曲の指定テンポ アレグロモデラート ゆったりとはやく
調性 ト短調
拍子 4分の4拍子 2分形式
小節数 18小節
演奏順 1括弧2括弧2箇所 8小節リピート、9~16小節リピート
全体演奏小節数 32小節
演奏時間 ♩=126 約1分
解説
子供のちょっとした悲しみを表した感じです。
弾き手はいろいろと想像してみてください。
まず、左手に目を向けてみますと、左手の16分音符が心の動きを表しているようです。気持ちがそわそわしていたり、ドキドキ感、どうしようとか、といった気持ちの揺らぎが、音の動きに表れていると思います
左手の練習
手の小さい子供にと16分音符の粒をそろえることが、おそらく難しいかもしれません。
まず音の粒をそろえるには、「小指の支えがあるていど出来るか?」です。
指先を丸めることがちょっと難しいようであれば、まず、小指をまっすぐの状態で指の根元から指を動かすようにしてまず鍵盤を弾いてみましょう。
それが出来たなら、次に中指を動かしてみます。おそらく中指はしっかりとしておりますから弾けると思います。ただ黒鍵を弾くことになりますから鍵盤から滑り落ちやすいですね。落ちないようには、力を抜いて指の形を決めて軽く打鍵してみましょう。おそらくカを込めて弾く場合よりも黒鍵からずれ落ちることが少なくなると思います。
また、小指をしっかりさせるために、下記の運動をしてみることをおすすめします。
中指をある一つの鍵盤を弾いたままにして、小指をゆっくり三度下の鍵盤を弾く練です。たとえば中指をミの鍵盤を弾いたままにして、小指はドの音を弾くという練習です。この楽譜にある音を使っても出来ますね。
このときに指の形を丸くして弾くようにしてあげると段々と良い形で弾けるようになると思います。
また、小さな子供は左手の16分音符だ出てきますと、すぐに難しいと思い込んで挑戦しようとする意欲が弱くなるようですが、見せかけの難しさを取り除いてあげることで、スムーズに取り組めることが出来ると思います。
右手のテーマ
始め2分音符のたっぷりした音の響きを持たせたい音楽の始まりです。気をつけたいのは次の8分音符の音です。どれくらいの音の大きさで弾くと良いのでしょうか?下降進行ですから段々と弱くして弾くのが自然に聞こえると思います。
また、ここの下降進行形は気持ちが落ち込む感じに聞こえてきませんか?それとも落ち着いた感じに聞こえてきますか?
この曲で下降進行形をどのように使っているかを勉強することで、今後、弾く曲においても音の動きを勉強することで、曲のイメージをいち早く視覚的にとらえることが出来るようになると思います。
音の出し方について注意したいことは、二番目の2分音符をあまり強く弾かないようにすることです。メロディーが落ち着く音になりますから最初の2分音符より弱くしてください。
実際によく、親指で弾くこの音符は大きくなってしまうことが多いのです。まずは、学習者がこのメロディーを歌ってみることです。よく耳で聞きながら声に出して歌うと自然な感じに聞こえるのが正しい訳ですから、そのように聞こえるように弾くと良いわけです。
4小節目の右手の2分音符ですが、Λ(アクセンティッシモ)がついています。
これは、突然強く弾くとびっくりしてしまいますから、少し前ためらいがちにしてから弾くと、聴いている人が聞く準備が出来ます。
6小節目の4拍目から7小節目のシ♭の指使いで手の小さい子供では人差し指の親指飛び越しが難しいですから、ゆっくりと手首の高さに気をつけて練習しましょう。
7小節目(上記の楽譜では二段目の1小節目)ですが、1拍目から2拍目のラから高いソへの跳躍ですが、ほとんどの楽譜がスラーが付いています。
スフォルツァンドが付いているので、新たにアクセントのようになってしまいがちになります。しかしそれでは音楽の流れと緊張感が、途切れてしまう恐れがあると思います。左手から右手につなげるようにしますが、左手の音が消える寸前に右手を弾くことでスラーが途切れた感時には鳴らないと思います。また、気持ちでは、つながっているようにラからソへと、息を大きく吸いながら弾くことが大切だと感じます。
スフォルツァンドで弾くようになっていますから、よりスラーが切れて改めて弾くよりかは、音楽の抑揚が感じられる演奏になると思います。
次の第1括弧の部分ですが、右手と左手の六度の関係(ドラ、シソ、ラファ)で下降進行していく音の響きを聴きましょう。
第2括弧のレ、ファ♯、ラ、ド♯を和音で弾いてみましょう。悲しみのメロデ第2括弧のレ、ファ♯、ラ、ィーの中においてここの響きはモダンな感じです(増七度)。しかし分散してメロディーとして弾きますと、逆さまに段々と悲しみの気持ちの高揚が感じられるようになっています。不思議な響きのトリックがここには隠されていますね。
第2括弧以降の和音で進む所は、どんな感じがするでしょうか?
音楽の感情としては、どんどんと何か不安に追い詰められていく感じと感ずる人と、一生懸命に無くしたものを探して、どうしても見つからず焦っている様
子と感じる人も、様々いると思います。ただ共通していえることは、心が落ち着かない所だと思います。そういった一連の感情が、ここの部分の大半をしめているのではないでしょうか。
最後はあきらめにもにた感じで、右から左へと16分音符でそうそうと音が消え去る感じになっています。
何かこの曲は、結局見捨てられた、あきらめ、救いがないといった感情の表現はどのように音で表すかを示した曲だと思います。
また、子供にとっては、悲しみが全体を覆っている少し悲しい音楽として印象に残る曲かもしれません。
後半、両手で弾く8分音符の和音の弾き方は、スタッカートになっていますが、ポンポンとはねる音で弾くところでは無いことは上記の説明からも分かることだと思います。ですから、鍵盤から指を離さずに、慎重に鍵盤を軽く突くように、そして戻ってくる鍵盤をまた突き返す要領で弾き段々と音を大きくする気持ちで弾きます。
また音量のバランスは、右手の2音を左手より大きくします。もう一つ気をつけることは、テンポです。連続音を弾くと、どうしてもテンポを速くしたくなりますから、しっかりとテンポを守るように弾きましょう。16分音符の左手は、はじめの部分で学習した所と同じように練習をすると良いと思います。第1括弧、前小節の右手4拍目(レファ♯)ですが、音が離れているで、離れている分だけ音が移動する感じを持って少しテンポを遅くすると表情がつきます。
音程は、すぐ隣の音と、五つ六つ八つと離れている音と2音間を移動する時間は同じではありません。ピアノでは、指でもってその2音間を弾くわけですが、他の楽器ではピアノを弾くように簡単ではない難しい場合があります。この曲の場合のように六度も開きがある音を、声でもって歌ってみるとさぞ難しいと感じると思います。ですからそのように慎重にこの2音間を弾いて見てください。常に覚えていていて欲しいことは、もしこのメロディーを他の楽器で演奏したならばどんなことに気をつけるのか。例え他の楽器が弾けなくとも、想像して欲しいと思います。身近なものでは、縦笛(リコーダー)、自分の声、ハーモニカ等があると思いますから、それらで音を出してみるのも発見があると思います。