魔界都市京都 壱

 金色に輝く金閣寺こと鹿苑寺をはじめ、壮観な景色が眺められる清水寺、ミステリアスな雰囲気を漂わせる伏見稲荷大社など京都にはたくさんの観光地があります。今年入学した多くの人はそれらの観光地に足を運ぶでしょう。

 しかし、京都には一般に有名な観光地のほかに、夜に行くことで魅力を感じられる、いわゆる心霊スポットも多く存在します。今回はその中からある心霊スポットを紹介しようと思います。 

 その心霊スポットは深泥池(みどろがいけ)というのですが、名前自体は知らない人が多いかと思います。しかし、深泥池にまつわるある怪談はオカルトや都市伝説に興味がある人なら知ってるんじゃないかと思います。

とある小雨の降る深夜、一台のタクシーが病院付近で、髪が長く全身ずぶ濡れの女性を乗せた。運転手が行き先を聞くとその女性は「……深泥池まで」と返事をした。

 目的地へと近づいたころ運転手が料金メーターを確認し、ふとルームミラーを見ると先ほど乗せた女性がいなくなっていることに気づいた。運転手がタクシーを止め後ろを振り向くと、確かに女性はいなくなっていた。しかし、女性が座っていた場所には何本もの長い髪の毛と濡れた跡だけが残っていた……。 

実際に起こった事件

 実はこの怪談にはもとになったある事件があります。

 時は1969年、京大病院前で雨に打たれた女性を乗せたタクシーが深泥池につくとその女性はいつの間にか消えており、恐ろしくなった運転手が交番に行ったところ、その女性の捜索が行われました。結局その女性の行方は分からなかったそうです。しかし、その事件があった日にある女性が京大病院で亡くなったそうなんですが、その方は深泥池周辺の出身だったそうです。

 この事件は、当時新聞に載ったそうです。

深泥池について

 深泥池にまつわる怪談をつらつらと書いてきたわけですが、深泥池がどんな場所なのかも紹介しておこうと思います。

 深泥池は京都市北区上賀茂にある周囲約1,500m、面積は約9haの小さな池です。 読み方は「みどろがいけ」と呼ばれることがほとんどですが、「みぞろがいけ」と呼ぶこともあるそうです。

 実はこの池、なんと14万年前の氷河期から存在してたらしく日本最古の池なんだそう。そのため深泥池には氷河期の動植物が今でも生息しており、1927年には水生生物が国の天然記念物になりました。また、1988年には水生生物だけでなく昆虫や野鳥などの深泥池に住むすべての生物が天然記念物になりました。このように、深泥池には学術的に価値の高い池でもあるのです。

深泥池とそれにまつわる怪談について書いてきたわけですが、なんとこの深泥池は工繊から徒歩で行ける距離にあります

↓工繊の正門からの行き方

怪談や心霊スポット等が好きな方は、是非一度足をのばしてみてはどうでしょうか。 

著者:いつみ