、目標に向けて操縦桿を引くことでプルダウンを開始します。これは基本的な爆撃手順で、他のダイブ角で攻撃を行う場合にも同じようにします。
通常、このような攻撃方法はトラッキングあるいはデジグネートのための時間を予定投下高度に到達するまでに3-5秒間ほどもたらします。
CCIPにて攻撃を行う場合は、ロールアウトするときFPMからCCIPピパーへ延びる線の1/3ほどの位置に目標を置きます。
マニュアル爆撃を行う場合は、FPMを正しいエイムオフポイントに置くか、レティクルを計算されたミル数だけ目標の手前に置きます。
Low Angle Low Drag Bombing (LALD) (10º–20º)
低抵抗爆弾を低いアングルでデリバリーします。信管の起動時間と安全な離脱方法に注意を払ってください。アングルオフ角度は15°-90°のいずれかになるでしょう。最適なアングルオフ角度はダイブ角度の2倍です。ダイブ角度が15°であれば上昇角度は5°プラスした値とし、20°であれば10°プラスします。LALDデリバリーの到達高度はLAHDデリバリーより高くなりがちなので高度計に注意を払ってください。CCIPデリバリーを行う場合は標的をFPMとCCIPピパーの中間に置きます。DTOSを行う場合はケージシンボルが標的のやや手前に来るようにロールアウトします。
High Altitude Dive Bombing (HADB) (30º–45º)
高脅威環境において低抵抗爆弾を深いアングルで投下します。兵装の選択はアプローチの内容を左右するでしょう。例えばF-16の場合は二つの増槽と6発のMk82では45°のデリバリーができません。アプローチ時の速度は最低500KCAS必要で、アクションポイントは標的の手前4-5nmほどに置かれます。この地点で20°-30°のチェックターンを行い必要なオフセットをとります。ポップポイントで4G引き上げを行いフルアフターバーナーでダイブ角度+15°の上昇角度を取ります。ポップアップ後は標的をキャノピーレールから覗き込みます。また、急速に上昇する高度をモニターして機首下げ高度への到達を待ちます。頂点高度では機体が反転した状態になりますので、適切なAODでロールアウトすることに注意を払う必要があります。投下高度に到達するまで5秒ほどのトラッキング/デジグネート時間があります。CCIPデリバリーの場合には、FPMとCCIPの間2/3程度の位置に標的を置きます(標的がピパー側に近づきます)。DTOSの場合はケージシンボルを標的の手前に置いてください。平時の訓練時には4-5G引き上げで水平飛行に戻りエグレスプランに従います。
Visual Level Delivery (VLD) (0º–5º)
脅威あるいは天候がとてもスティープなダイブ角度しか許してくれないようなとき、このデリバリーをCCIPにて行います。低高度で標的エリアに侵入し、投下の瞬間まで地形に隠れ常にジンキング(ジグザグに機動する)します。標的へのアプローチがランダムなコースになるため、標的を視認しデリバリーを開始するアクションポイントへの到達には適切なプランニングが必要となります。もし水平飛行での投下を行う場合は、適切な高度でCCIPピパーを適切な位置に置きながら標的に到達するようにします。もし5°ダイブでのデリバリーを行うのであれば、10°での引き上げ後に頂点高度500フィート手前で引き下げを行います。信管の起動時間、破片や地形からのクリアランスに特に気を使ってください。
二機編成での対地攻撃
スプリット・ポップ・アタック
この攻撃方法は攻撃側を二手に分け、敵に攻撃される時間を最小に収めます。高度差、距離、あるいは時間差をとってお互いの衝突防止に努めます。
高度差をつける場合は、一機目が低いアングルでのポップアップ(VLDなど)を行います。二機目は予定されたポイントで散開しより高い高度からのLALDあるいはダイブ攻撃を行います。
距離のセパレーションによって衝突防止を確立する場合は、二機目がLATあるいはロフト攻撃を行います。
時間差をつけて攻撃する場合は、適度な距離で散開します。ただし散開後に相互支援は行いづらくなるでしょう。目標近くでの散開はアーキングによる目標の目視を維持し攻撃の時間差を確立します。これにより二機目が低高度からの攻撃を行えるようにします。
目標からのアークの距離は攻撃を行うのに必要なターニングルームに応じて変わります。
例えば、一機目の投下した爆弾が着弾するまで二機目は3マイルのアークを飛行します。着弾後5秒数えます、そして標的を2時あるいは10時方向に捉えるように旋回し、LALDあるいはVLBによる攻撃を行います。これにより30秒間の時間差攻撃が確立されます。
時間差による衝突防止は目標上空に長くとどまることになるので、単体の目標攻撃のみに行うべきです。
2-Ship Split Pop Attack, Altitude Deconfliction
高度差による衝突防止は僚機を脅威の中心に晒します。
2-Ship Split Pop Attack, Distance Deconfliction
2-Ship Split Pop Attack, Time Deconfliction
エシュロン・ポップ・アタック
この攻撃方法は、両方の機体が目標に対して同じ方向にオフセットを取ります。この方法では侵入中にエレメントがお互いの視認を維持できます。攻撃中に僚機は目視での編隊飛行が可能になります。
衝突防止は高度差、距離、あるいは時間差をとって攻撃することで確立されます。
両方の機体が適切な地点で目標からオフセットをとります。一機目はVLBなど脅威に晒される時間が最も少ない攻撃方法を使用できます。二機目は高度を上げてのLALDあるいはダイブ攻撃によって高度差をつけます。また、アーキングによる時間差攻撃やLATによる距離のセパレーションも使われます。
2-Ship Echelon Attack, Altitude Deconfliction
高度差による衝突防止は僚機を脅威の中心に晒します。
2-Ship Echelon Attack, Time Deconfliction
2-Ship Echelon Attack, Distance Deconfliction
トレイル・アタック
この攻撃方法は時間差による衝突防止をもたらしますが、侵入中に僚機への目視での支援が出来なくなります。トレイルフォーメーションへの移行は90/90のようなスペーシングマニューバ、あるいは速度調整によって行われます。
どちらの機体もVLBあるいはロフト攻撃によって脅威に晒される時間を短くします。二機目がSAMの発射を見守る中、一機目は投下後に目標から離れます。
二機目の目視での支援を行うため、一機目は侵入してきた方位へ向けて旋回します。これにより目標に対するビーム機動を行いつつ二機目を目視できます。