曲の指定テンポ モデラート 普通の速さで
調性 ニ長調
拍子 4分の4拍子
小節数 24小節
演奏順 リピートあり 三部形式
全体演奏小節数 48小節
演奏時間 ♩=120 約1分40秒
解説
今までとは、うって変わった音の並び方が出てきます。デリカートと書かれた表情記号があり、また2音間のスラーでもって上行していく音列と指変えなど、繊細なテクニックが要求されています。実際に音にしてみると、優しい感じと、かわいらしい感じがします。弾き方としては、しなやかな上下運動の使い方でもって弾き、また同音反復の部分で指を交換するところはあまり高くしないで弾いた方が良いと思います。スッーと抜く感じで、とにかくいたわるように弾くのが良いです。
2小節目に左手も加わり、落ち着いたと同時に、右手の下行進行が出てる。
これはすぐに左手が受け応える。このフレーズは、次のフレーズのつなぎと
して、この曲にはたびたび出てきます。しかしこの動きのフレーズが後に変
化をしてポリフォニーの動きへと誘うので、この右から左へ呼応する感じを
よくつかんで欲しいと思います。
また右手のアクセンティシモは、しっかり響かせるように親指の支えを借りて、おおきく手を広げながら手首の回転を利用して手首のリアクションでタッチしてください。ただそのときに乱暴な音にならないようにしましょう。3小節目は、下行の動きになります。1小節目と同じ手首の使い方で弾きます。同じ音を使って下行していることで、前の問いに対しての答えをしているかのようにも聞こえます。4小節目は2小節目と同じである。このことから2小節単位でもって出来ていることがわかります。これを4小節単位、8小節単位としてフレーズをまとめて演奏していくと大きなスケールを持った演奏に作り上げることが出来ます。
5小節目の左の4分音符は前小節からのフレーズで丁寧に。右手からポリフォニー的な受け答えのフレーズになっています。ここは左手も、右手に寄り添うが如くに弾くことです。常に横へ流れる感じで進む。両手で弾くと、どうしても左手が棒弾きになってしまいますから、左手のみの練習は欠かせません。
1つずつ見ていくと、割と子供が一人で弾くと難しいと感じるところが多くあります。左手1拍目の4分音符ファ#は親指が黒鍵になります。ここは、手首の位置を少し高くして。指使いで1から3、4から1などの注意。両手においては小節目1拍めの右手の親指飛び越しと左手の指使いと、注意が必要になる。両手の関係を見ていくとリズムの違い、メロディーの流れの食い違いなどがある。このポリフォニーの動きをよく見つけだすことである。こういう難しさから、自然と音楽の流れに慎重さが出てくる。このことが正にこの曲の曲想にマッチしていると思います。
最後の4分音符の右手のファ♯は、小さい手の場合は左手で弾く方が簡単です。
後半のはじめ、左手はいきなり大きな音で弾かずにメゾフォルテは右手に付いているものとして、
2分音符をよく響かせるように弾いた方が良いと思います。左手のここからの2音を結ぶタイは、ぶつぶつしないで弾きましょう。イメージのひとつとして、左手の音の動きは、風にそよそよ吹かれて花が揺れている感じがします。
やさしく音をいたわる感じで弾かれると良いかもしれません。
ここの部分はあくまでも丁寧に、装飾音は鍵盤そばで少しうかして、はじくように弾くとよいと思います。少し難しいかもしれませんが、ここの指使いは1回目レ(2)ミ(4)レ(3)(2回目も同じ指使い)で弾くとハッキリとした音で弾けます。出来なければ隣同士の指で弾きます。2分音符はしっかりと柔らかく響かせて8分音符へ導くように。左手の4分音符の和音はそっと鍵盤をおろして丁寧に穏やかな音で弾きたいです。
再現部へつなぐ2小節は右手で、diminepocorall(だんだん小さくそして少し緩やかに)とあるので、慌てないで、穏やかな気分で弾きましょう。また最後の部分は、ポルタートがあります。このポルタートは少し重めのタッチで、手首の軽いリアクションのタッチでもって演奏します。また、意外にジグザグの動きをするので、今、自分が
どこを弾いているのかわからなく学習者もいるようです。
ですから、2拍単位でしっかりと音の運びを理解して指になじませたうえで
演奏しましょう。この小節(この曲全体とでも言おうか)の語り口調のメロディーの処理の仕方は、今後出てくるいろいろな音楽の表現においての基礎になると思うので、よく勉強しておきたい部分(曲)です。
再現部は前半と全く同じで、最後の小節の4分音符も丁寧に弾きましょう!4分休符は音が消えていくのを耳でよく聞いて、余韻を感じて聞こえなくなってから鍵盤から手を下ろすように弾くと良いと思います。また、この曲は、指使いをしっかりと守って弾くことが大切です。一つで
も食い違うと指が足りなくなってしまいます。
この曲の実際に演奏して心地よいテンポは1拍120くらいで。
前の曲でも取り上げていますが、テンポは、それぞれ個人的な趣味趣向があるので、決定的なテンポというものはないと思いますが、肝心なのは無理なく自分の音が聞けるテンポで、曲に合い、気持ちよく感じるられるテンポがふさわしいと思います。