本ホームページの紹介内容は、北海道大学 創成研究機構 同位体顕微鏡システムをご利用・またはご利用を検討頂いてる皆様へ向けた内容となります。
上記以外で所有の同一装置(仕様が同一であっても)において、本マニュアルの内容に沿って操作やエラー解決などを行った場合の結果についての保証、および起因して生じたトラブルについての責任は負いかねますこと、ご承知おきください。
初版作成:上杉 2023年11月21日
KEYENCE製 VK-X200 形状測定レーザー顕微鏡
本マニュアルの対象装置は、02-121室に入ってすぐ左側にある「キーエンスVK-X200」のみです。
同実験室を入ってすぐ右側にある同社製「VK-9700」は、共用機器管理センターの所有装置で使用申請や予約が異なり、使用方法も異なります。
VK-X200の使用講習を受けた後でも、VK-9700は使用出来ませんので、ご注意ください。
上記の表の補足です
・Zステージのストロークとは、セットできる試料の高さ制限を表します。これ以上の高さがある試
料はセット出来ませんので、ご注意ください。
・X-Yステージのストロークとは、セットできる試料の大きさ制限を表します。これより大きなサイズの試料はセット出来ませんので、ご注意ください。
① 装置コントローラ前面のpowerスイッチを押す。
② 制御PCの電源を入れる。
③ 電動X-Yステージドライバ裏面の電源を入れる。
④ デスクトップアイコン「観察(Observation)」をクリックしてソフトを起動する。
→ソフトの起動中画面が表示され、コントローラ上部のACCESSランプが赤く点灯します。
その後、メインウインドウが表示されます。
⑤ 起動後、X-Yステージの原点出しを行なうか聞いてくるので、必ず「はい」を選択する。
⑥ ランプ交換時期のインフォメーションが出たら、「閉じる」を押してそのまま続けて使用する。
(*)ランプの在庫はあります。
使用中に切れてしまった場合は、IILスタッフまでご連絡下さい(TEL:9174)。
⑦ メニュー画面の「画像観察」を選択する。
⑧ 最も低倍率のレンズに切り替わってることを確認し、レンズにぶつからないように注意して試料をステージに載せる。
ピントを合わせて行く時の注意点としては、通常の顕微鏡と同じです。
ピントを合わせて行く際は、レンズに近づけていくのではなく、まず目視で試料がレンズに当たらない所まで近づけて、そこからレンズから離していく方向でピントを合わせて行って下さい。
試料をレンズに当てない様に、注意して作業して下さい。
⑨ 画面を見ながらZ軸ステージダイヤルを回して、ピントを調節する。
「ピント・明るさ画面」上の矢印、またはマウスのホイールでもピント調節を行うことができる(右写真)。
自動で行う場合は「オートフォーカス」をクリックする。
2024/02/20追記
レンズと試料の距離に注意して下さい。
「自動上下限設定」、 「自動で明るさを調整する」機能を使う時は、レンズと試料の距離に注意して下さい。
レンズと試料が接触する事故が発生しています。
⑩ 観察場所への移動(ステージの移動)は、X-Yステージダイアログの矢印をクリックして、ステージをサンプルの測定位置へ移動する。
または、画面上で移動したい場所をマウスでダブルクリックすることによっても移動する。
⑪ 画面の明るさは、本体の左側面にある「APERTURE SHUTTER」の開度で調整する。
便利な機能:画像連結
試料面積が大きく、最低倍率で観察しても試料の全体像がつかみにくいことがあります。
その場合は、画像連結機能を使用すると便利です。
これは、今見えている領域の周辺の画像を自動で取得してくれる機能です。
1回行うと、元の画像領域を中心に、周辺8つの画像を取得します(合計9つ)。
そこから再度取り込むと、さらにその周辺17領域を取り込み、合計25領域となります。
(以降、繰り返し)
画面右上の表示の通り、低倍(10倍)のレンズに切り替え、画像作成ボタンを押す。
現在の視野が表示されるので、「より広い視野を取り込む」のボタンを押す。
自動で周辺8視野の画像が取得される。
左写真の状態から、続けて「より広い視野を取り込む」のボタンを押すと、さらに周辺の視野の画像が取得される。(以降、繰り返し)
連結領域をマニュアルで設定することも出来ます。
その際は、「連結領域設定」のボタンを押して、設定画面に入ってください。
(詳細はメーカーマニュアルを参照して下さい)
本機の3Ðデータのチューニングは50倍レンズにて行われています。
10倍レンズの低倍で、3Ðデータの取得は機能上出来ますが、結果の信頼性が低下します。
