曲の指定テンポ アレグロ・ヴィヴァーチェ 速く生き生きと
調性 ト長調
拍子 4分の4拍子
小節数 16小節
演奏順 1~8小節リピートフィーネ有り、9~16小節ダ・カーポ
全体演奏小節数 32小節
演奏時間 ♩=176 約42秒
解説
モルモレンドというあまり使われない音楽標語が出てきます。意味は「ささやくように」と今までより、いっそう指が鍵盤に対して繊細なタッチが必要にな
ります。
全体が3連符の音の流れが支配して柔らかく、小川がさらさら流れるように感じて弾けることが求められています。そのためには、手首を柔らかにして手首の旋回運動を伴いながら、1拍ずつ指を少し動かし弾いていくとスムーズに流れるように弾けます。また、フレーズは2小節単位となっています。
また、テンポの指定も速い上に、右手の保持音を伴った3連符。左手のオスティナートの刻みを、同時にそれもよくコントロールした両手で弾く事ができるか、出来ないかで曲のイメージがずいぶんと変わってきます。
最初に、どのように取り組むかを考えてみましょう。
1 譜読みの段階で1拍を和音として音読みをします。そして響きの移り変わりを知ることです。
2 右手4分音符のみと左手の音で大まかなメロディーの流れをつかみます。(その時、左手の音は右手より少し小さく弾きます。)
3 3連符のみの練習をします。
4 4分音符の保持を伴った3連符の練習をします。
5 両手でゆっくり合わせて弾きます。
6 少しづつ弾く速度を速くしていきます。
9小節目からは左手がメロディーになっており、右手は左に優しく寄り添うかのように動く。ここでの左手の最高音は、右手のラの音より高い音にいくと音楽的なバランスが崩れる可能性があります。ですから、必然的にソの音が左手のメロディーの最高音になります。ここは1フレーズが4小節単位にまとまっています。
4分音符と休符付き3連符の動きが7小節進んだ後に、右手に下行音階が出て最初に戻ります。
9小節からの左手と右手の弾き方は、左手の音だけを譜読みをすますが、Pをあまり意識せずにまず音のメロディーの響きの移り変わりをよく感じて、特に井が付いた音とその前後の音に耳を傾けて、響きの変化のニュアンスを感じ取って弾いてほしいところです。指の少し柔らかいところで鍵盤に触れて弾くと響きの良い音になると思います
1フーズを4小節単位にとって音の動きを見てみると1回目の4小節目に大きな起伏がある事が分かります。
ここの2つの音をよく感じてたとえば、
左の赤枠楽譜4分音符レ・ソの部分が左手の山に当たります。
2回目の15小節目のソのは下行進行になって緊張がほぐれていき最初に戻るような感じがします。互いの3小節目の左手の4拍目の音の違いにより、次の音楽の進み方が変わる曲です。この曲で、音楽は1つの音で次の音楽の流れを激変させることが出来るのを経験するでしょう。また、暗譜をする際に気をつけるべきポイントにもなります。
では、お互い、その前の11小節部分の左手4拍目に当たるところをみると1回目はド#、2回目はソです。前のドではつぎにもう一度上ろうという感じがします。
では、お互い、その前の3小節部分の4拍目に当たるところをみると1回目はドで、2回目はソです。前のドではつぎにもう一度くりかえしをしようととする感じがします。しかし、2回目に出てくるソでは上行の最高音に当たり頂点になっていますから、終止の音に導かれるように聞こえます。
このようにして左手のメロディーの動きをつかんだら、今度はそれに加えて右手の3連符の2つの音を、あたかも左の音につながっているかのように、なめらかに弾きたいとこです。そのような音を出すためには、右手の最初の音はしなやかな手首でもって、鍵盤に指をそっと降ろすようにして弾き、次の音をそのままの動きにつれて指を鍵盤に降ろす感じに弾けば、イメージした音が出しやすくなると思います。
前後してしまいましたが、前半は、4分音符の保持を伴った3連符も上記の弾き方を利用して弾きます。
ただ、右手の親指で4分音符を保ちながら弾くようになっていることから、やはり手首のしなやかさがよりいっそう必要になります。手首の動きの基本は左旋回で弾くことによって、巧い具合に親指に自然と重みが加えられます。それを上手に利用することでなめらかに弾き進めることができます。親指は常に力任せではなく、形を整えてしっかりと支えた状態になっていることが大事のなってきます。
後は自分の耳でもって、小川がスムーズに流れるような感じが音からわかるようにごつごつしないで弾くことが出来るように、しっかりとしたイメージを保
ちつつ、何回も練習を積み重ねることです。
演奏は原典版では♩=176であるが、あまりにも子供の手では現実的ではないので♩=158ぐらいがよいのではないでしょうか?速く指が動きコントロール
ができるようであれば、♩=166で良いとおもいます。
いずれにしろ、この曲の表題である「清い流れ」の風景が弾く人の頭の中にイメージ出き、その感じが自分の弾いている音で、そのように聞こえてくるかが大切になってくると思います。