4月14日(日)、高山特派員便りその1を送稿した高山特派員こと”ひまじん”は午後4時過ぎに、ホテルのフロントのおねさんに、「じゃあ行って来るよ」と一声かけて、カメラ(昔のニコマートのボデーに標準レンズ、広角レンズ、望遠レンズの大荷物)を担いで高山の町にでかけたのでありました。
だれじゃあ!6時頃から屋台の曳き回しが始まると言ったのは。現場(陣屋前の赤い欄干で有名な中橋)にいったら影も形もないじゃありませんか。
うろうろしてたら、いたいた。
上三ノ町通りで2台(全部で10台位あるらしい)が提灯の準備中でありました。
しょうがない。ちょっと取材をしながら時間つぶしをして、パンフレットをふと見ると開始は夜7時となっているではありませんか。
今は5時。くそっ、あと2時間もある。
そこで特派員は現場確認をじっくりした上で腹ごしらえのために、ラーメン屋にはいったのでした。ラーメンは細麺でダシは醤油味の鰹だし(だと思う。淡泊な中にも日本人の心を揺さぶる上品さがあった)。
なかなかうまい。ラーメン屋のおにいちゃんに胡椒をかけて下さいと言われ、胡椒をかけるとうまみ倍増。どうも、最初から胡椒とのコンビネーションを考えているようだ。
ライス付で600円。満腹満腹!
食べながらテレビのニュースと新聞を見てたっぷり時間をかけたつもりで店を出るとまだ6時前。
まだ1時間以上もある。
町はやっと薄暮れてきた。残照が川面を照らし、にぎり拳大のコウモリがさかんに飛び交って川の上の小虫を捕っている。
中橋がかかる宮川沿いの道路(桜の木がたくさん植わっている。桜がさいていたらさぞや美しいだろう)を見ると、カメラ、カメラ、カメラ。早くもアマチュア・カメラマンの陣取り合戦が始まっていたのだ。
特派員は早速、割って入って、何とか撮影ポジションを確保したのです。
ここからが大変。1時間とチョット、日が暮れてだんだん寒さがまして来る。手がかじかんで、足元も冷たい。隣にカメラマン達とはそぐわないアベックが一組いて、いや~んとか、うっふ~んとかいちゃいちゃしている。「ここはおまえ達のいる場所じゃない」とよっぽど言ってやろうとしたが、そこをグッとこらえて、お人好しにも、「幸せになれよな」なんて心で語りかながら屋台を待つのでありました。
7時チョット前、変なおっさんが、「最初の一枚だけ撮らしてくれ、7時26分の電車で名古屋にかえるから」なんて訳のわからんことを言って割り込んできた。ここでも人類愛に燃える特派員は許してやったのです。
日もとっぷりと暮れて、ライトアップされた中橋にチン・トン・シャンと囃子の音が聞こえてき た。
最初は獅子舞。その後から提灯で飾られ、昼間見た研ぎ澄まされた美しさとはまた一味違った屋台がゆるゆると進んできたのです。美しい。若きころの女房を見つめるような感動が走りました?
しばし見とれて、その後、シャッター押しまくり状態。動くたびに提灯がゆらゆらゆれて、屋台の色が微妙に変化するのです。
美しい。20枚位撮った時、ハッと思い出して駆け出しました。もう一つの橋の上(ここからの写真がパンフレットに載っている)からも撮らないといけない。
駆けながらレンズを望遠に付け替えようとしたがなかなかうまくはまりません。やっと、橋の上に着き(この間2~3分)街灯の明かりに照らしながらで半分手探りでレンズの付け替えを完了しました。
対面する中橋を見ると、今まさに、3台の屋台が橋の上に並んでいるところです。シャッターチャンス、シャッターチャンス、カシャ、カシャ。
こうして、特派員はやっと今日の全日程を終えたのです。ちょうど、7時30分。ホテルに帰ってフロントのおねさんに見聞談を話そうと足早やに現場を離れたのです。
平成8年4月14日
写真は「Information HIDA」から引用させていただきました。