品質主義の反動、表裏二面主義の崩壊

投稿日: May 05, 2011 2:16:50 AM

最近見聞きする事全て、根底にあるのはこれではないかと思う様になってきました。生活、ビジネス、政策、なんでも、要は「表裏」の使い分けが崩れてきているのです。

ハレとケ、本音と建前、いろんな言葉で日本文化の特徴として言われてきており、日本社会の秩序と性質も、世界に類を見ない均一性とともにこうした二面性を特徴としてきたのですが、今曲がり角を迎えようとしています。

表の面で厳しい品質主義を掲げ、原子力発電所も「事故は起こりえない」と誇り高く言い放つ半面で、致命的な設計ミス(あえてこのように言います)は幾度も指摘され、内部でも声が上がっているにもかかわらず黙殺という行動に出る。これが今回の原子力災害の人災的側面です。

焼き肉屋でも同じことが起きました。本当は流通していない「生食」用の牛肉が、なぜ安い価格で大量に供給されたのでしょう?「本当はいけないんだけど」、「わかってるんだけど〜だから」という裏の行動原理に支配されて事件が起きました。

1990年代から、「グローバルスタンダードに日本を適応させる」という旗印のもと、様々な欧米流のマネジメントが導入されてきています。内部統制、リスク管理、アカウンタビリティ、コンプライアンス。

果たしてこれらはすべて、次世代日本社会にそのまま必要条件となるようなものでしょうか?私は少し疑問を感じます。アジア(少なくとも)では、欧米流、もっというとアングロサクソン流の「管理」(組織内部、人事、安全、情報などあらゆる面で)は馴染まないのでは?