むかしむかし、ユダヤの国に、ヨナと言う名前の青年が居ました。ヨナは、体が丈夫で元気な青年でしたが、少しやる気がなくて、少しズルい人でした。たとえば、5つの荷物を運ぶ仕事をしているときに、4つだけ運んで、ノートには「5つ運んだ」と書いておくような人でした。分かりにくいって?そうですねえ、仕事はするけどいつもちょとサボって、勉強はするけどいつも忘れたふりをして宿題をしなくって、怒られるのは嫌いでほめられるのが好きで、勉強は嫌いだけどテストではいい点を取りたくて、仕事はサボるのに「頑張ってるねえ」って言われたくて、っとまぁ、そんな人でした。
その頃のユダヤの国は、戦争中で、みんな苦しんでいました。アッシリアと言う大きな国が、この小さなユダヤの国に、たくさん兵隊を送ったり、建物を壊したり、宝物や食べ物を奪ったり、悪いことをいっぱいしていました。アッシリアの兵隊はみんな体が大きくて、乱暴で、怖い人たちばかりでした。ユダヤの人は、とても怖がったり、悔しがったり、悲しんだり、不安になったり、していました。
ある日、ヨナは礼拝に行きました。特に行きたかったわけではありませんが、みんなが行くから行きました。みんなでお祈りしました。「神様、アッシリアをやっつけて、ユダヤの国を守ってください。」ヨナも、みんなに合わせてお祈りしました。礼拝の途中で、偉い先生がみんなにお話ししました。「神様はきっと私たちを守ってくださる。私たちは神様の言うことには従って、みんなのために戦わなくてはならない。怖がってはダメだ!」みんな、「そうだ!そうだ!」「アーメン!アーメン!」と口々に叫んでいました。ヨナも、みんなに合わせて「そうだー」とつぶやいていました。
礼拝の中で、みんなが静かにお祈りをする時間がありました。神様が、一人一人の心の中に語り掛けてくださる言葉に、耳を傾けるのです。ヨナは今まで、神様の声を聞いたことがありません。それでもみんなと同じように静かにしていました。すると突然、心の中で、大きな声が聞こえました。「ヨナよ!」太くて大きくて、地面の底から響いてくるような声です。きっと神様の声に違いありません。その声は続けてこう言いました。「アッシリアがどれほど悪いことをしているか、私はよくよく知っている。苦しみ叫ぶ人々の声が、私の耳に入っている。ヨナよ!お前は、アッシリアの都、ニネベの町に行くのだ!行って彼らに私の言葉を伝え、悪をやめさせるのだ!」ヨナはびっくりしました。神様が自分に話しかけてくるなんて、考えたこともなかったからです。さっき、偉い先生が言った「神様の言うことには従って」と言う言葉が、心に浮かびました。神様の声が、また響きます。「ヨナよ!ニネベに行くのだ!分かったかーーーーー!」ヨナは、心の中で、神様に答えました。「分かり………ませーーーーーーん!」そう言って、礼拝堂からダッシュで逃げ出しました。「冗談じゃない、ニネベに行ったらきっと殺される。そんな仕事なんて、やってられるかーーーー!」心の中で叫びながら、街の中を走っていました。心の中で神様が語ります。「こら、ヨナ!逃げるんじゃない!どこへ逃げても、私は全部見ているぞーーーー!」確かにそうです。神様は空の上から、みんなのことをいつも見てらっしゃいます。ヨナは「おっと、いけない!」と叫びながら、できるだけ、家の屋根や木の枝、大きな荷物の陰に身を隠しながら、逃げ回りました。これなら空からだって見えないでしょう。さんざん逃げ回って、とうとう町の端っこ、海に面した港までやってきました。ヨナは港にとまっていた一隻の船を見つけると、大急ぎでお金を払い、船の中に入り込み、一番底の小さな部屋に飛び込みました。「ここなら神様だって見つけることはできないだろう。」ヨナは少し安心しました。いっぱい走ってきたので、心臓はドキドキしていましたが、しばらくたつと落ち着いてきました。すると今度は眠たくなってきました。船は港を出て、進みだしました。波に揺られ、ヨナはすぐに、すやすやと眠ってしまいました。
