2023年度アブスト集

2023年度アブストラクト集

 2023年度に行われる予定・行われたゼミのアブストラクト集を掲載しています。4月4日の例会の分から順次、順番に公開していきます。

 ただし、掲載されたゼミ内容の詳細は変更される場合があります。あらかじめご了承ください

「量子力学と生物学の接点!!」(4/4)

量子力学が支配するミクロな世界は、我々の世界とはかけ離れた面白い振る舞いをします。

生物学の謎の解明に、量子力学の知見が生かされるかも!!


「食卓から始まる生物学」 (4/11)

みなさん毎日3回食事していると思います。食事の中で、ふと「どうしてだろう?」と疑問に思うことはありませんか?今回のゼミでは最初に一品作って、その後レシピの各工程について生物学の視点から掘り下げていきます。具体的には以下の内容を扱う予定です。

・油の話:なぜ食材は油を蓄えるのか?

・唐辛子の話:なぜ唐辛子は辛いのか?

・加熱の話:なぜ加熱するのか?

・トマトの話:未定


「細胞が持つ毛のお話」(4/18)

繊毛や鞭毛は細胞に生えた毛状の構造で、ゾウリムシなどの微生物の印象が強いかもしれません。

ですが、私たちヒトのほぼすべての細胞にも繊毛は生えており、微細な運動やシグナル伝達などの重要な働きを担っていることがわかってきました。

今回のゼミでは、そのような繊毛についてお話ししたいと思います。


「Lです~アミノ酸ホモキラリティーの起源~」 (4/25)

たんぱく質を構成するアミノ酸は、キラル中心を持たないグリシンを除きL体であることが知られていますが、なぜL体がこれほどdominantなのかについてはよくわかっていません。今回は諸々寄り道しながら、アミノ酸ホモキラリティーの起源への様々なアプローチをめぐっていこうと思います。 


「進化から睡眠を考える」 (5/2)

ヒトにおいて生涯の約3分の1を占める睡眠は、パターン等に差こそあれ、他の多くの動物でも保存されている現象です。

睡眠が脳の機能に影響を及ぼしていることは広く知られているかと思いますが

その一方で近年、脳を持たない動物における睡眠に似た状態が確認されています。

今回のゼミでは、その研究の背景にも触れながら、ヒトを含む複数の動物の睡眠 (様状態) と機能についてご紹介します。


「イソギンチャクの系統とクマノミの関係」 (5/9)

イソギンチャクとクマノミの共生はかなり有名なもので、皆さんも知っている方は多いと思います。

しかし、どうして共生できるのかについては不明な部分も多いです。今回の論文ではそれを

イソギンチャクの系統に注目して明らかにしようとしており、それをゼミで紹介します。


「ライフゲーム」 (5/16)

生命とはなにか?

特に地球外に存在するかもしれない生命っぽい“何か“まで考慮すると、大変難しい問題です

今回のゼミでは、生命のような“何か“をシミュレーションし、参加者とともに「生命」の定義を考える会にしたいと思います 

「核酸の生物学」(5/30)

あらゆる生物は遺伝情報としてDNA・RNAという核酸を用い、またエネルギー通貨として核酸のATPを利用しています。本ゼミではDNA合成反応のときに核酸のリン酸結合で何が起きているのか、なぜATPは「高エネルギーリン酸結合」を持つのかに迫っていこうと思います。


「横隔膜はどこから来たのか」(7/4)

意外と知られていませんが、横隔膜は哺乳類にしか存在しない器官です。では、哺乳類特有の器官である横隔膜は、祖先動物のどの器官から進化したのでしょうか? 進化発生学と古生物学を組み合わせてこの問いに答えを出した研究をご紹介します


「システム生物学から見る生命現象」(8/1)

システム生物学とは、生命現象を様々な階層からなる大自由度のシステムの振る舞いとしてとらえ、その特性や動作原理を明らかにする生物学の一分野です。生命現象をシステムとして理解する試みは生理学などで古くから繰り返し行われてきましたが、システムの構成要素への理解が乏しい時代に確立されたため、現象論的な理解にとどまっていました。しかし、近年遺伝子やタンパク質といったシステムの構成要素の知見が急速に明らかになり、生命現象をシステム的に理解できる可能性が大きく高まりました。

今回のゼミでは生物の外界への適応や細胞の分化といった生命現象を取り上げ、これらの現象に関わる基本原理を探る研究について解説したいと思います。


「ウイルスを観る」(8/8)

人類はどのようにウイルスを発見したか?

