曲の指定テンポ モデラート 中くらいの速さで
調性 へ長調
拍子 4分の3拍子
小節数 16小節
演奏順 1~8小節リピートフィーネ有り、9~16小節ダ・カーポ
全体演奏小節数 32小節
演奏時間 ♩=100 約54秒
練習に取り組む前に
曲名から、まず乱暴な音、力強いバリバリした音を弾かないようにと分かるかと思います。それをしっかりふまえて取り組みたいですね。
初めて、32分音符が出てきて、たいていの子供たちは難しいと感じるようです。
確かに、右手の動きだけでもものすごく速く感じるようではありますが、1つ1つみていくと、ある決まった動きの組み合わせであることに気がつくと思いま
ず。
32分音符の指使いは、4・3・2・1で8分音符はすべて3になります。
ですから、1拍の部分だけまず繰り返し弾いてみる事をおすすめします。
次に32分音符の最後の音と次の音だけを取り出して弾きます。よく見れば、ここは1と3の指の連続になります。このとき柔らかに1番から3番へ手首の落下を使って丁寧にしてつなげる事をして定着させます。
これをリズム通りに弾きます。こうした後に、2つ組み合わせると1フレーズが弾けることとなります。少し面倒ですが、スムーズなつながりをつけるには
近道だと思います。
ここで譜読みについて考察してみましょう。
譜読み
1 どのように音、音型が組み合わせてあるかをよく見ましょう。
2 共通するところと、違う部分をみつける。(曲の構造を知る事につながる)
3 1つの固まりとして読める、もしくは弾ける単位に分ける。(部分練習の助けになる)
4 なるべく何小節単位かを一つとして、繰り返し弾く。(フーズごとが一般的)
5 同じようにして、弾ける小節を増やしていく。
6 後は全体をゆっくり弾いてみる。
で当然のことながら、指使いについてもまず記入してある指使いで弾くことです。
中間部は前半と違うことは、左手にも32分音符の動きが出てくることです。すべて同じ指使いで弾くようになっていますが、32分音符の頭の音が親指で弾 きます。ここはどうしても音の運びが重くなりがちになりがちです。どういう訳かと言えば、親指を弾くことによって人差し指の動きが堅く、
鈍くなって しまう事が多いようです。
ではそれをなくすためにはどうするか。
指の鍛え方
① 親指の打鍵について小さな子供は親指の打鍵を手首の上下運動で弾いている場合が多いです。指の付け根から動かすという意識を持たせる練習をすること
をします。簡単な方法としては、手首の高さはピアノを弾く高さにして親指の爪に鉛筆かボールペンをあてて爪を上下させる運動をします。
② 慣れてきたら、使用していた鉛筆ももしくはボールペンを外して、同じように動かします。
③ 親指が指の運動で弾けるようになれば、人差し指は親指を補助する力が少なくなります。基本的に手(指)は、弱いものを補助しようとする働きがあるで、
1本1本の指を強化することと、意識を持たせる訓練をすることであると考えられます。
④ 補助する必要がなくなれば、人差し指の力みは少なくなります。親指弾いたときに人差し指が親指にくっつかないように成ればしめたものですね。
以上のことは音階においてでも同じ事がいえますから、両手とも訓練をする事をおすすめします。
また、右手の和音は親指のソ、が常に一定になっています。それを元に5度・6度・7度の広がりをもって、その中に一つ音が加わることが分かれば、それほ
ど難しくはないと思います。後、ここの部分で気をつけることは、タッチについての注意、アクセンティシモ、ポルタート、両手の和音のクレッシェンド、そして、最後の左手の8分音符の下行進行です。
次は、この曲が目的とする音楽はどのようであるか?を考えてみましょう。
「優美」と名付けられた事から、どこの部分がそのように感じさせるのかをまず考えてみましょう。
32分音符のターンのフレーズが何度も出て、またP、レガート、レジェーロと、弱くなめらかに軽くようにと要求していることから、32分音符の響きからその「優美」のイメージが感じられるのではないでしょうか。
4小節目の動きのふくらみ、前半の上昇していくところがデクレッシェンドになっています。ここは最後の音の響きが空間に舞っていくように感じますがどうでしょう?こういった所からも表題をイメージすることは出来るでしょう。
また中間部分まで弾いていくとの和音のタッチは、「優美」ということから想像して、堅い響きではない和音のタッチが好ましいと考えられますね。
ですから、スラーの中にスタッカートがある和音は、1つ1つの和音を区切るように弾くことがふさわしいと思います。
また途中の32分音符のfはおおらかな雄大な感じがしますね。ここは実際弾いてみると、紳士的な感じがする音が良いのかな?とも思います。少し立派な感じとでもいったら良いでしょうか。
目的は、32分音符はあくまでも美しく流れるように、優しく弾き、和音のハーモニーをよく聞いて!と考えられますね。
これでどんなタッチで弾いたらよいかが分かったので、ではどう弾くかを考えてみましょう。
弾き方について
① 32分音符のタッチは手首の少しの回転を伴って手首を少し高めにして弾くと軽やかになります。
② 8分音符のスタッカートは指で軽くはじくように
③ それに伴う和音は、手首をしなやかにして軽いリアクションのタッチで弾いてみてください。
④ 8分音符の和音は軽く肩たたきをする感じで。
⑤ 中間部の右手の付点四分音符の和音は、若干響きを大きくしたいので、鍵盤に手を準備して少し勢いをつけてリバウンドする感じでタッチします。
(少し重みのある響きになるように)
⑥ それに続く8分音符の3つの和音は一つの手首の落下運動で弾ききるようにして次の和音につなぐような感じで軽く弾きます。
⑦ 両手の和音の連打は、よくハーモニーを聞いて初めはゆっくりと響きをきく。次に一つ一つの和音をだんだんと大きくするようにします。そのときに押さ
えつけないで常に軽く手首がバウンドするように弾くと音楽がスムーズに聞こえます。
⑧ アクセンティシモの和音は鍵盤において手首を斜め下へ軽く付くようにタッチします。そしてすぐ手首のリアクションをするとよい結果が得られます。
⑨ 4分音符のテヌートは、ただ手を鍵盤において弾いた後、おいたままに音符の長さ分だけならす。手を押さえつけすぎない様に。
⑩ 左手の下行の8分音符は下の音の響きを大きめに出してだんだんゆっくりすると立体的な響きが出せます。
以上、まだほかに、注意すべき点はあるかも知れませんが、とりあえずこれだけは出来るようにしたいですね。これだけの事をマスターするにも随分と大変だと思います。とにかくあわてず、あせらずに、一つ一つ階段を上る気持ちで取り組んで欲しいとおもいます。
さて、この曲の演奏テンポについてですが、これもやはり、原典版は速いように感じるますので♩=92ぐらいが適当かなと思います。
とにかく優しく美しい音楽に聞こえるように精進して欲しい。また、これが弾けるようになったなら、これまでの指先の使い方(テクニッ
ク)に一つ、繊細さが加わったと思って欲しいです。これは将来ニュアンスをつけるのに効果的なテクニックの一つですのでしっかりと身につけましょう。