曲の指定テンポ アレグロ・マ・ノン・トロッポ
調性 ト長調
拍子 4分の4拍子
小節数 30小節
演奏順 リピートなし
全体演奏小節数 30小節
演奏時間 ♩=138 約53秒
解説
まず楽譜を見てみましょう。今までとは明らかに難しいと感じる楽譜です。しかし、リズムは同じ調子になっていますから、リズムの変化に惑わされることはないと思います。ただ、常に左手が速い交差を要求される曲です。最初に左手の動きの練習をします。その時の右手はアルペジョになっている音は和音に変えて、その右手の上をすれすれに左手を移動させる事を何回も繰り返します。全曲を通じてこの練習をしてみてください。また、音を弾かずに、左腕を左右に動かす練習も繰り返しします。
メロディーについては、常に右手の3つの音を軽くしなやかに弾いているところで、左手が、和音の支えになるバス(低音)の音とは別に、右手の上へ移動した高音の音がメロディーに相応するようです。ですから、左手だけでもどのような音の運びになっているかをつかんでおくと、メロディーラインがわかり、手の移動の方向が分かります。また、上記の楽譜で2段目の2小節目からの左手はわりと高音域まで弾き4分音符で弾きます。ですから左腕を深く右の方へ交差する必要があります。そのためには勢いが必要になりますから、バス(低音)の音をしっかり打鍵し、その反動を利用します。そして、体の向きも真正面ではなく、若干右方向に向く形になると思います。
ここの部分も先と同じ要領で弾くことになると思います。
また、3段目の3小節目D(レ)音を弾くときには相当深く左腕を入れ込むことが必要になります。体も右側に傾けて弾かなければ、小さい子供では難しいと思います。ですから、足の支えをしっかりして、ふらつかないように体を支えることが大事になります。また、胸の向きを2時方向にすることで弾きやすくなるでしょう。ここでの、高い音域での左手のタッチの仕方ですが、軽くはじく感じで弾くとツバメが空高く舞い上がるイメージを彷彿させる部分にも見えます。
また、その音の音が、すぐに右から左へ急降下しますから、体の向きをすぐに反転する必要があります。ここで高音域を弾いているときの体の向きは2時方向を向いていると思います。それをすぐに12時の向き(真正面)に変えることです。ここでは体の敏捷性が必要となります。また、反射神経を鍛える良い場所といえるのではないでしょうか。左腕を左右に動かし続けることで、子供にとってはとにかく忙しいと感じ、体がフラフラしてしまいます。両足で踏ん張って体全体を支え、腰をしっかりとさせる必要性が、練習している間に子供にも分かってくると思います。
全体を見渡していえることは、右手は左手が交差しているときには、常にふらつきやすい状態になりますので、指をしっかり立てて弾くことで音がハッキリします。また、親指を打鍵するときにアクセントが付きやすくなります。そのようにならないように、指をキーからあまり離さず、出来ればキーにおいた状態で弾くとアクセントは付きにくくなります。
3つの音を軽く左右に、ゆりかごのように揺らすように弾くと軽快なレガートで弾けると思います。
ここでの左手は、重い響きにならないように、鍵盤に手を近づけた状態で、指を軽くはじく感じで弾きましょう。
最後の2小節は、4分音符の長さに注意をしてリズムを崩さないようにしましょう。
この曲をスムーズに弾くには、早く暗譜をしてしまうことが必要でしょう。
ある程度のスピードがこの曲には求められているのですから、まず暗譜を最優先に取り組むことです。
英語版 北村智恵 (解説)