2025年度に行われる予定・行われたゼミのアブストラクト集を掲載しています。4月2日の例会の分から順次、順番に公開していきます。
ただし、掲載されたゼミ内容の詳細は変更される場合があります。あらかじめご了承ください
「緑のない草」(4/1)
先日、南米に遊びに行ってきました。森の中で見られた生き物はどれも珍奇で、皆それぞれ忘れられないインパクトを持っていたのですが、その中でも一際魅力的な草がありました。暗い林床から唐突にニョキニョキ生えるその花を見て、ミステリアスな美しさの虜になってしまいました。4/1(火)のゼミでは、そんな不思議な草(=菌従属栄養植物)の進化についてお話ししようと思います。
「ジュラシック・パークは可能か?—絶滅動物復活の生物学- 」(4/8)
ゲノム編集や生命の創造などについての理解は、近年のゲノム編集・解析技術の進展によって1993年公開の映画「ジュラシックパーク」のときのものと比べてはるかに拡がっています。今回のゼミでは、かなり手垢のついた話題ですがSFなどで盛んに取り上げられてきた絶滅動物復活やゲノム編集についての近年の動向を眺めていきたいと思います。
「発酵とお酒~味噌の話と手作り味噌試食~ 」(4/15)
年末に実施したゼミではお酒の話を延々としましたが、今回は味噌です。
日本食に欠かせない味噌について、教養的なレベルでの話をします。専門的な話はほとんどないので、気軽にお越しください。1月2月の間、部室から味噌臭がすると感じた方も多いと思われます。私のせいです。炬燵で味噌を醸造していました。
結構いい感じの味噌が出来たので、それを持ってきて食べようと思います。
何か付け合わせを持ってきてもらえると嬉しいです。
「発酵とお酒~味噌の話と手作り味噌試食~ 」(4/28)
今回はタイトルの通り、特定の生物や生命現象に焦点を当てるのではなく、
微小な生物や構造のイメージングに欠かせない機器である顕微鏡についてお話ししたいと思います。
皆様ご存知の通り、現代では用途に合わせて様々な顕微鏡が使用されています。
その原理や種類、使用例など顕微鏡を用いたイメージング技術について広くご紹介できればと思います。
基礎的な話が主であるとは思いますが、よろしければご参加ください。
「蔵本モデルから始める数理モデル入門 」(5/13)
蛍の発光、アマガエルの合唱、体内時計など、自然界には様々な時空間スケールで「同期」と呼ばれる現象が見られます。これらの現象を記述する代表的な数理モデルとして、蔵本モデルが知られています。
蔵本モデルは、非線形相互作用をもつ振動子の集団を記述するもので、蔵本由紀氏によって提案されました。今年2月には、蔵本氏が統計物理分野における国際的な賞であるボルツマンメダルを受賞したことでも話題となりました。
「動く遺伝子、トランスポゾンの最先端 」(5/27)
トランスポゾンは転移因子と言われており、ゲノム上を自由に移動するDNA配列です。「生命の設計図であるDNAが頻繁に動いていたら困る!」と思われるかもしれません。しかし、今では多くの生物種のゲノムから発見されています。今回は、動物、植物、細菌などにおけるトランスポゾンの実態をお話しします。また、ゼミ終了後にDNAストラップを作るワークショップを開催する予定です。
「指紋の発生学〜生物の模様はどのようにできるか〜 」(6/3)
指紋は、一卵性の双子ですら異なる、それぞれの人に固有の模様を描きます。全体を俯瞰できない細胞達の集まりが、どうやってユニークな模様を作り出すのか?
「チューリング・パターン」というキーワードに着目し、指紋をはじめとする生き物の模様が、どの様に作られるのかを話します。