曲の指定テンポ アレグレット やや速く
調性 ヘ長調
拍子 8分の3拍子
小節数 35小節
演奏順 7~14小節リピート8~30小節1括弧
全体演奏小節数 57小節
演奏時間 付点4分音符=72 (ウィーン原典版による)
解説
最初の6小節は、おしゃべりをする人たちが徐々に集まってくる様子を表しているようです。ここの部分は属音の響きから始まっています。ですから聴いている人は、これからどういうことが起こるのだろうかと期待をします。
またこんなことも考えられます。これから席について.「さぁ、お話をしましょう」という感じです。とにかくワクワク感が伝わってくるようです。次に、楽譜を見ていきますと、まず左手のオクターブはゆったりと響かせたいところです。慌てないことが大事です。
また、右手の付点4分音符とタイの音は、しっかりと途中で音を消さないように注意することが大事です。最後のシソは少しゆっくりしましょう。
楽譜に書いてあるように弾きましょう。そうすることによってリズムがきっちりと刻むことができます。強拍にあたる音は少し深めにタッチをすることによって、指をスムースに切り替えることができます。4小節目の左手の和音は山形の記号アクセンティシモですから、しっかりと指を立てて軽くつくような感じで響かせます。また右手の跳躍進行はしなやかな手の開き、5の指でしっかりと鍵盤を狙って弾きます。4小節目の右手の2拍目から3拍目の7度の広がりは、よりいっそうのしなやかな手の広がりが求められます。
楽譜右手の1小節2小節目の動きは、1回目は同じドの音を2回連打しましたが、ここではドからソへ跳躍しています。ですから8分音符を弾いた後すぐに、1オクターブ下に手が移動しなければなりません。それに伴って音はクレッシェンドになります。4小節目は回転音を伴う動きでフレーズを次に結びつけます。一連の右手の連打のおしゃべりはリピートをした後に、次は左手の連打ができます。
その前にまず右手の連打の弾き方について考えてみましょう。
ここでは、順に中指人差し指親指と続けて弾いた後、手を広げて小指を打鍵します。この繰り返しをする中で親指のポジションについて考えなければなりません。中指を弾くときに親指の位置がどこにあるのか?すぐに弾くことを考えたときには親指は中指の後にあった方がいいと思います。中指を打鍵するときには、少し高い位置から打ち下ろすように弾き始めそして素早く指を代えていきます。このときの手首は少し高めで、もちろん力を抜くことが大事このときの手首は少し高めで、もちろん力を抜くことが大事です。もしくは、3本の指を寄せたかんじにして、鍵盤を次々に連打しても良いかと思います。
左手の16分音符ですが、強弱記号がピアノという指示になっているので、この連打を軽やかに聞かねばなりません。左手はどうしても動きがぎこちないので、まず、考えなければならない事は、上記の事と同じように左手も、少し手首を高くして、1指と2指の交互奏をスムーズにすることがポイントとなります。そして気をつけなければならない事は、テンポがあげられないからといって、力任せに強引に弾かないことです。
まず、ゆっくりと練習を重ねた後にテンポを速めていきましょう。
また、右手の3度のメロディーは、上の音をレガートに下の音より若干大きく弾きます。そうすることによってここの部分は、旋律がきれいに聞こえます。上記楽譜の後半2小節の右手は呼吸をするような感じで弾くと良いと思います。4分音符は息を吐く、そして8分音符は息を吸うと言う感じで。そうすると、自然なデクレッシェンドが出来ると思います。
右の楽譜の左手の16分音符は、連打から少しメロディアスな音型に変わっています。右手
は3度でフレージングが少し難しいです。小節の3拍目に少しアクセントをつけて次の音に向かった方が表情が豊かになります。ちょうどここではクレッシェンドがついているので音楽の盛り上がりも作りやすいと思います。
上記の楽譜の右手の動きは、書いてある指使いを守ることですが、ここでは親指くぐりと指間の縮みのテクニックが少し必要です。音楽的にはおしゃべりの主要主題に戻る橋渡しになる部分にあたります。急いで弾いてしまいがちですが、慌てないでテンポを一定に保って弾くことが大事だと思います。
上記の楽譜は後半部分に当たりますが、内容は、もう一度主題を繰り返し、第一括弧にて繰り返しをし、そして第二括弧以降に入り連打の音型を主和音の
音を順にとって(ラ、ド、ファ、ラ)上がり、4回繰り返した後、主音の音でもって終わります。ここで左手の和音は右手に伴ってクレッシェンドをしてい
きますが、邪魔にならないような響きを作ることが大切になります。
以上全体を見てまいりましたが、連打の部分にはスラーがかかっていることがわかります。唯一左手のみが連打の部分ではスラーがありません。ですから右手の連打はスタッカートでは無いということです。イメージとしてしい音では無いということが分かってくると思います。おしゃりをしているの
ですが周囲に迷惑をかける程、「大きな声でしゃべっているのではない」と言うことです。あくまで、優雅に、品よくお話をしている感じがこのことからわかります。ですからテクニック(指のメカニック)としてもスムースな指換えが求められますし、また、しなやかな手首と柔軟性をもった肘と腕を使って弾かねばなりません。ゆっくりと一つ一つの指の動きを意識しながら弾く練習を多くしてほしいです。