「おい、起きろ!なに寝てるんだ!」ヨナはいきなりたたき起こされました。目の前には、すごい顔で怒っている船乗りさんがいます。「船が沈みそうだ!お前も手伝え!」見ると、窓の外では雨と風が吹き荒れていて、スゴイ波で船がひっくり返りそうなぐらい揺れています。船に乗っている人はみんな、必死になって、バケツで水を船の外に出したり、荷物を捨てて船を軽くしようとしたりしています。船長さんが言いました。「こんなにひどい嵐は、今まで見たことがねぇ。きっと神様が怒ってらっしゃるんだろう。誰か神様を怒らすようなことをしたか?」みんな黙っています。ヨナも黙りました。「みんなでくじを引いて、当たった奴から話を聞こう。」船長さんは、ロープの端っこを切って細い糸にして、一本だけ端っこに結び目を付けて、人数分のくじを作りました。みんなでくじを引くと、ヨナの引いた糸に結び目が付いていました。ヨナは心の中で思いました。「きっと、正直に言ったら、みんな分かってくれるさ。『よく正直に言ったね』とほめてもらえるかもしれないぞ。」そしてみんなの前で、今までのことを正直に言いました。すると、みんなの顔はみるみる内に怖くなってきました。みんなが言いました。「何てことをしたんだ!お前のせいじゃないか!」まるでヨナを殺そうとするかのように、めちゃくちゃ怒っています。「これはヤバイ!作戦変更!」ヨナは、今度は思いっきり偉そうに、胸を張って、大きな声で言いました。「わーはっはっはっはっ!実はワシは、世界を創られた偉大な神、ユダヤの民が信じている主なる神様の、偉大な預言者じゃ!ワシが命を掛けて神様にお祈りすれば、きっとこの嵐もたちどころに収まり、静かな海に戻ることだろう。」みんなは言いました。「よし分かった!俺たちのために命を掛けてくれ!」そしてヨナの手足をつかんで、海に放り込みました。「ワーーーーーーー!」ドッポーン!ヨナは嵐の海にもまれて、あっちへこっちへ、上へ下へ、めちゃくちゃになりました。「く、苦しー!助けてー!」叫んだ口から水が入り、息もできずに死にそうです。「ゴボッ、ゴボッ!だ、だれか…、ガバッ、ガバッ!助けて…」沈みそうになりながら船を見ると、船の辺りだけ急に嵐が止んで太陽が差し、海も静かになってきました。船の上でみんなが、目を閉じて体を小さくしてガタガタ震えながらお祈りしています。けれどもヨナの周りは、まだ嵐のままです。ヨナが苦しくて沈みそうになった時、心の中に大きな声が聞こえました。「ヨナ!大丈夫だ!私がお前を助ける!」ヨナはそれが神様の声だと気づきました。「か、神様…あ、ありがと…」溺れながらも手を合わせてお祈りしようとしたとき、目の前の海面が、大きく盛り上がり、まるで山のようになりました。その中から出てきたのは巨大な魚。大きな口を開いてこちらに向かってきます。ヨナは叫びました「わーー!ぎゃーーー!」パクっ!…ヨナはサカナに食べられてしまいました。
ヨナは目を覚ましました。周りは、暗くて、ぬるぬるしていて、臭くて蒸し暑いです。「どこだ?ここは。」だんだん頭がはっきりしてきて、今までのことを思い出してきました。ヨナは巨大な魚に食べられました。そうです、ここは魚のお腹の中だったのです。「ひえーーーー!魚に食べられるーーーー!」もう、食べられているのですが…。「神様、助けてください!私を魚の中から出して下さーーーーい!」ヨナはひざまずいてお祈りしました。必死になってお祈りしました。こんなにまじめにお祈りしたことは今までありません。頭に浮かんだお祈りの言葉や、バラバラに覚えている聖書の言葉を、全部使ってお祈りしました。いっぱいいっぱいお祈りしました。何時間もお祈りしました。けれども、神様は何も仰いません。そのうち、ヨナは落ち着いてきました。