レコード,カセット等のアナログ音源のデジタル化
レコード,カセット等のアナログ音源のデジタル化
(オーディオキャプチャー,Windows, Mac,パソコン録音機)
音楽カセット,8ミリビデオ,写真のデジタル化は,定年後(70歳)の自由な時間を活用して実行した仕事の一部である.
先日,知り合いが,レコードやカセットに録音されたアナログ音源をデジタル化して整理したいというので協力した.A-D変換の方法はMacとWindowsでは方式が異なるので,本人のPC環境を考慮してWindowsユーザー向きの変換を紹介した.
2008年に購入し,ジャンク箱に眠っていたプリンストンテクノロジー社のUSBオーディオキャプチャユニット(デジ造PCA-ACUM)と,専用ソフトをインストールした古いiBook G4を引っ張り出し,A-D変換を行った.
このアダプタは,本来Windows機用に開発されたものであり,比較的評判が良く,現在でも安価に購入することができる.Macの場合,Power Mac から Intel Mac への移行期に,音声入力端子が付いていない Mac 用に販売された.その後, Mac は音声入力端子を標準装備し,ソフト(GarageBand)的に変換できるようになり,製造が中止されたものと思われる.
現在,Windows用キャプチャーユニットは二種類販売されているが,新製品は変換処理のソフトが異なり,出力フォーマットが広くなっている.ユーザレビューによると,フリーのソフトも使用できるとのことである.
レコードプレイヤーやカセットデッキ等のアナログ音源とパソコンとをUSBアダプタで接続すれば簡単にA-D変換してくれる.今回,ラジカセとはミニジャックで接続したが,レコードプレイヤーやオープンデッキ等では赤白のRCAコネクターを使うことができる.変換ケーブルの途中にIC回路が組み込まれ,電源はUSBから供給されるので,単に接続するだけである.
コードの中間に変換回路を組み込んだ変換ユニット
変換ソフトの実行画面 任意の大きさに拡大表示可能
録音時に過大入力にならないように入力レベルを設定すれば,失敗することはない.一曲6分22秒の場合,標準音質(MP3フォーマット, ビットレート128bps )では約6MBの記憶サイズを必要とした.時価千円の16GB SDメモリーに2500曲くらい記録することができることになる.
MP3で十分であるが,もっと高音質を望む場合は,下記の方式等が利用できる.当然記憶サイズはMP3の5倍,10倍と大きくなる.
MP3フォーマット(標準音質),ビットレート 128 bpsの場合,記憶サイズ 6MB
Apple Losslessフォーマット, サンプルサイズ 16 bit の場合,記憶サイズ 33MB
Wave Audioフォーマット, サンプルサイズ 16 bit の場合,記憶サイズ 64MB
カセット1巻全曲を取り込んで,無音の平坦部分を目安に秒単位で部分的に再生して確認し,カットしたり抽出したりするなどの編集が可能である.
MacのGarageBandを利用した変換について
私は,主にMacを使っているが,音声入力用のミニジャックが付いている iMac や Mac mini では,購入時から付いているGarageBandというソフトを使ってアナログ音源をデジタル化している.GarageBand は音楽制作ソフトであるため,その意外な使用法を解説しているホームページがあるので,手順だけを整理してみた.
GarageBandの手順
1)Mac OSのシステム環境設定の「サウンド」から,「入力源」を選択する.「サウンドを入力する装置の選択」から「ライン入力
(オーディオライン入力ポート)」を選択する.選択した装置の設定で「入力レベル」を設定する.
内蔵マイクやUSBマイク等を使って音声を録音する場合はそのように選択する.
2)アプリケーションからGarageBandを起動し,「コントロール」の「メトロノーム」をOFFにする.
3)「トラック」から「トラックを削除」を選択,次いで「新規トラック」を選択するとトラックが追加され,「音源選択メニュー」が表示される.
4)「リアル音源」をチェックし「作成」ボタンを押す.
5)レコードプレイヤー,カセット等の再生装置とパソコンをケーブルで繋ぐ.
Power Mac G5, iMac, Mac mini等はミニジャックで接続する.光ケーブル接続も可能.
6)再生装置をスタートさせる.
入力を示すマーカーが振れない場合は,GrageBand の環境設定の「オーディオ」の設定をチェックする.
古い機種ではシステム設定と連動していない場合がある.
7)右下のある「i」を丸で囲んだボタンをクリックし,別ウインドウを開き,モニタを「入」にして録音状態が聴けるようにする.
8)録音レベルが大きすぎないように調整する.
9)GarageBandの赤い録音ボタンを押し,録音を開始する.
10)録音が終了したら,赤ボタンを押して録音を止める.巻き戻しボタンて巻き戻し再生してみる.
11)不要な部分を選択し,カットする.
12)共有から書き出しの選択をする.iTunes を選択すると曲が iTunes へ送信されアルバムに追加する.ディスクへの書き出し,CDの作成等ができる.
Power Mac G5,iMac 添付 GrageBand の場合,1分間の録音に約10MBの記憶領域が必要である(iTune 転送後の容量).
古いアナログ音源をデジタル化するのは,まさに定年後の仕事である. 高速化することはできないので.30分のカセットなら30分かけて再生,変換するわけだから,1日中やってもなかなか捗るものではない.音楽鑑賞と割り 切ってやっているが,好みでない曲の変換を依頼されると少々ストレスを感じることがある.ラジオやテレビの音声,マイク録音など一昔前までテープレコーダーを使用していたことがパソコンで簡単に実行できるようになった.磁性体を薄く塗ったビニールの紐に音声を録音していたこと自体が伝説になる日が近いのは確実である.
参考資料
GarageBand を使ってアナログ音源を Mac に録音する
IO DATAも類似のキャプチャユニットを販売している.
(2015.4.21)