S13シルビア

・概要

バブル期最強のデートカーとして君臨した。

シルビアに乗ってればそれだけで入れ食いだった時代があるらしい・・・

現存する車体はおおよそデートには向かないものが大半を占めている。

CA18型エンジン搭載の前期型、SR20型搭載の後期型に分けられる。

それぞれにNAエンジンのJ's、Q'sとターボエンジンのK'sがある。

・エンジン

・CA18DE、CA18DET

RB26用インジェクター(444cc)が流用可能。R32用ラジエーターも流用可能。

・SR20DE、SR20DET

S15SR20DETのインジェクター(444cc)が流用可能。

FD3Sのインジェクター(セカンダリー?)も流用可能とのこと。

S14タービン、S15タービン流用時はインレットとアウトレットの向きが純正と違うので、市販のタービン流用用アダプターを使うか、それぞれのパイプを切断し溶接するかして向きを変えてやる必要がある。

オイルライン、ウォーターラインは手曲げで現物合わせをするか市販のステンメッシュラインを用いると良い。

タービンアウトレットは一箇所ボルト穴が合わないので長穴加工をするか社外品を購入。

・エンジン脱着について

シルビア系のミッションは、ジャッキとウマでの作業環境ではコネクティングボルトの脱着やミッションを引き抜くのがとても面倒である。エンジンメンバーを緩めてようやくうまくいく感じである。

エンジンブローによる載せ換え作業中にドナーとなるエンジンを降ろすときにミッションを切り離してから降ろしたのだが、もう一度同じ作業をするのかと思い鬱になってクレイジータクシー2に没頭していた。作業しなきゃと思いつつ現実逃避で整備書を眺めていると、整備書にはミッションごと行うと書いてある。

当事日産不信に陥っていたのでどうせこんなの設備の整ったとこじゃなきゃ無理だと思いつつも、楽をするための努力は惜しまないので試してみた。

結論から言うとエンジンとミッションは一体のまま降ろすことができる。ただし、何も工夫せずに吊り上げてもエンジンのヘッドカバーがバルクヘッドと干渉する。

ポイントはエンジンを吊るためのフックを二箇所とも前よりに取り付けること。エンジンのヘッドカバーがバルクヘッドと干渉するので、あとはエンジン降ろすだけとなったら後輪だけ先に設置させることで角度を調整すること。そうすればあとは吊り上げつつエンジンの位置を微調整していくとミッションごと抜ける。吊り上げには金属ワイヤーとチェーンブロック(レバーブロック)を部室の金属の柱にぶら下げて行った。エンジンクレーンがあればもっと楽であると思われる。

#ref(ミッション.JPG)

・かんたんエンジンマウント交換

こんな年式の古い車はたいていエンジンマウントが千切れてるわけだが、オルタネーター側のエンジンとマウントを繋ぐボルトが外しにくい。(SR車の場合。)首振りラチェットが便利。エキマニ側はインテーク外せば楽勝。メンバー側で苦労するならたぶん自分でやるのは無理なので最寄のディーラーかショップ等へ。また、いくらがんばって濡らしたところでゴムが硬いので隙間からうまく抜いたりはめたりできない。かんたんな方法は、ミッションマウントを緩め、メンバーの固定ボルトを緩め、ショックを外す。すると隙間だらけになるので押し込むようにしてギシギシゆするとずっぽりと入ってしまう。

・駆動系

一速と二速の間が開きすぎている。クロスミッションが欲しい・・・

NAの大半のデフはR180型という小型のもので、ターボと一部NA(HICAS車やABS車等)はR200型という大型のものになっている。

コーションプレートのトランスアクスルの欄が、RC○○ならR200、RB○○ならR180。(ただし変態オーナーの手により変態ファイナルを組むためにR180化された車両等もあるの

で要注意)