そうしたら思い出しました。魚に食べられる前に、神様が心の中に語り掛けた言葉を。「ヨナ!大丈夫だ!私がお前を助ける!」なんだか少し安心しました。いつの間にか、ヨナは眠っていました。…目を覚ましました。多分、次の日の朝でしょうが、魚のお腹の中なので時間が分かりません。ヨナはお腹が空きました。すると、急にザバーっと水が入ってきました。その水の中に、小さな魚が一杯いました。巨大な魚が、食べたのでしょう。ヨナはその中の一匹を取って、ガブリとかじってみました。新鮮でおいしいです。ヨナは次々と魚を食べました。お腹はいっぱいになり、大満足です。だんだん、魚のお腹の中も悪くないと思えるようになりました。暗いとは言え、ぼんやりと光があります。臭いとはいえ温かいです。魚は意外と静かに泳いでくれるので、小さく揺れるのが心地よいです。ヨナは少しご機嫌になってきました。その内、眠たくなって眠ってしまいました。…目を覚ましました。多分三日目です。ヨナは今までのことを振り返って、考えてみました。じーっと考えていると、こんなことが心に浮かんできました。「僕は…神様に守られているんだ。」嵐の中でも魚のお腹の中でも、大変でしたが、無事に過ごすことができました。神様の声を聞いて町の中を逃げているときも、急いで船に乗った時も、危ない目にはあいませんでした。またそれまでも、今までちょっとサボって、ちょっとズルしながら生きてきましたが、それでも楽しく元気に暮らすことができました。自分はずーーーっと神様に守られてきたんだ、と思うと、心が嬉しくなってきました。そして神様から逃げてきたことが申し訳なくなってきました。「神様の言うことには従うこと。」礼拝堂で聞いた言葉は本当でした。ヨナは、お祈りしました。「神様、どんな苦しい時でも、いつも私を守ってくれてありがとう。私はこれから神様の仰ることに、喜んで従います。」その時、心の中の、遠くの方で、声が聞こえました。「魚よ、ヨナを陸に立たせなさい。」ヨナの目の前が急に明るくなりました。魚が口を開けたのです。魚のお腹の中がウニっと動き、押し出されるようにヨナの体が外に出ました。そこは、明るく、きれいで、静かな陸地でした。ヨナは魚のお腹から出ました。魚はゆっくりと海に戻っていきました。
ヨナの心に、神様の声が響きました。「アッシリアの都ニネベに行き、私の言葉を伝えるのだ!」今度はヨナも逃げません。心も体もすっかり神様のものだ、と思っています。これからは、神様の言うことにしっかりと従うつもりです。ヨナは長い木の枝を拾い、それに自分の上着を縛り付けて、大きな旗にしました。広げた上着に、草の汁で作った絵の具で、こう書きました。「神様の声を聞きなさい!」ヨナはその旗を手に持って、高く掲げながら、歩いてニネベに向かいました。ニネベは大きな町でした。高い壁が町を囲み、町へ向かう門には、怖そうな兵隊が立っています。ヨナは勢いよく門に近づきますが、いざ兵隊の顔を見ると、怖くて中に入ることができません。こっそり旗も隠しました。兵隊が言いました。「何だ、お前は!」ヨナは「ひえーーーーー!」と叫んで逃げてしまいました。ヨナは別の門に近づきました。そこでも同じように逃げてしまいました。次の門でも、その次の門でも同じでした。そのうち、夕方になり、暗くなってきました。ヨナは、町から離れた森の中で、こっそり眠ることにしました。次の日は、朝早く起きて、兵隊が来る前に門を通ろうとしました。けれども、早すぎて門は閉まっていて入れませんでした。明るくなって兵隊が来ると、やっぱり怖くて逃げてしまいます。次の門でも、その次の門でも同じでした。また同じように夕方になって、同じように森で眠りました。朝になりました。ニネベに来て三日目です。「神様の言うことに従います!」と心に決めてニネベに来たのに、まだ何にもできていません。ヨナは自分が情けなくなり、そして改めて決心しました。