今回は、わいがやってるサークルについて、軽く話そうと思います。
わいがやってる二次創作サークルの、『空想映画館【壊】』って言うのは、実は案外長いサークルです。と言っても、その名義でイベントに露出したことは、そんなないんですけど。
命名元は、わいが高校生の時に作ってた話に出てくる館がモデルです。
その頃、わいがマイクラの、それなりに大きいサーバーをやっていた時に作っていた、ストーリーワールドがあって、その最初のステージが、空中に浮かぶ館でした。屋敷を歩き回って、そこに隠された手記を見つける、っていうのが目的のステージなんですが、それが巡り巡って、それを小説作品として書こうと思い立った時があって。
色々と辛い時期で、中学生の時みたいに、創作が逃げ場だったわいは、そこでどうしようもない自分と決別をしたい、と考えるようになっていました。そこで、わいが小学生の時に作った話の主人公である、大河原悠人(アサルトリリィ二次創作では『曇天を切り裂く花となれ』に出てきた「マンホール男」です)っていう男の、その子孫に、わい自身の分身を殺させようと考えたんです。
元々大河原悠人、って言うキャラは、昔のわいがなりたかった、憧れの人物像なので、その子供に殺させることで、少しでも自分自身が変われるんじゃないか、と、そういう魂胆です。なんで子供にしたのか、というと、世界観設定的に、そうせざるを得なかっただけです。
そうして、それを最終到達点として、着々と話を組んでいる過程で、そのマイクラのワールドの話を持ってくる場面になりました。そこで、敢えて少し改変して、古びた館に、名も知れぬ〝青年〟が住んでいて、そいつが『全ての悲劇の元凶』として、殺さなければ世界が滅ぶ、という設定にしたんです。そんな〝青年〟が住んでいる場所が、『空想映画館』という館です。
結局、その話自体は完結しなかったんですが、その設定が少し好きで、ずっと心の中に残っていました。そうして、艦これの瑞加賀の『晴るる空』という同人誌を出すときに、その名前をサークル名に持ってきました。物語を誰かに見せる、という事は、映画を上映するみたいなもんだと思っていて、だからぴったりだと思ったんです。
ですが、このサークルも長くは続かず、何も変われなかったわいは、その当時一緒にやっていた絵描きさんと、疎遠になってしまいました。その時には、もうわい自身も、自己顕示欲に塗れてどす黒くなって、「なんで創作やってるんだろう」って思うようになっていたのもあって、筆を折りました。そして、もう二度とそのサークル名を使うことも無いだろう、と思ってました。アサルトリリィの二次創作をやるまでは。
それから半年後、色々なものを失って、どん底にいた頃に、アサルトリリィと出会いました。色んな所で書いてますが、サークル『空想映画館』をやっていた頃、同時にやっていた艦船擬人化の話と近いものがあって、わいは何かに突き動かされたように、そのコンテンツにのめり込みました。そうして、そんな過去の悔しさを晴らすならここだ、と信じてただひたすら、アサルトリリィの世界観を色んな所から勉強して、書き続けました。思えば、それが始まりでした。
無名の、何もなかった出来損ないの作家が、死に物狂いで書き続けて、その最終到達点が『曇天を切り裂く花となれ』でした。その頃、わいは色んな人に――多分、後にも先にもこれ以上ないってぐらい――褒めて頂きました。そして、また同人誌を出したい、と考えた時、サークル名を決めなきゃなくて、その時に思い出したのが『空想映画館』って言う名前でした。
でも、わいにとって『空想映画館』って言うサークルは、わいの憧れの人と、短い時間でも一緒にやった大切なサークルで、その人がいない今、一人でやるのは寂しさがあったり、色々と思う所があって、あまりそのまま使いたくは無かったんです。
だから、わいは考えついたんです。その人が無き今、もう跡形もなくなってしまったサークルなんだから、【壊】を付けようと。もう二度と戻ることはないだろうし。そう思って、今の『空想映画館【壊】』という名前になりました。そして、あの時殺そうと必死だったあの〝青年〟は、気付けばいなくなっていました。だから、そう言う意味でも、わいは今その未来に生きてるのだ――そう言う意味でも、今でもその名前を使い続けています。他の誰もいない、わいだけの寂しいサークルです。でも、大事なサークルでもあります。
今後、誰かを入れる気はないです。仮に表紙や挿絵を誰かに頼む事はあっても、その人をサークルにいれようとは思ってません。大事なサークルだから、これ以上壊したくはないです。きっと誰かを入れるその時は、わいがまた憧れの人とやるときだと思います。そんな日は、多分もう訪れないと思いますが。
そんなサークルが、今わいが根城としている『空想映画館【壊】』で、細々と跡形もなく壊れた館で、一人作品を描き続けています。ただ、わいが待ってる『誰か』が、いつか帰る場所が無くなった時に、迎え入れられるように、今日も何処かの空の上で、ひっそりと誰も知らない物語を書き続けています。無い未来を夢見て。
色んな所で使ってる、マイクラで作った『空想映画館』のイメージです。