曲の指定テンポ アレグロ 速く
調性 ハ長調
拍子 4分の4拍子
小節数 16小節
演奏順 8小節目リピートおよびフィーネあり 9小節目~16小節ダ・カーポ
全体演奏小節数 32小節
演奏時間 ♩=132 約56秒
解説
前の曲において「左手でも音階練習をしておくとよい」と、書いていた事がここでしっかりと成果を出せると良いかと思います。10度平行の音階が勢いよく弾き出される様は、正に進歩の表れを示すかのようですね。
一気呵成に弾きたいところですが、どうしても左がギクシャクしまいがちになります。しっかりと左右が合うように練習をしましょう
★音階練習方法
1 左手のみ慣れるように、いろいろなリズムでの練習。付点のリズム等
2 両手においては指番号が違っているので、指くぐりの部分を集中的に部分練習する。
3 慣れてきたら、テンポを少しずつ速くするが、とにかく左手の動きに合わせるようにして弾くとズレにくくなります。
以上に気をつけることで音階はきれいに弾けると思います。
こつとしては、若干左手の音を少し大きめにすると、音に安定感が出ます。
・3拍目の8分音符のスラーの切れ目は、アクセントが付かない程度でスタッカートで弾くとよいと思います。
・2小節目は開始音が高くなり同じ繰り返しをします。
・3拍目の右手の5-2の指使いは、スタッカートで手首を使ってポジションを移動させるとよいではないでしょうか。
・2小節ともに8分音符の2度上行・3度下行進行の響きは、頭の音に少し深いタッチを用いて歌うニュアンスを少しつけたいですね。
3小節目に、ここでもう一つのねらいである跳躍進行が出てきます。腕を硬くしないようにしてなるべく指の動きだけで弾けると良いと思います。
4小節目は左手に跳躍進行が出てきますが、ここも指のスタッカートの練習と考えた方がよいと思います。
ですから、左手に集中できるように右手は全音符でしっかりとした音を出すようにして、もちろん力任せでなく、よく響く音で弾きましょう。また、左手の音が音楽的に、右手の音を受けて左手に受け継がれ遠くへ消えていく様を現しているように聞こえると良いですね。
★スタッカートの練習について
スタッカートはいろいろな音楽シーンに使われるので、まず基本的な弾き方ンに使われるので、まず基本的な弾き方を練習してみましょう。
1 鍵盤から少しあげて、指を素早く手首を使って鍵盤を突っつく弾き方。(手首の運動)
2 同じようにして、今度は指だけで鍵盤をはじくように弾く弾き方。
この二つはあまり音量が出せない弾き方である。(指の運動)
3 次は、もっと大きな響きを必要なときの弾き方です。
これは手首をリバウンドさせるような弾き方で、1と同じような感じですが、スピードに違いがあります。速いとそれだけでも大きく音が出せますが、
それと同時に手首の重さと打鍵位置の高さを高くして弾くとよりいっそう大きな音が出せます。
また鍵盤に指を置いておいてからジャンプするように弾くことでもスタッカートになります。
4 連続した動きを伴った腕によって弾くスタッカートを弾く方法
これは、複合的な使い方になると思います。流れの中で指の少しのはじきと、腕の落下によって弾かれるスタッカートです。
ここではこの弾き方になりすね。
大まかに、4つに分類しましたが、スタッカートは演奏者によっていろいろな音色を出せる武器にもなるので、いろいろな弾き方に挑戦して欲しいと思います
曲に戻りますが、左手の下行進行をうけたあと、最初と同じフレーズが繰り返されます。そして、若干の変化を受けて前半部分が終わります。
最後の扇形に広がる音階は、対称型の指使いになるので、外に広がるにつれてクレッシェンドになりますが、そのときには指先に手の重みを掛けるようにして弾きましょう。16分音符は1番から5番までの指を順に広がっていくので、だんだんと手の重みを掛けないと響きが薄くなってしまいます。
それを防ぐために指先に(鍵盤に)重みを掛けていくわけです。また、音のバランスも体勢が不安定になりやすいのでしっかりと足で体を支えることも大事になります。そして、最後の音はフォルテで5番の指で弾くことになります。力任せに弾くと指が痛くなってしまいますので、両手とも親指の爪が表に見える感じ
になるようにすると良いかと思います。
この華やかな響きを引き継いで、アクセントを伴った右手の跳躍進行が出てきます。
中間部9小節目からのメインはこのアクセントとともなって組み合わさった2つの音です。これが、右手、左手と交互に出て上から下へと動きます。
ここで気をつけたいことは、アクセントの音のみに集中しすぎて、次の音のスタッカートの音が曖昧な音で弾いてしまうことです。必ず2つの打鍵すべき音に指を鍵盤の上に持ってくるように準備してから、アクセントの音を打鍵し(このときは手首が下がります)次のスタッカートの音を、指で軽くはじくように弾くとしっかりとした響きが出せると思います。(弾いた瞬間、手首があがり(弾いた瞬間、手首があがります。
中間部最後の3小節(13~15)は、右手の拡張です。親指を支えとして、一つ一つの音をねらって鍵盤をスタッカートの音をはじくように弾いてみてください。
15小節目の右手のミの音は、小指が支えとなりますが、ここでの小指は前の音で跳躍した後にしっかりと支える感じで指を置くと良いです。鍵盤に重みを掛けた感じといったらよいでしょうか。力で押さえつけた音ではありませんよ。また、フォルテに向かっていくので左手との交互のタイミングに気をつけることです。
16小節目は最初に戻る事を意識してだんだんと、丁寧に鍵盤を左右の音を1つづつ弾くに従って音を小さくしていくことです。ここでのタッチは少しずつ手首をあげていくように弾くとうまい具合に弾けると思います。また右手は指換えがあるので手を少しずつ左に移動してあげるときれいな音で楽に弾けます。
ダ・カーポをして最初に戻ったときに、たいていの子供は長いといいます。これは跳躍した腕が疲れているのと、また16分音符の音階を弾くという難しさがあるからです。この部分がクリアーしたときにこの曲が持つ2つの性格が音楽的なおもしろさ、また弾く楽しさを感じるでしょう。ユニゾンの音も華やかですから、よりいっそう弾く喜びが味わえると思います。
演奏テンポは原典版では♩=132ですが、子供ではとうてい弾けそうもない無理な速いテンポです。
♩=116から♩=126ぐらいが適当だと思います。左手の動きがどうしてもスムーズにいかないと思いますから、無理のないテンポで。またあわてた感じにもなりやすいので、余裕があるように弾けることを目指してください。