成田山新勝寺(なりたさんしんしょうじ)は、東京国際空港(成田空港)で知られる千葉県成田市にあり、関東地方では有数の参詣人を集める著名寺院である。真言宗智山派の大本山で、平安時代中期に起きた平将門の乱の際に朱雀天皇が平将門の乱平定のため、天慶2年(939年)に寛朝大僧正を東国へ遣わしたことに起源を持つ。本尊は不動明王である。
不動明王は大日如来の教令輪身とされ、煩悩を抱える最も救い難い衆生をも力ずくで救うために、忿怒の姿をしている。空海(弘法大師)が唐より密教を伝えた際に日本に不動明王の図像が持ち込まれたと言われる。
元禄14年(1701)建立の光明堂(重要文化財)には、縁結びにご利益ありと言われる愛染明王が奉安されている。この仏様は人間の愛欲を司り、六本の腕に密教法具や弓を持ち、全身が燃えるように赤い色をしています。まさに縁結びの仏様に相応しく、恋を一直線に叶えてくれそうな力があります。
境内には大本堂、三重塔をはじめ多くの重要文化財級の建物が建っている。お参りをしていると何やらお坊さんの行列が本堂から信徒会館のほうに通った。11月も終わりの頃であったが、まだ七五三の参拝客も見られまた、暮れも近づき、お寺さんも忙しい日々であろう。
成田山新勝寺の境内一帯は小高い山になっており、大本堂の裏が、鬱蒼と樹木が茂る成田山公園(入場無料)になっている。開園は昭和3年で、16万5千平方メートルという広大さである。冬は梅、春は桜、秋は紅葉と、自然を残した風光明媚な庭園公園である。
私たちは、順路に従って、大本堂正面の右手から入り、ぐるっと回って、大本堂の左手に出てきた。写真を撮りながらのゆっくりとした足取りで約2時間ほどの散策であった。
入り口付近は、”こもれび”が差し込む鬱蒼とした木立である。薄ぐらい杉木立の間に陽に照らされた紅葉が美しい。
小径を歩いていくと、しだれた枝に紫色の小さな実をびっしりと付けた樹がある。”ムラサキシキブ(紫式部)”だ。光沢のある紫色の実を平安時代の女流作家、紫式部に見立てて、この名前がある。
さらに歩くと広い野原に出る。おばさんたちが木のテーブルで休憩をとりながらお弁当を食べている。この野原の端に枝振りの良い紅葉の樹があった。葉の色は真紅というよりもくすんだ深紅である。
野原から道なりに池のほうに抜けられるようだが、私たちは小径を少し戻って、木立の中の小径を通ることにした。先ほど、入り口付近で見た紅葉を裏側から見ることになる。
小径を下ると「龍智の池」のほとりに出る。やや下り坂の道に、覆いかぶさるように茂った緑、紅、黄のパステルカラーが美しい。真紅の紅葉とは異なった趣がある。
坂を下ったところ右手に、先ほど歩いた小高い丘から滝が落ち、それが小さな小川になって流れる傾斜地がある。ゆったりとした空間に木々がまばらに生えている。地面は黄色い落葉で絨毯のようになっている。
左手は「龍智の池」である。枝振りのよい紅葉が池に覆いかぶさって水面に映える。まるで、絵葉書のようなシーンである。
少し行くと茶屋ある。今日は金曜日で観光客が少なく客は入っていない。茶屋のおばさんたちが手持ち無沙汰に世間話をしている。茶屋の後ろは公園外で民家が建っている。その茶屋の隣に立派なイチョウの樹が立っている。根元には真紅の紅葉が枝を差し掛けている。黄色と紅葉のコントラストが目に焼き付く。
茶屋とイチョウの樹の間に自動車が入れる道が通っている。この公園内には書道美術館があって、この道を通って外から書道美術館に入れるらしい。イチョウの樹の先に、池に流れ込む小川があって、小さいな橋が架かっている。橋の上を歩いていると後ろから自動車がゆっくりと走ってきてびっくりした。橋から下を覗くと、岩が配されて渓谷のようになっている。この小さな世界に渓谷美を再現しているのだ。
橋を抜けると左に「龍智の池」に建つ浮御堂(うきみどう)が見える。浮御堂に立つと、池の周りの景色を見渡すことができる。水面に移る木々の青さや紅葉がみごとである。
浮御堂(うきみどう)
池沿いの小径をぐるっと歩いて書道美術館の前の「龍樹の池」あたりに来た。よく見ると、葉の落ちた桜の木に、小さな花が咲いていた。「川津桜」がもう花を咲かしている。
川津桜
この辺も枝振りのよい紅葉がたくさんある。しかし、ずいぶん歩いた。足の悪い私には限界だ。最後の急な昇り道を一段一段やっと上って、大本堂の左手に出た。
ちょうど13:00頃だろうか?お腹がすいた。 表参道に出て暫く、ウィンドウショッピングをしながら安くて美味しそうな食堂を探した。通りはそんなに込んでいない。ここ成田は内陸部なので佃煮や漬物の土産物が多い。歩いているとうなぎの蒲焼を焼く香ばしい匂いが漂ってくる。平日で、かつ昼を過ぎていたので食堂は空いている。"うなぎの蒲焼"を食べて今日の日程を終えた。
酒饅頭
最後に、お土産にお勧めの一品がある。蔵元・仁勇の酒饅頭である。店頭で蒸したてを食べたら、上品な酒粕の香りがほんのりとして、たまらない美味しさである。
2009/11/27(記)