いずれにしても、壊さなければならない。


あの日、人々は平凡な日常を送っていた。
友と語らい、文句を連ねながら各々の場所に赴き、
そして、愛する人々との時間があった。
永久に続くと思われたその瞬間が、
一瞬にして崩れ去った。
あの、『館』が現れてから。

だからこそ、私は誓ったのだ。
人々の幸せを奪った災禍を、
誰かの夢を弔った元凶を、
誰かにとって大き過ぎる夢を魅せたあの。

『空想映画館』を、跡形もなく壊すのだと。
もう私に、未来は必要ない。