そしてどのようにして目に見えぬそれの存在を検証し観察してきたか?

今回のゼミでは、科学技術の発展とともに変化してきた我々のウイルス像の変遷を追いかけます 

「ドーパミンの多様性」(8/15)

これまでドーパミンは"報酬予測誤差"をコードすると考えられていましたが、近年はドーパミンの機能は報酬予測誤差だけにとどまらず、非常に多様であることが分かってきました。

報酬予測誤差とは何か、近年わかってきた多様なドーパミンの機能を紹介したいと思います。


「シュレディンガー『生命とは何か』を読む」(10/3)

物理の世界で名を馳せるシュレディンガー。実は生物に関する本も残しています。今回はそんなシュレディンガー「生命とは何か」を読み解き、生命科学は物理・化学の観点からどのように説明されるのか、や、当時のシュレディンガーがどのように生命科学を捉えていたのか、現在と理解の異なる点はどこかについて紹介します。 

「ハネカクシの化学生態学~学部3年間の研究活動を通して学んだこと~」(10/10)

非モデル生物の「ハネカクシ」という昆虫を研究する演者が学部での研究活動を通して、学んだこと・大変だったことなどを話してみます。学部1年生から現在までの研究内容・興味の変遷に重点を置いて話す予定です。分野は進化・生態などのマクロから、分生や生化学・有機化学になるかなと。 

「 核核しかじか-核小体再構成の未知-  」(10/24)

我々の遺伝情報を担うDNAを保存する核、そのなかにはさらに小さな構造物がいくつも存在します。今回はその一つである「核小体」に注目し、いまだ謎の多いその役割や構造変化の仕組みに迫ります。


「新種アーキアの発見から報告まで」(11/21)

演者が先日発表した微生物は、100℃という超高温でも増殖可能な「超好熱」アーキアでした。本ゼミでは、アーキアとはどのような生物なのか、またこの菌の発見から報告までがどのように行われ、どんなことがわかったのかをお話しします。


ミニマリスト細菌」(12/5)

地球上の様々な環境に幅広く存在し、ゲノムが短く多くの遺伝子を欠く寄生性の細菌、Candidate Phyla Radiation(CPR)の発見の経緯と、少ない遺伝子での生存や外敵に対する防御のための戦略について解説します。


「 細胞膜とは何なのか」(12/19)

生命を生命たらしめるリン脂質二重膜は祖先から細胞分裂の度に引き継がれるという物理的連続性を持っていますが、例えば古細菌と真核生物では全く異なる結合様式を使っています。今回のゼミではそんな細胞膜の進化や生命機能との関わりについて考えていきます。


「転移因子の進化と機能」(1/9)

真核生物ゲノムには多様な転移因子が存在し、ゲノム進化をよりダイナミックなものにしています。今回のゼミでは転移因子による宿主機能の進化について紹介します。 

「クラゲの学習について」 (1/16)

学習は動物に広くみられる現象ですが、異なる刺激を結びつけて行動を変化させる連合学習 (associative learning)には、複雑な神経系が必要だと考えられてきました。しかし最近、脳を持たない刺胞動物においても連合学習が成立する可能性が示唆されました。

そこで今回はクラゲの学習に関する論文を紹介し、考えていきたいと思います。

「京都府立植物園で観察される植物たち」(1/16)

京都大学の近隣には、日本でもトップクラスとされる京都府立植物園があります。この植物園で観察される植物のうち、見ていて楽しい植物を発表者独自の観点で選出し、その植物の特徴や関連知識をご紹介いたします。