「今日こそニネベで神様の言葉を伝えるぞ!」旗を固く握り、体にギュッとくっつけて、町に向かって歩き出しました。怖い兵隊が立っている門に行きました。「何だ、お前は!」ヨナはめちゃくちゃ怖かったのですが、震える足でギュッと立ちながら言いました。「私は神様の言葉を、ニネベの人々に伝えるために来たのだ!」すると、兵隊は言いました。「そ、そうでしたか、失礼しました。どうぞお通りください。」ヨナはお辞儀をする兵隊にびっくりしながら、門を通り、町の中に入りました。町の中は、人が一杯で建物もいっぱいで、牛や馬や他の動物もいっぱいで、とても賑やかでした。みんな体が大きく背も高く、すごく力がありそうです。ヨナにとっては、みんな怖い人に見えます。「この人たちがみんなで襲ってきたら、あっという間にやられてしまうぞ。」そう思うと、怖くて仕方なくなり、逃げたくなりました。けれども、今日の決心は変えられません。ヨナは町の真ん中に着くと、足を踏ん張り、旗を高く上げ、背筋を伸ばし、自分の中で一番大きな声で言いました。「神様は怒ってらっしゃるぞ!今すぐ悪いことをやめて、悔い改めよ!そうしないと、すぐにでも神様はこの街を滅ぼされるぞ!」町中の人々が、一斉にヨナの方を向きました。みんなの目は大きく開いていました。みるみる間に顔は真っ赤になってきました。そして、みんな殆ど同時に言いました。「わーーーー!大変だーーーー!すぐに悪いことをやめて、悔い改めるぞーーーー!」みんな、手に持っていた物を放り出して、走って家に帰りました。きれいで贅沢な服を脱ぎ、一番貧しい服に着替えて、自分の持っているお金や食べ物を貧しい人に分け与え、借りている物は返し、喧嘩をした人には謝り、みんな仲直りをしました。ヨナの言葉はアッシリアの王様の元にも伝えられました。王様は言いました。「今すぐ戦争をやめて、兵隊は家に帰りなさい。他の国から取り上げたものは返し、壊したものは直しなさい。傷つけた人々には謝りなさい。これからは誰も悪いことをしてはならない。みんな、心から神様にお祈りしよう。そうしたら、神様も思い直してくださって、私たちは滅びないで済むかもしれない。」そうしてニネベの町の隅から隅まで、アッシリアの国中でも隅から隅まで、全ての人も、全ての動物もお祈りを始めました。(動物には、きっと人間が側について、一緒にお祈りしたのでしょう。)みんな心の底から、熱心にお祈りしました。これからは悪いことはしません、世界のみんなと仲良くします、とお祈りしました。何日も何日もお祈りしました。それを見た神様は、ヨナの心の中に語り掛けました。「ニネベの人々に、こう言いなさい。『神様はあなたたちを赦しました。これからは平和に過ごしなさい。』」ヨナは神様の言葉をみんなに伝えました。みんなは喜んでお祭りを始めました。そしてそれから、ニネベの人々は、悪いことをせず、世界の人々と平和に過ごすようになりました。
ヨナは怒ってました。カンカンにはなっていませんでしたが、プンプンとは怒っていました。神様はヨナの心に語り掛けました。「何を怒っているんだ。」ヨナは心の中で言いました。「別に、何も怒っていません。」神様は言いました。「やっぱり怒っているじゃないか。何を怒っているんだ。正直に言いなさい。」ヨナは言いました。「じゃぁ言いますけどね、私のやったことはバカみたいじゃないですか。私は怖い思いをして、死ぬほどの苦労をして、必死になって神様の言葉を伝えたのです。いつ殺されるかとヒヤヒヤしながら、それでも神様の言うことに従おうと頑張ったのです。それなのに、ニネベの人々は、あっさりと、すぐに悔い改めました。こんなんじゃ、私の苦労は全く意味がありません。神様が誰かに手紙の一つでも書かせたら、それだけで悔い改めたことでしょう。私がここまで苦労したんだから、最初に言った通り、ニネベの町を滅ぼすか、せめてひどい罰を与えるぐらいしないと、私の気は収まりません!」神様は、優しい声で、でも本当は少し寂しそうな声で、ヨナの心に語り掛けました。「お前は怒るが、それは正しいことなのかい?」神様の声は、ヨナの心の耳には届きませんでした。