よって、低倍で観察する場所に移動したら、倍率を20倍以上に変更して、再度ピント合わせを行ってください。(*)10倍レンズは観察用としては使用可能です。
① メニュー画面の「形状測定」の簡単モードを選択する。
② 測定にあたり、高さ範囲を自動で行うか、手動で行うか、設定出来る。
高さ範囲を自動で行うか手動で行うか。
高さ設定を自動で行っても良好な結果が得られることは多いです。
自動で設定した結果を見て、範囲を変えたい場合、下記の方法で手動で設定する事も可能です。
ただし、手動の場合、以下のデメリットがあります。
・高さ範囲を広くしすぎると、測定に時間がかかる
・試料とレンズの距離が近い場合、レンズがぶつかる条件を設定してしまう可能性がある
高さ範囲の設定を自動で行う場合
③ 高さ範囲の設定を自動で行う場合、「詳細」を開いて内容を確認し、必要に応じて設定を変更する。
(*)詳細画面
④ 設定など問題なければ、「測定開始」ボタンを押す。
⑤ 最後に確認メッセージが表示されるので、前回の設定を引き継がない場合(当日最初の測定の場合など)、「自動」をクリックすると測定が開始される。
高さ範囲の設定を手動で行う場合
⑥ 高さ範囲の設定を手動で行う場合、「高さ範囲の設定」をクリックする。
⑦ 上限を設定する。
画面を見ながら、↑のボタンを押して、画像が完全にぼやけるまでクリックしていく。
(*)↑1つがレンズの移動距離が小さく、↑の数が多くなるにつれて大きくなる。
⑧ 完全にぼやけた場所を上限にする場合、「上限設定」ボタンを押して値を設定する。
⑨ 次に、下限を設定する。
画面を見ながら、↓のボタンを押していく。
対物レンズが下方向に移動し、ピントが合った状態に戻り、その後また、再度画像がぼやけていくので、完全にぼやけるまでクリックしていく。
(*)↓1つがちいさく、↓の数が多くなるにつれて動きが大きくなる。
⑩ 完全にぼやけた場所を下限にする場合、「下限設定」ボタンを押して値を設定する。
⑪ 手動で高さ範囲を設定した場合、おおよその処理時間が下部に表示されるので、確認する。
⑫ 「測定開始」をクリックすると、処理が開始される。
上限・下限位置のセット後は、Z軸ステージハンドルを操作しないでください
上限・下限位置のセット後に手動でステージを上下させると、保存した位置がずれてしまいます。
① 測定が完了すると、測定結果が画面上に表示される。
この測定結果を保存出来る。
ファイル→測定結果を保存を選択し、任意のフォルダを選択するか新規作成し、任意の名前を指定して保存する。
拡張子:vk4のファイルが保存される。
必要に応じて、画面右下の撮影機能を使って画像を保存する。
保存される画像は、jpgなどであるので、他でもいろいろ利用できる。
① 測定が完了すると、測定結果が画面上に表示される。
この測定結果を保存出来る。
ファイル→測定結果を保存を選択し、任意のフォルダを選択するか新規作成し、任意の名前を指定して保存する。
保存すると、解析ソフトDataAnalysis(5,高度な解析で使用)が自動で立ち上がる。
拡張子:vk4のファイルが保存される。
測定結果を解析するため、観察ソフトで「測定結果を解析する」をクリックする。4,簡単な解析が可能。
データは、PC内に自由に保存してもらって大丈夫です。
また、データの持ち出しに関しては、PCに直接USBメモリを差してもらって大丈夫です(同実験室を入ってすぐ右側にある同社製「VK-9700」はそれが認められていません)。
なお、PCのデータは予告なく削除する事があります(ウィルス感染して初期化する、HDD容量確保のため、など)ので、各自データは毎回持ち帰って、自分で管理する様にして下さい。
「測定結果を解析する」の下に、プロファイル設定、粗さ計測の項目が表示される。
この機能を使うことによって、簡単な高さ測定や粗さ測定を行うことが出来る。
解析後、プロファイル計測をクリック。
2点指定、垂直線などを選び、画面上で任意の点をクリックして線を表示させることで、画面右側にその間の高さなどを数値や図で表示する。
解析後、粗さ計測をクリック。
2点指定、垂直線などを選び、画面上で任意の点をクリックして線を表示させることで、画面右側にその間の線粗さなどを数値や図で表示する。
「解析アプリケーションで解析する」をクリックする。
解析アプリケーションが立ち上がり、右の様な画面になる。
まず最初の作業として、画面上部のツールバーにある「ノイズ除去」「傾き補正」「フィルター」の3つを全て実行する。
・ノイズ除去
ノイズ除去ボタンを押すと、右の画面が表示されるので、通常はそのままOKをクリックするだけで良い。
(*)詳細は、リファレンスマニュアルの6-16ページを参照して下さい。
