曲の指定テンポ
調性
拍子
小節数
演奏順
全体演奏小節数
演奏時間
解説
今まで、勉強してきた、いろいろなピアノのテクニックの総合的な仕上げの曲です。和音での跳躍や、速いスピードのユニゾンでの音階、3連符などを、一定のテンポでリズムを正確に最後まで弾ききることの難しさがあると思います。また、曲中にある様々な音型が、どんな場面であるかをしっかり想像した上で、場面に応じてどのように弾くか、表現するのかがポイントになります。
最初2小節。馬がギャロップしている感じがします。和音の跳躍が続きます。簡単な音型ではありますが、正確に鍵盤の位置を捉えて弾きたいです。いかにも気高さ、優雅さ、気取った感じがありますので、気品が感じられるよう表現できると良いかと思います。
スタッカートの弾き方で、雰囲気が変わります。
弾き方として、基本は、キーに触れて指を軽くはじくようにして、ジャンプするように弾くことがまず必要かと思います。
それから出た音に対して、どれくらい音の大きさが良いか?また、どれくらい手をジャンプをしたらイメージに合う音になるかを、自分の耳で確かめながら何回も弾くことが大事だと思います。このとき腕は上に上がりますが、腕に力が入らないようにすることです。手首はしなやかにしておくことで和音の響きをきれいに保つことが出来ると思います。
この部分が何回も出てきます。ですから、ここの音の弾き方次第で曲のイメージの全体を決定してしまうぐらいに重要な所だと思います。
2小節目のリズムですが、休符にあまり意識しすぎないことです。16分音符が次の8分音符の前打音のつもりで弾くことで、休符をとることが出来ると思います。初めて出てくる4.分音符にかかるレガートは、丁寧に弾きましょう。ここがメロディーが横に流れる一瞬の場所です。ここから感じ取れる雰囲気は、優雅そのものではないでしょうか?3小節にまたがってレガートになっていますから、次につながるように弾きたいです。
また、音楽がつながっているのを感じていることが分かるように、右手の上の音を少し大きめに弾きましょう。
2段目の2小節目から3小節目に変わる部分では、スラーがありません。
上の段との違いを考えてみましょう。
上の段では音楽が始まったばかりですから、まだ続きがあるようにするためにレガートがつながっていたと思います。しかし、2段目は1段落つけるため(終止へ向かう)にスラーを区切り、次の小節から同じ音からはじめ、終止に向かう雰囲気を作り出そうとしていると思います。弾いているときの気持ちとしては、8小節目を少しテンポを緩めたくなり、落ち着いた感じになると思います。そして次の準備に入る気持ちを整えます。
ここは、3連符による音階の練習と考えられると思います。オクターブそのままではなく、2つめの音を飛び越して弾く少し変則的なものになっています。左手は4番の薬指を使わないことで音の響きが偽楠悪することは少ないと思います。3連符の部分においてここで使う指が右手1番2番3番にそして、左手5番を加えた形に限定しているところに注目です。まずは、しっかりとした安定した響きを継続して一気に駆け上がるようなイメージで弾けたら良いのではないでしょうか。3連符の後の右の和音は、軽く手の形を決め軽くはねる感じで。4分音から8分音符の所のスラーは、4分音符に少しタメを感じて8分音符で軽く抜く感じで弾くと良いと思い ます。このパッセージを2回繰り返します。2回目の最後の右手の4分音符8分音符のタイの音は、しっかり響かせたいです。2段目は前回出てきたところと同じです。
右手の3連符はなめらかさが必要なところです。流れるように馬が走る情景を想像できると思います。音楽が優雅に聞こえるようにするためには、指で鍵盤をなでるように弾くと良いと思います。半音階の部分は、指示されている指番号を守り、スムーズにつながるようにしてください。左手は、保持音がありますのが、あくまでピアノの音量での全音符の長さです。大きすぎないように調整して打鍵しましょう。また、親指の連打の音は、鍵盤が戻ってくるのを感じながら、軽く鍵盤を弾きましょう。4.分音符のスタッカートは短すぎないように気をつけて。最後の2小節の右手の音階はあわてやすくなりがちです。少し落ち着いて弾くようにしましょう。また次の小節の上行していく音階は、伸びやかな雰囲気が出せると良いですね。最後の4.分音符のスタッカートは、勢いがつよすぎて押さえつけないようにしましょう。
後半に出てくる次から次へと難しい音型があります。まずは交互奏です。拍子をしっかり取ってリズムよく弾きたいものです。それには一つ一つの音をまずしっかり打鍵して鍵盤の位置をしっかり定着させた後に、ピアノ(弱く)の音量にしてだんだん速く弾くようにします。3連符を伴った交互奏も同じ注意が必要です。特にリズムが崩れやすくなりますから、まずしっかりと、楽譜通りに両手でリズムをたたく練習をしてから弾くようにすると、うまく弾けると思います。このようにただ鍵盤のみで弾こうとせずに、基本であるリズムを、体に覚え込ませてから弾くことも忘れないことです。
最後のクライマックスの部分です。華麗になるように弾きたいですね。16分音符の仕上げがここの部分、いやこの曲全体の印象を決定してしまいます。まずはゆっくりとリズム変奏練習、たとえば、付点の練習。逆付点の練習、スタッカートシンコペーションリズムでの練習などをして指が転ばないように(音が不規則になり均等にならないこと)することが必要です。後半のユニゾンは左手に合わせて弾くとずれにくくなります。右手の勢いで弾こうとするとどうしてもずれてしまいがちになります。締めの和音奏は決然ときっぱりと弾ききっていきましょう。堂々とたっぷりと響かせたいですね。腕と手首のしなやかさを利用して、打鍵した瞬間の手首のリアクションを最大限に利用しましょう。
英語版 北村智恵 (解説)