ヨナは、ニネベの町から少し離れた、小高い丘の上に小さな小屋を作って、そこに住み込みました。朝になると小屋から出て、丘に座って町の姿をじっと見ていました。ヨナは心の中で思っていました。「嵐がやってきて、ニネベの町が壊れてしまえばいい。病気が流行って、ニネベの人々がバッタバッタと倒れたらいい。それとも私が、物を投げたり棒で叩いたりして、町を壊してやろうか。」ヨナは一日中、町をにらみつけていました。
その日はすごく暑い日でした。太陽の日差しは熱く、丘の上に座っていると、熱くて倒れそうになるほどでした。神様は丘の上に一本の、とうごまの木を生えさせました。とうごまは、あっという間に大きくなって、涼しい日陰を作るほどになりました。ヨナは喜びました。「あぁ、涼しい。これで楽になった。神様ありがとう。」ヨナは夕方までご機嫌でした。次の日の朝になりました。神様は、虫たちに命じてとうごまの木に登らせ、こう言いました。「虫たちよ、木を食べてしまえ。」虫たちはとうごまの葉っぱも幹も、根っこまで全部かじってしまいました。とうごまの木はボロボロになり、わずかに残った根も幹も葉っぱも、すっかり枯れて、バラバラになり、風に吹かれて、跡形もなく消えてしまいました。ヨナは、怒りました。今度はカンカンに怒りました。せっかく涼しくなったのに、また燃えるように暑い太陽の光に照らされるのです。神様はヨナの心に語り掛けました。「お前は怒るが、それは正しいことなのかい?」ヨナは答えました。「もちろんです!腹が立って腹が立って、怒りで死んでしまいそうです。」神様は言いました。とってもとっても優しい声で言いました。「お前は、自分で育てたのでもなく、自分で苦労したのでもない、とうごまの木を、とっても大切にして、枯れてしまったことを、とっても悲しんでいる。それならば、どうして私が、ニネベの町を大切にしないわけがあるだろうか。ニネベの町に居る、あのたくさんの人も、たくさんの動物も、全て私が作り、私が育て、私が守ってきたんだ。」
その言葉を聞いた時、ヨナの目の前が真っ白になりました。本当に真っ白になったのではありません。目は開いていましたし、体も元気です。でも何を見ても何を聞いても、心に入ってこなくなったのです。心の中は、神様の言葉で一杯になりました。いや、言葉じゃありません。ヨナの心の中にいっぱいになったのは、神様の優しさでした。神様は、全ての人を造り、全てのものを造り、昼も夜も決して休みことなく、すべてのものを守り、育てておられたのです。神様は、すべてのものを、これ以上ないくらい大きな愛で、いつも愛しておられるのです。そして、この私も、神様に愛されています。ずっとずっと愛されています。それなのに、私は、わがままばかりで、自分勝手で、神様に文句ばっかり言って…。私は何てバカだったんだろう。そんなバカな私を、神様は何と大きな愛で愛して下さるんだろう。あぁ、あぁ、神様ごめんなさい、神様ありがとう!
ヨナの心は、あったかくなり、熱くなり、ぐるぐる回って、スゴイことになって、ヨナの頭も体もスゴイことになって、そしてヨナは倒れてしまいました。丘に居た、鹿やヤギなどの動物たちが、ヨナを小屋の中に入れて、守ってくれました。ヨナは三日間眠ったままでした。そして目を覚ました時、ヨナはすっかり別の人のようになっていました。ズルい所やサボるところがすっかりなくなりました。仕事も勉強も真面目にするようになりました。そして何よりも、心からお祈りするようになり、誰にでも優しくするようになりました。ヨナはその後何十年も生きて、おじいさんになって、神様の御許に行きました。