・AT→MT化

クラッチペダルの取り付け部分は、マーキングがされているのでそれにあわせて穴を開ければよい。

クラッチホース周りのごちゃごちゃした配管は用意せずに、マスターシリンダーからオペレーティングシリンダーまでを一本でつなぐタイプのクラッチホースを用意するとコストもかからずに、ダイレクトなフィーリングに!(なるらしいよ。あまり差は感じなかったけど・・・)クランクからパイロットコンバーターを抜いてパイロットベアリングを圧入する必要があるが、パイロットコンバーターを抜くのにはSST(約10000円!)が必須だった。プロペラシャフトはMT用を装着すればよい。(AT用がS15の6速積むのにぴったりという噂あり。)また、エンジンルーム運転席側のヒューズボックス裏の配線を一箇所短絡させ、バックセンサーの信号線をミッションにつなぐ必要がある。ATとMTでスロポジセンサーが異なるがそのまま使用し、ECUはMT用を使用しているが問題は起きていない。

・ファイナル

S13用R180は4.375、PS13用R180は4.111、S13用R200は4.363、PS13用R200は4.083であり、SR20搭載車にCA18搭載車のファイナルを流用すると加速が良くな

る。最高速が欲しかったらAT用使えば3.7だか3.9になるよ。

・LSD

日産FRはだいたい流用可能。サイドフランジの形状があえば問題無し。14以降のデフケースならば、ふたを13用に変えればよい。14と違いR180とR200でメンバーは共通。(ちなみに15は全車R200)ABSの有無でケース長違うので、それに伴ってぺラシャの長さが変わるので注意。また、リングギアのボルト径が12mmのものと13mmのものがあるので注意。デフ玉から組む場合はサイドフランジの長さ要注意。

・足廻り

・スタビライザー流用

NAとターボ、ハイキャスの有無などでスタビライザーのサイズが異なる。また、リアスタビはGT-R純正流用が安くて強化になる。

・5穴化

フロントハブはS14かS15のナックルごと移植する必要がある。それに伴い、ロアアームの変更が必要で、S14やS15のものだとロアアームが長くなりワイドトレッド化される。これを嫌う場合はR32スカイラインのロアアームを使うとロアアームの長さを変えずに5穴化できる。また、ボルトオン装着可能な社外5穴ハブなども市販されている。リアハブはS14、S15、R32のリアハブがボルトオンである。これらに伴うブレーキの処理はブレーキの項で。

・ブレーキ

フロントブレーキは、CAエンジン搭載車と一部のNAのSRエンジン搭載車で共通で、14インチホイールの装着が可能。SRのターボ車でやや大型となる。リアブレーキは全車

共通。

・ブレーキ流用

・フロント

SRターボキャリパー流用は中古価格も安く、CAやSRのNAにはとりあえず行っておきたいものである。もちろんボルトオンである。R32スカイラインタイプMやS14、S15などの4POTキャリパー(280mmローター用)もボルトオンで、ローターはこれらの純正を4穴加工するか、4穴加工済みのもの(GT-1などから発売されている)を購入すると良い。車両の方を5穴化すれば何の心配も要らない。ブレーキホースは、S14ターボ用を使えば無加工で付く。また、R33スカイラインタイプMなどの4POTキャリパー(296mmローター用)もボルトオンである。ローターについては4穴加工済みのものは見たことが無いが280mmローターの時と同様に対処すればよい。また、GT-Rブレンボとかも付くらしいけど俺らには関係なさそうなんで省略。15インチ履きたいけど5穴がいいとかいうゆとりはキャリパーそのままでS15スペックSのローターでも使ってろ。

・リア

180SX後期とS14以降のシルビアのキャリパーがパッド、キャリパーそのままでピストン径拡大になる。S14のものを流用した際にはサイドワイヤーを引っ掛ける部分を

S13用に交換し、多少干渉するので削って装着した。180SX後期は未確認だが完全ボルトオンでは無いかと思う。ダメなら180後期のサイドワイヤーを使えばシャシーが同一なのでそのまま付くはず。R32、R33、R34、Z32などの2POTインナードラム式キャリパーについては、ドラム機構ごとボルトオン装着が可能で、サイドワイヤーだけリア2POT装着用の社外を購入すればよい。C34ローレル用がそのまま装着可能という情報もあるが未確認。このときブレーキホースはR32タイプM用を使うと無加工で付く。ブレーキの作動方式が変わるので、まともに車検を通すためには構造変更が必要になる15インチ履きたいけど5穴がいいとかいうゆとりはキャリパーそのままでS14やS15の5穴ローターでも使ってろ。