CATVインターネット(回線速度)

CATVインターネット(回線速度)

(J:COM 有線,無線 n/g/b (2.4GHz) ,無線 n/a (5GHz),160Mbps,LAN子機性能依存)


年 (2014) 10月,熊本県も「光インターネット」に加えて,光ファイバーを利用した多チャンネル放送サービス「光テレビ」の提供が開始された.一時,ケーブルテレビ回線サービスからの乗り換えを勧める電話や訪問が多かったが,最近は落ち着いてきた.

1987年7月,熊本ケーブルネットワーク株式会社が設立され,1989年(平成元年)6月に,熊本市が出資した第3セクターとなり,10月に熊本市の一部の有線テレビサービスが開始した.その際,サービスにインターネットも含まれるものと早合点して契約し,現在に至っている.その間,インターネットサービスに関する問い合わせをしたが,検討中の返事ばかりで,実際にインターネットサービスが開始されたのは,10年後の2000年になってからであった.

その後,2002年には,熊本ケーブルテレビ株式会社は伊藤忠系列のJCNとなり,テレビは地デジの時代を迎えた.昨年,ジュピターテレコムの連結子会社となり,呼称もJ:COMと変り,サービス内容もかなり変化した.これまで一社独占のためユーザには選択肢がなかったが,光回線の低廉化とサービスの多角化(テレビや電話なども含む複合的なサービス)は,CATV業者のサービス改善を促す結果になった.


我が家は,「テレビ(地デジ,BS中心)」,「インターネット(最低速度)」,「固定電話」の「セット契約」をしていた.しかし,OS や Linux (Ubuntu) ディスクイメージのダウンロード等には時間が掛かり過ぎるので,増速を考えていたところに,光回線業者の度重なる勧誘を受けた.CATV業者に,LAN増速のため「光」への乗り換えを検討中であることを告げたら,J:COMの新メニューにこれまでの料金と同程度でインターネット速度が 160 Mbpsお得なセットがあるという提案を受けた.今回はCATV回線の撤去工事などを勘案し,CATV業者の提案にそって契約を更新した.


業者による工事は,160 Mbps対応モデムに変更した程度で,パソコンの速度をチェックすることもなく帰っていった.

早速,初期設定の状態でアクセスしてみたが,大幅な速度の改善は体感できなかった.そこで,LAN速度を測定できるサイト(OOKLA)に繋いでテストすると,下りは 16 Mbps程度であった.J:COMのインターネットの評判をネットで調べると,「遅い」,「期待外れ」という書き込みが多く,中には消費者センターに相談し,解約したケースもある始末である.

ネットの契約では,「160 Mbps」を保証するものではない,「下り160Mbps,上り10Mbps仕様の機器を利用したベストエフォートサービスです」と書かれている.とは言っても,そこまで遅いはずはないと思い,いろいろ調べてみた.

まず,有線(1GHZ対応のカテゴリー6ケーブル)によるテストを行うと,そんなに低速ではなく,混んでいない時は100 Mbpsを超え,上限に近い速度を記録することもあった.しかし,無線接続では 20 Mbps 程度であり,有線接続の速度を味わった後,なんとなく釈然としなかった.

そこで新規交換したブロードバンドルーターにログインし,無線LANの初期設定を調べると,IEEE 802.11/b/g モードになっていて,11/nモードは無効になっていた.

11/b/g の場合,理論的には54 Mbps は出るはずであるが,実際は半分程度ということになる.11/nモードを有効(自動)にしてリセットすると,40 Mbps 程度に改善した.ついでに,無線子機(USB) の性能を 150 Mbps から 300 Mbps のものに交換すると, さらに 60-70 Mbps にアップした.理屈では 150 Mbps 対応で十分のはずであるが,LAN子機はひとつ上の性能にして余裕を持たせた方がよいということである.

Linux環境(Ubuntu 12.04)では,72Mbpsで接続できた.

Windows XPから鞍替えしたPentium 4, 3.0 GHzマシンである.無線LAN子機は 150 MbpsのUSBタイプ(BUFFALO WLI-UC-GNM1)を用いた.Apple G5 (1.8GHz)のUbuntuでは,USB子機(160 Mbps, Planex GW-USNano2)を用いて,65-72Mbps で接続できた.両者とも子機ドライバーは rt2800USBである.

業者の接続サービスの説明文をよむと,「本サービスは通信速度を保証するものではありません。回線の状況により最大速度でのご提供ができない場合があります。」と書かれている.ケーブルネットワークの速度は,時々刻々変化する.パソコンの処理速度に依存する可能性もあるので,Core i7マシン(Windows 7)でもテストしてみたが,同様な結果であった.PC本体より周辺環境の最適化が必要でり,無線は有線の半分程度の速度という結論が得られた.


追記

最近の無線LAN速度(Mac mini CPU Core 2Duo 2.0GHz) ,USB LAN子機 300Mbps)

5月24日 9時29分 下り87.63 上り6.68 Mbps

9時32分 下り86.98 上り7.16

5月25日 15時01分 下り84.95 上り7.77

5月26日 9時00分 下り70.17 上り7.35

9時03分 下り87.33 上り7.81

正午ー23時30分まで26回の平均は下り55 Mbpsであった.

経時変化[極端に速度が低下した点(19Mbps)があるが,すぐに復旧した]

2015年5月28日午前10時58分 300MbpsUSB無線子機(PLANEX GW-300S-KATANA),Mac mini 2009 (CPU 2GHz)

追記

CATV会社が設置したルータは,株式会社ブロードネットマックスの BCW710J であり,下記の設定が可能である.

ただし,無線 n/a (5GHz) は子機も対応している必要がある.

1)無線 n/g/b (2.4GHz)

2)無線 n/a (5GHz)

無線 n/a (5GHz) に対応した子機は,mac mini 内蔵の AirMac Extreme のみであり,80-100 Mbpsの速度が出る.最高速度は107 Mbps (2015.5.30 8:39) を記録した.


ケーブルテレビ余話

熊本大学在職時,生涯学習委員として,センターの立ち上げに参画したことがあった.インターネットサービス開始時期を会社に問い合わせ,サービス開始に向けて検討されていることを知った.そこで,生涯学習の一環として,インターネットを利用した講座の開講等を提案し たが,文系学部委員と話が噛み合わず,トーンダウンせざるを得なかった苦い思い出が残っている.

大学全体の生涯学習がだめなら,薬剤師の卒後教育なら実現可能ではないかと思い,学部将来計画案策定の際などで関係者に提案したが,定年退 職後,実施したという話は聞いていない.

現在は,YouTubeを介して数多くの国内外の大学講義を視聴することができるようになり,生涯学習は各人の「やる気」に依存していると言っても過言で はない.熊大での提案は10年早すぎた感が強い.


(2015.5.27)