・傾き補正
傾き補正ボタンを押すと、右の画面が表示されるので、通常はそのまま実行ボタンを押して、閉じれば良い。
ただ、平坦な試料などで傾き補正が出来ない場合は右下の様な表示が出るので、OKを押して閉じれば良い。
(*)詳細は、リファレンスマニュアルの6-20ページを参照して下さい。
・フィルター
フィルターボタンを押すと、右の画面が表示されるので、通常はそのまま実行ボタンを押して、そのまま閉じれば良い。
(*)詳細は、リファレンスマニュアルの6-24ページを参照して下さい。
その後は、プロファイルを選択すると、様々な解析を行うことが出来る。
プロファイルを選択した時の画面。
表示画像は、レーザー+カラー、カラー、レーザー光量、高さ、から選ぶことが出来る(初期画像はレーザー+カラー)。
カラー
レーザー光量
高さ
簡単な解析の時より、多くのパターンを組み合わせて解析する事が可能である。
この解析結果を保存出来る。
ファイル → 測定結果を保存を選択し、任意のフォルダを選択するか新規作成し、任意の名前を指定して保存する。
拡張子:rptのファイルが保存される。
通常の測定では、3章で説明した簡単モードで、全てオート設定で行うことにより、最適な結果が得られます。
一方、エキスパートモードを使えば、簡単モードと比較していろいろ詳細設定が出来ます。
① 測定モードで、表面形状以外に透明体も測定可能。
② 測定サイズの選択肢が広い。
③ ラインで測定、面で測定、以外に、帯状で測定が選択出来る。
④ 測定品質の設定を選べる。
⑤ ピッチを選べる。
⑥ 簡単モードでは選択できなかった、レーザーの明るさの設定が可能。
測定する試料の状態、得たい結果により、選択してください。
(*)①から⑤までの詳細はメーカーマニュアルを参照して下さい。
以下、⑥のレーザーの明るさの設定方法を説明します。
簡単モードで所望する結果が得られなかった場合は、設定変更してみてください。
倍率を20倍以上にして、サンプルを観察したい領域に移動し、ピントを合わせる。
ピントは、光の反射が出来るだけ高い場所で合わせる。
メニュー画面から、形状測定→エキスパートを選択し、クリックする。
カメラの高さ範囲の設定を行う。
ここの操作は、簡単モードの高さ範囲の設定を手動で行う場合と同じなので、ここでの説明は割愛する。
ここまで設定して、測定予測時間を確認し、問題なければ「測定開始」をクリックすると、形状測定→簡単モードで行ったと同じ結果が得られるので、同様に解析する。
(解析方法はここでは省略。上記の記述箇所を参照)
レーザーボタンをクリックする。
光学顕微鏡画像が、レーザー画像に切り替わる。
レーザー画像が表示されない時は明るさを上げる。
光学顕微鏡画像でピントが合っていた部分だけが、レーザー画像ではモノクロ表示される。
レーザー画像が表示されない時は、レーザー画像を確認しながら明るさを調節する。
「自動で明るさを調節する」も選択可能。
レーザー画像の明るさを上げると、赤い部分が表示される。
これは光量が飽和している部分を表している。
赤色が表示される部分が現れる手前ぎりぎりの明るさに調節する。
ただし、明るさを最小値にしても赤い部分が消えない時は、照明フィルターの値を変更し、フィルタ透過率を減衰させてから調節する。
カメラの高さ範囲の設定を行う。
ここの操作は、簡単モードの高さ範囲の設定を手動で行う場合と同じなので、ここでの説明は割愛する。
測定設定の「RPD」チェックボックスが有効になっていることを確認する。
(*)詳細は、リファレンスマニュアルの6-33、6-69ページを参照して下さい。
ここまで設定して、測定予測時間を確認し、問題なければ「測定開始」をクリックする。
結果が表示される。
メニュー下部の測定結果表示をクリックして、
・高さ
・レーザー
・カラー
・レーザー+カラー
・C-レーザーDIC
・3Ð
と画像を切り替えて表示できる。
ツールバーのファイルから「測定結果を保存」を選択して、任意名のフォルダを作成し、そこに各自データを保存する。
すると、自動で解析ソフトが立ち上がる。
この後は、簡単モードの解析と同じ様に、いろいろと解析出来る。
ここでの説明は割愛する。
サンプルがレンズに当たらない様に、まずはステージをしっかり下まで下げる。
最も低倍率のレンズ(10倍)に切り替える。
サンプルをステージから降ろす。
画面上部メニュー「ファイル」→「アプリケーションの終了」をクリックし、ソフトを終了する。
制御PCをシャットダウンする。電動X-Yステージドライバ裏面の電源を切る。
装置コントローラ部前面のpowerスイッチを切る。使用記録簿に記入する。
整理整頓する。